(株)はくばく(山梨県中央市、長澤重俊社長)は2月7日、大麦を食べることで脂質の蓄積が抑えられる新たなメカニズムを解明したと発表した。
大妻女子大・青江誠一郎教授との共同研究によるもので、オランダの科学雑誌「The Journal of Nutritional Biochemistry」(2023, Volume125)に掲載された。
大麦には血糖値の上昇や脂質の蓄積を抑える効果が知られている。脂質の蓄積量が下がるメカニズムについて、これまでは大麦の食物繊維(β-グルカンなど)が腸内で食品の消化吸収を緩やかにし、脂質を含む便の排泄量を増加させることが主な要因とされてきた。ただ、排泄量が増加していなくても脂質の蓄積が抑制されているケースもあり、異なるメカニズムが影響している可能性があった。
今回の研究では、脂質蓄積の抑制に「胆汁酸」(胆汁に含まれ、腸内で脂質の吸収を促す物質)の動きが関与していることが分かった。マウスを使った実験で、大麦を摂取すると▽小腸下部で胆汁酸の吸収が促される▽大腸では、胆汁酸の働きで脂質合成に関わる遺伝子の発現が低下する――ことを確認。こうした作用が脂質蓄積の抑制につながると結論づけた。
〈米麦日報2024年2月13日付〉