米国で販売する液状みそ『miso&easy』
(画像=米国で販売する液状みそ『miso&easy』)

マルコメのみその海外出荷量(現地工場からの販売も含む)がすでに1万tを超えており、国内メーカーの中ではトップクラスとなっている。輸出先は、北米、南米、オセアニア、東南アジア、欧州の47カ国に向けて、みそを出荷している。

同社欧米事業本部の榊原光芳課長によれば、みそは日本メーカーだけではなく、以前から現地でみそを製造販売しているメーカーが存在し、ある一定の認知を得ているのだという。

マルコメ欧米事業本部・榊原光芳課長
(画像=マルコメ欧米事業本部・榊原光芳課長)

みその嗜好性に関しては、各国で特徴があり、「欧米では白系の甘めのみそが好まれる傾向があり、東アジアではだし入りみそが普及している。韓国では、もともと現地製造のみそメーカーの作るみそが濃いみそだったことから、色の濃い合わせみそが普及している」という。

みその形状はペーストが主流で特に業務用ではペーストの販売の割合が大きいのが現状のようだ。

「米国では、みそ汁サーバーや『miso&easy』といったネーミングで液状みその販売も展開し、売上は伸長している。米国では、Instagramを使って、液状みその使い方や現地の料理に使ってもらえるようなレシピ提案を実施している」(榊原氏)。

各国の売場の様子についても聞いてみたところ、「中国やタイでは当社のシェアはトップクラス。タイでは『一休さん』ブランドに人気があり、販売数量も伸長している。欧州では、アジア食品コーナーに日本の食材が並べられている。日本食における認知度はそれほど高くなく、みそ汁以外にも調味料として使えることなどはまだ認知が進んでいない状況だ」とした。

一方、親日の台湾では、日本のみそメーカーの品ぞろえが豊富で、売場では日本食を好んで並べる傾向にあるという。米国では、現地みそメーカーの商品が規模は小さいが安定した人気があるのだと榊原氏は話す。

〈日本で確立されたブランドで得た信頼感で差別化、著名なシェフとのレシピ開発も〉
他社との差別化について聞いた。「『料亭の味』や『プラス糀』など、日本で確立されたブランドを持っていることで、信頼感を与えられる。魚沼醸造という世界最大規模の麹製造工場を備え、かねさを子会社化し、顆粒みそを得たことも、差別化の一つとして、アピールポイントになっている。また、『マルコメ君』の認知度が高く、このキャラクターによって、日本らしさを感じてもらえている部分もある。料亭の味のテレビCMに英語字幕を付けてYouTubeに上げているが、アニメを使った作品ということで、親しみやすく、ストーリーにしても、数十万回再生されるなど、反響を得ている」と語る。

営業活動については、「みその食べ比べやみそ作り体験を海外のレストランでシェフを招き実施しているほか、料理学校で麹に関する講義を行うこともある。みそにはいろいろな料理に使えることを伝える取り組みでは、著名なシェフとコラボして、レシピ開発し、商品化することでレシピ提案を強化している」という。

コロナ禍を経て、食に対する健康意識が北米をはじめとする各国で変わり始めていることにも言及する。

「日本の発酵食品に海外の著名なシェフが注目し始めている。みそ以外にも甘酒や大豆のお肉を展開する当社にとっては追い風だ。タイでは店舗事業も展開しており、『糀美人』カフェやみそ専門店の蔵乃屋のポップアップストアを展開することで、お客様とのつながりをさらに強固なものにしていきたい」と話題性を高め、直接消費者にアプローチできる場を作り出すことで、マルコメファンの更なる獲得に挑む。

〈大豆油糧日報2024年6月24日付〉