インタビュー
(画像=日本M&Aセンター)

戦略に基づく能動的M&Aを支援する日本M&Aセンターのコンサルティングサービス「プロアクティブ・サーチ」を実際に活用し、2017年10月に双方にとって Win-Win のM&Aを実現された株式会社デイトナ(JASDAQ 上場)と株式会社ダートフリークの両トップに、決断の背景や当時の協議・交渉の状況、M&Aの有効性について語っていただいた。
(インタビュー : 日本M&Aセンター 企業戦略部 西川大介、永井智也)

国内は縮小、 鍵は成長する世界市場

―両社の業界についてと、将来の展望を教えてください。

諸橋 われわれの属する二輪アフターパーツ業界は、ウェアにせよ部品にせよ、バイクが売れないことには売れないため、バイク業界の動向に依存しております。国内市場に関しては創業当時から縮小する一方です。

織田 国内のお客様の多くは50代の男性です。リターンライダーと言われる方々で、昔バイクに乗っていた方が子育てを終えて自身の時間に余裕ができ、趣味として再開する方が多くいらっしゃいます。

諸橋 世界的に見ると東南アジアや南米が伸びており、世界的には拡大傾向にあります。このあたりが今後我々の成長に関わってくると思います。 同業買収による単なる売上拡大は意味がない

―織田社長へ伺います。今回取り組まれた、事業戦略に基づくプロアクティブサーチについてお聞かせください。

織田 市場がなかなか成長しない中、自社としては成長スピードを速める必要があったため、M&Aという経営戦略を検討しました。しかし、単なる同業との資本業務提携による売上の増加といったM&Aは考えていませんでした。両社にシナジーが見込まれるパートナーとなりうる企業をじっくりと選定した結果、ダートフリーク社にお声がけをさせていただきました。

―ダートフリーク社のどのようなところに魅力を感じられましたか。

織田 我々の業界を大きく分けると、オンロード市場とオフロード市場に分類できます。当社はオンロード市場中心ですが、ダートフリーク社はオフロード市場において圧倒的なシェアを持っております。両社の領域と商品が重ならないものの、販売先は重なるところもあり、提携によるシナジーは明確でした。また、展開している商品から、優れた製造拠点をもっていることが見て取れましたので、この点も魅力的でした。

市場の住み分けが明確、「面白そう」だと思った

―諸橋社長へお聞きします。デイトナ社から資本提携の打診を受けられた当初どのように感じられましたか。

諸橋 日本M&Aセンターを通じてご提案をいただきましたが、業界ではよく知ったデイトナ社からの提案であり、もともと市場も住み分けができていたため、面白そうだな、と感じました。
実は、M&Aの提案については今回で2度目であり、デイトナ社からお話をいただく少し前に、他の企業からご提案を頂いておりました。本格的に検討をしたのは今回が始めてでしたが、そのこともあってM&Aについてはネット等で少しずつ研究をしておりました。

―両社ご面談を重ねていく中で、両社の事業について、また企業文化について、どのように感じられましたか。

織田 諸橋社長はモノ作りが好きな人で、まじめで誠実なお人柄だと思いました。さすが創業者だけのことはあります。旺盛なチャレンジ精神と断固とした決断力を強く感じました。

諸橋 自分は業界関係者と深い交流をしてこなかったので、自分オリジナルの方法で経営をしてきた自負がありました。しかし、織田社長とお話をして、自分よりも早く同じような経営のしかたをしていた会社があったのかと驚きました。経営陣の皆様はすばらしい方々ばかりであり、不思議と初めて会った気がしませんでした。

織田 社内環境は、聞くほど酷似していて驚きましたね。

諸橋 はい、両社がバイクのテストコースを持っているところまで、一緒でした。

織田 両社の違いは、上場しているかどうか程度。管理面についてのみ上場企業レベルへの引き上げが必要でしたので、一緒に頑張らせていただく、という気持ちで取り組みました。

―取引先や社員等、M&Aの開示をした際の反応はいかがでしたでしょうか。

諸橋 取引先については、きちんと説明し問題ありませんでした。社員については、「社長の身に何かあったら...」と思っていた社員も多かったので、安心してくれたようでした。

段階を追ってPMIを実行 すでに現場レベルでの連携もスタート

―M&A後のPMIの取組み状況はいかがでしょうか。

織田 本案件を一緒にやってきて両社の状況をよく理解している日本M&AセンターのPMI支援室に入っていただき順調に進んでおります。ダートフリーク社には一時的に負担をかけてしまっておりますが、あまりストレスをかけないようにという気持ちのもと進めております。当社も管理部門に余剰人員がいるわけではないので、正直思った以上に大変ではあるものの、管理部門の責任者が自ら週に何度もダートフリークに行き、非 常に頑張ってくれています。まずは、決算・事業計画・管理会計と段階を追って整備したいと思っています。

諸橋 デイトナ管理部の責任者の方に週に2回きていただいており、非常に助かっています。また、両社の現場のことで言うと、どちらの社員もバイクという趣味を仕事にしている方の集まりなので、意気投合できています。担当者レベルでの交流がすでに活発になされており、次々と新たな取組みが各所で企画されている状況です。

シナジーがわかりやすく良い組み合わせ 結果を出していくことが楽しみ

―今回のM&Aを振り返ってご感想をお聞かせください。

諸橋 自分でいうのもなんですが、“いい組み合わせ”だと思っています。事業承継については40代のころから、もやもやと考えてきました。これが解決したため、今はやるべきことが明確になり、今はすっきりした気持ちで両社の将来に向けて頑張っています。

織田 両社の組み合わせをみると、事業も、人も、文化も、シナジーが非常にわかりやすく、今後結果を出していくのが非常に楽しみです。両社のチャレンジする文化をこれからも大切にしていきたいです。

西川大介、永井智也(企業戦略部 株式会社日本M&Aセンター)