ファイントゥデイ、医療用ウィッグプログラム「HAIR TOUCH YOU」の新キャンペーン「#髪からはじめるちょっといいこと」を開始
左から:Rethink Fashion Waseda 北野美緒奈氏、ファイントゥデイ 赤阪裕実ブランドPRマネージャー、全国福祉美容師養成協会(ふくりび)の赤木勝幸理事長、Rethink Fashion Waseda 藤本幹代表

ファイントゥデイが展開するヘアケアブランド「フィーノ」が昨年スタートした新しい社会貢献のカタチ、医療用ウィッグに関わるすべての人が360°つながるプログラム「HAIR TOUCH YOU のばせば届く。」では、開始から1年を迎えた今年、医療用ウィッグをとりまくすべての人をさらにつないでいく新キャンペーン「#髪からはじめるちょっといいこと」を7月3日から開始する。6月27日には新キャンペーンの概要などについて紹介した他、医療用ウィッグの現状を知るセミナーを開催。全国福祉美容師養成協会(ふくりび)の赤木勝幸理事長が医療用ウィッグの課題などについて説明した。

ファイントゥデイ、医療用ウィッグプログラム「HAIR TOUCH YOU」の新キャンペーン「#髪からはじめるちょっといいこと」を開始
ファイントゥデイ 赤阪裕実ブランドPRマネージャー

「当社は、資生堂からパーソナルケア事業を引き継いで2021年に誕生。“単なる日用品”を超えて、“毎日を豊かにする素晴らしい製品”へという想いのもと、主にスキンケア、ヘアケア、ボディケアの3分野で、日用美品を届けている」とファイントゥデイ 赤阪裕実ブランドPRマネージャー。「ヘアケアブランド『フィーノ』は2004年に誕生。スキンケア発想のアプローチでヘアケア商品を展開しており、現在は、『プレミアムタッチ 浸透美容液ヘアマスク』と『プレミアムタッチ 浸透美容液ヘアオイル』を展開している」と「フィーノ」について紹介した。「そして、すべての人に、その一日がより満たされ、気持ちまでもが生まれ変わるような体験を届けるために、医療用ウィッグをとりまくすべての人をフィーノがつなぐプログラム『HAIR TOUCH YOU のばせば届く。』が始動。“髪”を通してあなたの・私の感動が生まれ、今まで届けたくても届きにくかった、ドネーションをした人々、レシピエント、美容師や医療従事者の人々の想いを見える化し、つないでいく仕組みを作る新しい社会貢献のカタチとなっている」と、医療用ウィッグプログラム「HAIR TOUCH YOU」について説明した。

ファイントゥデイ、医療用ウィッグプログラム「HAIR TOUCH YOU」の新キャンペーン「#髪からはじめるちょっといいこと」を開始
全国福祉美容師養成協会(ふくりび) 赤木勝幸理事長

次に、ふくりび 赤木勝幸理事長が「ヘアドネーションのその先にあるもの~今こそ取り組みたい医療用ウィッグの課題」と題した講演を行った。「ふくりびは2007年に設立。理美容・医療・介護・ファッションなどのプロフェッショナルによる事業型NPOで、多職種協働による、多分野にわたる活動を行っている」と紹介。「16万人以上の高齢者・障害者への訪問理美容の他、障害者身だしなみ支援を100ヵ所以上で開催している。また、アピアランス(外見)サポートとして3000名のがん患者を支援。医療用ウィッグ取り扱いサロンは全国120軒に達している」と、誰もがその人らしく美しく過ごせる社会の実現を目指すべく活動を行っているという。「その他、福祉理美容師養成講座や福祉理美容マネジメントセンター、訪問理美容の入門書の出版、オンラインコンサルティング、独立支援など、子育て中のママ美容師の再就職支援や雇用の場の創出にも力を入れている」と、技術支援も行っていると述べていた。

「ドネーション医療用ウィッグについては、アピアランスサポート自体の認知が低い。アピアランスサポートについて効果の検証や啓蒙が必要で、継続的な支援も必要とされる」と警鐘を鳴らす。「また、大人用には全く対応できておらず、長い髪が不足している。折り返して植えるので、31cmはショートになる。ウィッグドネーション毛の使用は郵送費や加工費などコストもかかる」と、ヘアドネーションの課題について言及する。「材料費、人件費の高騰によってウィッグの製造原価が上がっており、低価格を維持するのが限界となっている」と、ウィッグ製造費用の度重なる値上げも認知の妨げになっていると語る。「行政の補助は少しずつ増えてはいるが、見た目の支援はいまだにぜいたく品となっている」と、シングルマザーなどには重い負担となっているという。

ファイントゥデイ、医療用ウィッグプログラム「HAIR TOUCH YOU」の新キャンペーン「#髪からはじめるちょっといいこと」を開始
医療用ウイッグについて説明する全国福祉美容師養成協会(ふくりび) 赤木勝幸理事長

「医療用ウィッグは、コスプレやおしゃれとして使用するファッションウィッグと違い、病気やけが、薬の副作用などによって髪に影響が出ている人が使用するため、ヘアスタイルだけでなく、長時間使用する場合が多いので、耐久性は重要となる。また、肌も敏感な場合が多く、裏地の素材などにも配慮がされている。さらに、人毛か人工毛(化繊毛)では区別ができず、価格も品質もメーカーによって、まちまちとなっている」と医療用ウィッグについて解説。「女性用医療用ウィッグ市場は、年間10万6000個規模で、長期治療による複数購入や買い替えを含めると、16万個を超える市場規模が推定される」と、医療用ウィッグの製造個数について教えてくれた。

