渋滞時はどの車線を走ると早い? 渋滞にはまった時にプロドライバーが走行車線を選択する時のコツ

高速道路を利用したことある方なら、誰もが経験したことあるのが渋滞です。渋滞は、車を運転する際の一番の敵といっても過言ではないほどで、ドライバーだけでなく、同乗されている方にも負担や影響を与えるものです。渋滞を回避する方法は、走行する時間帯を変えたり迂回ルートを利用したりと、その方法はいくつかあります。ですが、どうしても渋滞を避けられない場面というのも、多々あります。

その際、渋滞と上手につきあうことと渋滞中の車線選択が、渋滞にはまってしまった時に少しでも所要時間を短縮するためには重要なことになります。渋滞中でもスムースに流れる車線を走行できるかできないかでトータルの所要時間にかなり差がでることもあります。渋滞時にはどの車線を選択すれば良いかを知識として知っておくと、渋滞時のストレス緩和につながり、より高速道路を満足して利用することができます。

渋滞の際に流れる車線とつまる車線は、渋滞の場所や渋滞の理由によって違います。ただし、ある程度「法則」のようなものがあるため、渋滞のパターンや参考になるものがわかると、自然と流れる車線をみつけて走行することが可能になります。

ここでは、ほぼ毎日高速道路を運転し数々の渋滞をさまざまな場所や区間で経験してきた私が、渋滞時にどの車線を走行するのが、より早く渋滞を抜けられるかをお話しします。多くの渋滞や長距離にわたる渋滞が発生する大型連休等で高速道路を利用予定のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. 「自然渋滞」の場合:走行車線の方が流れることが多い
  2. 「事故渋滞」や「工事渋滞」の場合:車線規制していない方の車線が流れる
  3. 「サービスエリア渋滞」や「インター出口渋滞」の場合
  4. 渋滞時は長距離トラックや高速バスの車線どりが“参考になる”
  5. 普段から渋滞への傾向と対策を考えましょう

「自然渋滞」の場合:走行車線の方が流れることが多い

渋滞時はどの車線を走ると早い? 渋滞にはまった時にプロドライバーが走行車線を選択する時のコツ

渋滞が発生する原因は、多々あり、さまざまな種類の渋滞があります。そして、渋滞のなかで一番多いのが、交通集中による「自然渋滞」です。

高速道路は走行するための車線が地域や区間によって増減しますが、設置されている車線数のキャパを超えると、車の流れがつまり、渋滞が発生します。

自然渋滞で最も多いのが、下り坂から上り坂に路面状況が変わる、いわゆる「サグ」と呼ばれるポイントです。有名な渋滞ポイントでは、東名高速道路の「大和トンネル」付近や中央自動車道の「小仏トンネル」が、このサグに該当する渋滞ポイントです。

自然渋滞ではどの車線を走行するべきか、これは自然渋滞が「どの車線からつまりはじめるか」を考える必要があります。みなさん、少しでも早く走行したいと考えるとなると、右車線の追越車線を積極的に利用するかと思います。そして、交通量が大幅に増えると追越車線がつまりはじめて、次に左車線の走行車線がつまりはじめます。

この法則から、自然渋滞時はなるべく走行車線を走行するのがおすすめです。私も数々の自然渋滞のなかを走行してきましたが、走行車線の方が追越車線に比べて流れがいい傾向があります。さらに、片側3車線の場合走行車線は2車線存在しますが、一番左車線を走行すると流れることが多いです。

自然渋滞時も通常時も、交通ではなるべく走行車線を走行することを心がけることと、最近では渋滞ポイントを知らせる看板も設置されているため、渋滞を発生させない「渋滞予防」にも積極的に取り組みましょう。

渋滞対策の参考

・NEXCO東日本「走行車線の利用促進による渋滞対策
・NEXCO東日本「高速道路の渋滞対策

「事故渋滞」や「工事渋滞」の場合:車線規制していない方の車線が流れる

渋滞時はどの車線を走ると早い? 渋滞にはまった時にプロドライバーが走行車線を選択する時のコツ

渋滞には、事故や故障車によるものや工事のためのものもあります。これらは、いわゆる「突発的な渋滞」であり、自然渋滞のようにある程度渋滞するポイントが決まっているわけではなく、どちらの区間や地域でも発生する可能があります。

事故や故障は、発生場所もさることながら原因もさまざまあり、それにより規模感や交通に影響する範囲も異なります。工事も、その時その時で範囲や距離が異なります。なかなか難しいことですが、これらを走行中に分析して見極めることで、渋滞のなかでもよりスムースな走行ができます。

事故や故障車、工事渋滞では該当する車線が規制されます、つまり一時的に利用ができなくなります。これは、右車線の可能性もあれば左車線の可能性もあり、状況によって変化するのです。

