MA Channel:ちょっとためになるコラム
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東京商工会議所が東京23区内の事業者を対象に実施した「事業承継の実態に関するアンケート調査」の結果が公表されました(2018年1月)。
この中で、
・中小企業は、M&Aに対するイメージがなく、「よく分からない」という回答が約半数
・一定以上の規模の企業でも「自社はM&Aの対象にならない」と考えていることが多い
というような実態が明らかになりました。
今回はこの数字を見ていきたいと思います。

M&Aに対するイメージはおおむね良好だが、イメージわかない方が約半数

M&Aに対するイメージについての調査は下記の円グラフの通りです。「良い手段だと思う」は39.3%と、「良い手段だと思わない」の13.6%に対して約3倍となっています。
ただ、47.1%の方は「よくわからない」と、M&Aに対してイメージがないとのことです。

◼︎M&Aに対するイメージ

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「自分の会社はM&Aの対象ではないだろう」と考える経営者が多数

自社がM&Aの対象になるかどうかという問いについては、半数近い40.3%が「ならないと思う」と回答しました。
M&Aについて悪いイメージは持っていないものの、「自分の会社はM&Aの対象ではないだろう」と考える経営者が多数いることがわかります。

◼︎自社がM&Aの対象になるかどうか

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また、興味深いのは、下記の「従業員規模別のM&Aのイメージ」結果です。
従業員数100名以下の企業では、M&Aのイメージがよく分からないという回答が約半数を占めています。

◼︎従業員数×M&Aのイメージ

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一方で、当社で取り扱う譲渡企業の規模は下記円グラフの通りです。
50名以下の企業が約83%を占めており、100名を超えている企業は5.7%に過ぎません。平均を見ても33名(中位数は20名)となっています。
実際のM&Aの現場ではそれほど大きくない企業がM&Aの対象になっています!

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※上記データは2016年度に成約した譲渡企業の情報をもとに集計したものです

さらに、「自社株式の評価額別の自社がM&Aの対象となると思うか」の結果も紹介されています。
自社株式の評価額(相続税評価)が5千万円~5億円以下の企業でも約3割、5億円超でも約4割の企業は「自社がM&Aの対象とならない」と回答しています。

◼︎自社株式の評価額×自社がM&Aの対象となるか

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通常、相続税評価額よりもM&A評価額のほうが大きくなりますし、相続税評価額がそれだけ高く計算されるならM&Aの対象に十分なるのでは?と感じます。
今回調査の対象になったのは東京都23区内の企業で、地方の企業よりもM&Aを身近に感じる機会が多いはずです。それにもかかわらず、M&Aに関する認知がまだ進んでいない実態が浮き彫りになりました。

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