(左から)アサヒ飲料「カルピス」、サントリー食品インターナショナル「おうちドリンクバー」シリーズ、キリンビバレッジ「世界のKitchenから ソルティライチベース」、伊藤園「健康ミネラルむぎ茶(希釈タイプ)」
(画像=(左から)アサヒ飲料「カルピス」、サントリー食品インターナショナル「おうちドリンクバー」シリーズ、キリンビバレッジ「世界のKitchenから ソルティライチベース」、伊藤園「健康ミネラルむぎ茶(希釈タイプ)」)

濃縮タイプの飲料はコロナ禍で在宅時間が増えたことから需要が高まり、コロナ禍が明けた後も水や牛乳を混ぜるだけで簡単に作れる点や自分好みにアレンジができる点が評価されて需要を維持している。

「カルピス」(コンク飲料/470mlPET他、アサヒ飲料)は、1〜5月の販売数量が前年比15%増加と好調に推移している。コロナ禍で需要が増加し、その後も備蓄のしやすさやアレンジできる汎用性の高さなどの価値が評価されている。今年は同ブランドが1919年から提供し続けてきた“おいしさ”“滋養”“安心感”“経済的”の4つの基本価値を改めて訴求、CMでは生乳から作られていることを伝えている。

また、コロナ禍で宅飲みが増えたことから、割材として常備され始めた炭酸水を使う濃縮タイプの飲料も発売されている。

4月に発売された「おうちドリンクバー」シリーズ(340mlPET、サントリー食品インターナショナル)は、炭酸水で割ることで家で簡単に「POPメロンソーダ」や「C.C.レモン」を楽しめる商品だ。炭酸水だけでなく、「POPメロンソーダ」にペプシをちょい足しした「メロメロペプシ」や「C.C.レモン」を牛乳で割った「C.C.レモンラッシー」など、幅広いアレンジを訴求している。

サントリー食品の担当者は同シリーズについて、「濃縮飲料は2018年以降に市場が約2倍に伸びるなど好調なカテゴリーになった。炭酸飲料の濃縮タイプはまだ馴染みがなく、チャレンジする意味も含めて発売した」としている。

キリンビバレッジの「世界のKitchenから ソルティライチベース」(500mlPET)は、猛暑が予想される今年も需要が高まりそうだ。「ソルティライチ」シリーズは熱中症対策飲料としての人気も高く、牛乳で割るラッシー風やおやつなどにアレンジして楽しむ消費者も多いという。

「健康ミネラルむぎ茶(希釈タイプ)」(450mlPET/伊藤園/4月発売)は、1本で4L分のむぎ茶が作れることから、省スペースであることや好みの濃さのむぎ茶をすぐに楽しめることが強みだとしている。

コロナの巣ごもり需要で多様化した濃縮飲料は、効率や経済性を求める現代人に合った飲料の形のひとつかもしれない。アレンジできることから、飲料の楽しさも感じることのできる商品となっている。