そして、規制されている車線を走行している場合、事故や故障車、工事の現場まできた際に必然的に規制されていない車線への車線変更をすることになります。その分、規制されていない車線に比べて、車の流れは悪くなります。

ゆえに、事故や工事渋滞の際は規制されていない車線を走行するのが望ましいといえます。とはいえ、走行中に規制されている車線の情報を取得するのはなかなか難しいですが、高速道路上に設置されている電光掲示板や、カーナビの音声案内や渋滞情報、ハイウェイラジオなどを活用して、できる限り情報を取得できるように努めることが対策の一つとなります。

「サービスエリア渋滞」や「インター出口渋滞」の場合

渋滞時はどの車線を走ると早い? 渋滞にはまった時にプロドライバーが走行車線を選択する時のコツ

渋滞の種類には、サービスエリアや高速道路のインター出口を利用する方々で混雑しているために発生するものもあります。高速道路の本線以外の分岐点の先も、交通のキャパシティが決まっているため、それを越えると渋滞となります。

サービスエリア渋滞やインター出口渋滞の傾向としては、本線からの分岐の手前から左車線の左側、路肩がある区間なら路肩に車の列ができます。長い場合は、手前1〜2kmから左側に列ができはじめます。

サービスエリアやインター出口による渋滞は、電光掲示板に表示されることもありますが、自然渋滞や事故や工事による渋滞と比べると、表示の優先度は低い傾向にあります。それもあり、走行車線を走行していて、いきなり渋滞と最後尾が現れるなんてこともよくあります。

そのため、サービスエリアやインター出口手前の渋滞が発生しそうなポイントでは、手前3〜5kmから少し警戒することと、場合によっては追越車線を利用して、車の流れを悪くしない工夫も求められます。

サービスエリアやインター出口の渋滞は、通常の渋滞より特殊なケースとなることに加えて、発生する回数や機会も地域によって少ないため、あまり遭遇した経験がない方もいらっしゃるかと思います。

とはいえ、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの交通ピーク時などは、あらゆるサービスエリアやインターでも渋滞する可能性を秘めているので、頭の片隅に入れながら走行することは大事なことです。

渋滞時は長距離トラックや高速バスの車線どりが“参考になる”

渋滞時はどの車線を走ると早い? 渋滞にはまった時にプロドライバーが走行車線を選択する時のコツ

この方法、「長距離トラックや高速バスの車線選択を参考にする」は、私が仕事で送迎したお客様より教えていただいたテクニックになります。

渋滞のなかを走行する際に、どの車線を走行するべきか悩むケースも多いかと思います。その際、周囲を走行している長距離トラックや高速バスの車線どりを参考にすると、わりとスムースに渋滞のなかを走行することができます。実際私も何回か実践してみましたが、かなり効果のある方法です。

長距離トラックや高速バスは、ある程度ルートが決まっていて、ドライバーも何回何十回と同じルートを走行している経験があるため、その道のことにかなり詳しい場合が多いのです。

当然、ドライバーは渋滞時にどの車線が流れてどの車線がつまるかも把握しているため、自然と流れる車線を選択しています。なので、彼らを参考にして走行すれば、自分も渋滞のなかでもスムースに走行できるというわけです。

ここでさらに大切なのが、参考にするトラックやバスを見極めることです。トラックはなるべく大型の物流トラックで配送ルートがある程度決まっていそうな車を、バスの場合は観光バスよりは高速道路を利用する路線バスの方が参考になる傾向にあります。

この見極める力をだんだんと養っていくのも、渋滞のなかを走行する対策につながります。

普段から渋滞への傾向と対策を考えましょう

渋滞時はどの車線を走ると早い? 渋滞にはまった時にプロドライバーが走行車線を選択する時のコツ

渋滞のなかをどの車線を走行するか選択するのは、かなりの知識や経験が必要なこともあります。とはいえ、ある程度パターンというものが決まっていますので、そのパターンを読み切れれば渋滞のなかでも所要時間を短縮することができます。

いわゆる傾向と対策をつかむことが大事で、私もつねに行っていますが、渋滞の分析をしてどのように走行すればよりスムースかを考えることが、渋滞と向き合っていくためには必要な要素です。

あとは、渋滞のなかを車線変更を繰りかえしてすり抜けていくような運転をされる方もいますが、これは自分や周囲の車への危険度を高めるだけでなく、渋滞をさらに悪化させることにもつながるため、なるべく渋滞中はむやみやたらな車線変更をしないようにおねがいします。

渋滞についてつきつめることで、より運転が快適便利にそして楽しく利用できます。ぜひ、よりよいドライブのために、普段から学ぶ意欲を持って運転しましょう。