日本アクセスの関東エリアにおける取引メーカー組織、関東アクセス会(斉藤孝博会長=日清オイリオグループ執行役員東京支店長)は6月30日、都内ホテルで総会を開催した。総会に際し、日本アクセスの佐々木淳一会長があいさつし、2023年10月で30周年を迎える日本アクセスの歩みについて振り返った。
現在の日本アクセスは1993年、雪印グループの販社5社▽仁木島商事▽島屋商事▽東京雪印販売▽雪印商事▽雪印物産――が合併し、「雪印アクセス」として設立された。2004年に「日本アクセス」に社名を変更。その後、2007年に西野商事を合併、2011年にファミリーマートの物流を担うファミリーコーポレーションを合併するとともに、生鮮食品事業の伊藤忠フレッシュを経営統合、2016年に外食流通事業のユニバーサルフードを合併し、今日に至っている。
その間の歴代社長は〈1〉1993年10月~1997年6月信田力正氏〈2〉~2003年6月湯淺慎一郎氏〈3〉~2009年6月吉野芳夫氏〈4〉~2016年6月田中茂治氏〈5〉~2023年4月佐々木淳一氏(現会長)――が務め、2023年4月から第6代目にあたる服部真也社長が就任している。
1993年、5社合併時の目的は、5社が持つ「人」「仕入先・得意先」「設備・資金」を結集し、体質を強化することで“新しい流通サービス業への脱皮”を図ることとし、4つのビジョンとして、
〈1〉新物流システムの創造=全温度帯をカバーするフルライン物流の広域ネットワーク構築
〈2〉新マーチャンダイジングの創造=効率的なスペースマネジメント、カテゴリーマネジメントの改善・提案
〈3〉新情報システムの創造=情報のクイックレスポンス実現、新情報システムの創造
〈4〉リテイルサポート、ユーザーサポートの創造=得意先の経営効率化につながるリテイルサポート、ユーザーサポートの創造
――を掲げていたという。
佐々木会長は「この中の“新物流システムの創造”は、ドライからチルド、フローズンに至る全温度帯をカバーするフルライン物流の広域ネットワーク構築を目指したもので、これがまさしく今日の当社を支える機能の1つとなっている。歴代社長が5社合併時に描いたビジョン、行動指針を受け継いで、名実ともに食品総合卸ナンバーワンとなり、先人たちが描いたビジョンが正しかったことが証明されたと考えている」と話した。
業績の推移を見ると、1994年度と2022年度の比較で、売上高が6,460億円から2兆3,288億円(※新会計基準適用前の数字で比較)と3.6倍に、経常利益は6億円から261億円と、実に41倍と大きく拡大した。
売上高の内訳は、ドライが3,160億円→8,672億円と1994年度と2022年度の比較で2.7倍、チルドが2,080億円→7,546億円と3.6倍、フローズンが1,070億円→5,036億円と4.7倍に拡大し、フローズンが最も拡大率が大きかった。
一方、得意先と仕入先の推移を見ると、得意先は3万社超→2,000社と大幅減、仕入先数は4,000社→1万社と大幅増となった。「この30年間で、川下のお客様の側では集約が進んだということだと思う」(佐々木会長)。
佐々木会長は、「合併時に描いたビジョンを受け継いで、お客様のニーズや変化に対応した差別化戦略を実行しながら、築き上げてきたコールドチェーンを活用して商流・物流それぞれの機能を磨き上げてきた。今後も全社一丸となって業界をリードし、無くてはならない食品総合卸企業として貢献して参りたい」など話した。
〈冷食日報2023年7月6日付〉