総合建設機械レンタルのアクティオは、無人で建設車両をレンタル可能な新サービスとして、アクティオカーシェアスポット「アクスポ」を1月18日から開始した。同日に行われたオンライン発表会では、「アクスポ」を展開する背景やサービス概要について説明した他、滋賀県にあるアクティオ滋賀営業所と中継を結び、実際に「アクスポ」で建設車両をレンタルする様子などを紹介した。
「『アクスポ』は、トラックやダンプ、トラック式高所作業車、橋梁点検車などの建設車両を無人でレンタルできるサービスとなる。建設車両のレンタルを無人化することで、顧客の利便性向上、業務の効率化、生産性の向上に貢献するべく本格展開を開始する」と、 アクティオ レンタルDX営業部 副部長の川上修明氏が挨拶。「今までは深夜や早朝にレンタルしたい場合、前日に来店する必要があったが、『アクスポ』を利用することで、時間を問わずいつでも来店してレンタルできるようになる」と、夜間・早朝のレンタルにも無人で対応するという。「また、当社としては、週休二日制の実現に向けて土日・祝日の無人出庫対応を図ると共に、カーシェア以外の商材の無人貸出・返却など新たなサービスの創成も目指していく」と、「アクスポ」を開始する狙いを述べた。
「サービスを利用する際には、まず『アクスポ』を展開している営業所で事前登録を行い、会員カードとQRコードを発行する。次に、レンタルしたい建設車両を電話で予約する。貸出日、返却日は24時間365日、自由な日程を選択できる。予約指定日時に『アクスポ』へ来店し、鍵管理機に会員カードまたはQRコードと免許証をタッチして鍵を受け取り、車両をレンタルする。業務終了後は『アクスポ』へ車両を戻し、鍵管理機にカギを返却する」と、建設車両の貸出から返却まで無人で対応するフローについて説明した。「レンタルできる車両としては、トラック、ダンプ、散水車、トラック式高所作業車、トレッククレーン、橋梁点検車など、様々な建設車両を用意している。また、商用車もレンタルすることができる」と、現場のニーズに応えるべく多種の建設車両を揃えていると教えてくれた。
「鍵管理機については、クマヒラ社製の屋内型とグローリー社製の屋外型を用意しており、設置営業所のロケーションに応じて使い分けていく。例えば、寒冷地にある苫小牧営業所では、専用ハウスに屋内型の鍵管理機を設置し、機材にはヒーターを搭載している。川越営業所では、簡易テントに屋外型の鍵管理機を設置している」と、屋内型と屋外型の2種類の鍵管理機を展開するとのこと。「鍵管理機の予約システムの開発は、クラウドソリューション事業を手掛けるスマートバリューが担当した。同社は、10年以上にわたって、法人向けテレマティクスサービスやモビリティのシェアリングサービスを開発・提供してきた実績があり、モビリティIoTに関する深い知見を生かして今回の無人化システムを構築した」と、スマートバリューとの協業によって無人レンタカーサービスを実現したのだと説明した。「現時点では、滋賀営業所、苫小牧営業所、室蘭営業所、川越営業所の4拠点でのスタートとなるが、今後、加速度的に『アクスポ』の拠点を全国に拡大していく。また、ITやAIを活用し、無人化システムをさらに進化させていく」と、今後の展望についても言及していた。
ここで、アクティオ滋賀営業所と中継を結び、「アクスポ」で建設車両をレンタルするデモンストレーションが行われた。「滋賀営業所では、無人レンタルできる建設車両として、橋梁点検車や散水車、トラック式高所作業車、さらにはレールの上を走る軌陸車などを用意している。これらの車両は夜間の作業で使用されることも多いため、『アクスポ』は便利なサービスになると感じている」と、アクティオ 産業機械事業部 主査の辻尾晃一氏が、滋賀営業所の主な建設車両を紹介。
「鍵管理機は屋内型を設置している。事前予約した車両をレンタルする際は、まず会員カードまたはQRコードをかざし、次に免許証をかざすと鍵の入ったボックスが開錠される。ボックスから鍵を取り出せば車両を使用することが可能になる。返却する際も同様に、会員カードまたはQRコードと、免許証をかざすとボックスが開錠されるので、鍵を戻せば返却完了となる」と、「アクスポ」での車両貸出から返却までの手順を実演で解説してくれた。
滋賀営業所で「アクスポ」を展開する背景について、アクティオ 西日本支社 京滋支点 支店長の小林理彰氏は、「志賀営業所で第2ヤードを購入することになり、有効な活用法を検討していた時に、無人レンタカー貸出・返却サービスの『アクスポ』が始動することを知った。同サービスを提供することが、滋賀営業所の顧客の利便性向上につながると確信し、採用することを決めた」と述べている。「従来のレンタカーの付加サービスとして『アクスポ』を展開し、休日や夜間に建設車両を使用したい顧客に向けて利用を促進していく。売上目標としては、まずはレンタカー売上全体の10%を達成したいと考えている。将来的には、レンタカーの利用をすべて『アクスポ』にシフトしていきたい。そして、レンタカー以外の商品も無人で提供できる店舗を目指していく」と、今後の展望を語っていた。
アクティオ=https://www.aktio.co.jp/