「アピアランスケアとは、がん患者の外見の問題の解決を学際的・横断的に扱うことで、そのための個々の支援方法をアピアランスサポートと読んでいる」と、アピアランスについて説明。「がんとともに生きる時代になったことで、雇用や社会生活への影響、外来治療のための環境が整備されてきた。また入院日数も短くなり、治療や薬剤の進化などによって、多様な悩みが増え、院内だけでは対応できない状態から多職種連携によるサポートが求められている」と、アピアランスサポートが重要視され始めているのだと述べていた。

「日本人の2人に1人ががんに罹患し、女性の9人に1人が乳がんに罹患。32.5万人が闘病しながら働いている。また、円形脱毛症は代表的な後天性脱毛症で、米国の統計では全人口の0.1~0.2%に出現するとされている。この統計に基づくと、我が国における患者数は多くて25万人あまりに達する。それだけに、アピアランスサポートは重要になる」と、社会生活の維持や自分らしさの維持のために支援が必要なのだと訴える。「抗がん剤治療による副作用の苦痛度ランキングでは、女性の1位は頭皮の脱毛であった。ウィッグやトップピース(部分ウィッグ)、帽子やスカーフなど、成人式などのウィッグのアレンジなどで、悩みの解決を目指している」と、アピアランスサポートの具体的な対策について言及してくれた。

再び、赤阪ブランドPRマネージャーが登壇し、「#髪からはじめるちょっといいこと」キャンペーンについて詳細を説明した。「SDGs意識がますます高まる中、日本のがん罹患者数は増加している。社会と関わりながら治療を行い、自分らしく活躍できる『HAIR TOUCH YOU』プログラムを発足した」と背景を説明する。「医療用ウィッグは毎日8時間着ける。デザインはもちろんのこと、耐久性が重要になってくる。こうした点から、医療用ウィッグについて身近に相談できるところが必要と考え、『HAIR TOUCH YOU』プログラムを展開している」と医療用ウィッグは作ってしまえば終わりというわけではないと話す。「そこで『フィーノ』では、オリジナルドネーションキットを無料配布。2022年12月からスタートし、今年5月までに675名の人からドネーションが送られてきた」と、手軽に参加できる仕組みも展開中なのだと教えてくれた。「現在、全国37店舗のサロンの人々にもサポートしてもらっている。昨年12月には渋谷に屋外広告も掲出した」と、オリジナルドネーションキットの認知向上にも努めていると語っていた。

ファイントゥデイ、医療用ウィッグプログラム「HAIR TOUCH YOU」の新キャンペーン「#髪からはじめるちょっといいこと」を開始
左から:Rethink Fashion Waseda 藤本幹代表、Rethink Fashion Waseda 北野美緒奈氏

「『#髪からはじめるちょっといいこと』キャンペーンでは、7月3日からスタートする誰でも参加できるTwitterキャンペーンを皮切りに、小学生親子を対象とした医療用ウィッグとヘアドネーションの仕組みなどを体験しながら学べるワークショップや、一般生活者の人が参加できる体験型オープンイベントの開催等を予定している」と、できることからそれぞれのカタチで参加できるキャンペーンになっていると紹介していた。「また、フィーノの想いと当キャンペーンへの取り組みに共感し、新たな視点をもたらしてくれる早稲田大学の学生を中心とした学生団体『Rethink Fashion Waseda(ReF)』の参加が決定した」とのこと。ReFの藤本幹代表は、「サスティナビリティ×ファッションに目を向けた団体で、生活に組み込みやすいアイデアや情報を発信する団体となっている」と活動内容について説明する。ReFの北野美緒奈氏は、「SNSなどオウンドメディアによる告知の他に、フリーマーケットやビーチクリーン、早稲田祭などリアルなイベントでの情報発信としてブースを設置するなどしている」と、オウンドメディアやリアルイベントで情報を発信していくと述べていた。赤阪ブランドPRマネージャーは、「ファッションを通したサステナブルな活動を中心としており、そのサステナ意識の高さやSNSを中心とした発信力等、Z世代ならではの感性から刺激を受け、医療用ウィッグに関わるすべての人を360°つなぐ『HAIR TOUCH YOU』を一緒に盛り上げていく」と述べていた。

[Twitter投稿キャンペーン概要]
キャンペーン名:「#fino_髪からはじめるちょっといいこと」キャンペーン
キャンペーン期間:7月3日(月)10:00~9月18日(日)23:59
 第1回:7月3日(月)10:00~7月25日(火)23:59
 第2回:7月26日(水)10:00~8月20日(日)23:59
 第3回:8月21日(月)10:00~9月18日(月・祝)23:59
応募方法:
・fino公式Twitterアカウントをフォロー
・「#fino_髪からはじめるちょっといいこと」のハッシュタグをつけてTwitterに投稿
・髪を伸ばしている方は、その楽しみやこだわりを
・ヘアドネーションに興味がある人は、その想いを
・“髪”につながる想いなら、なんでも投稿してもらってOKとのこと 当選人数/賞品:
・finoヘアマスク+ヘアオイル1個ずつセット
 抽選で合計75名(第1回:25名/第2回:25名/第3回:25名)

ファイントゥデイ=https://www.finetoday.com/jp/