フランチャイズビジネス市場は大規模なフランチャイズ加盟店が市場をけん引
~家事の時間短縮ニーズが高まり、便利屋や家事支援サービスが好調~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のフランチャイズビジネス市場を調査し、市場の概況、参入企業の動向等を明らかにした。
1.調査結果概要
フランチャイズビジネス市場は、事業モデルの成功パターンをパッケージ化した内容を横展開するビジネスモデルであるため盤石なマーケットを形成してきた。近年は本業で苦戦している中小企業などが、事業の多角化として参入を拡大していることに加え、副業が普及し始めたことや、小資本から参加できるフランチャイズビジネスなど、ビジネスの在り方の多様化もあり、会社員の副業や独立としての加盟も増えている。多数の店舗の加盟店経営をメイン事業とする大規模なフランチャイズ加盟店の業績も好調に推移していることもマーケット全体をけん引しており、新型コロナウイルス感染症の影響により一時的な停滞はあったが市場規模は拡大基調で推移している。
コロナ禍では巣ごもり消費(在宅時間の増加による消費活動等)に関連する需要の増加やワンプライスショップ(100円均一の店舗等)の積極的な新規出店、貴金属の価値高騰によりリユース(再使用)や買取が活況を呈した。外食では飲食店のメニューを自宅で楽しめるテイクアウト、学習塾では休校措置の影響等を受けて個別指導のニーズが拡大した。また家事の時間短縮ニーズが高まり、便利屋(日常生活におけるハウスクリーニングや植木の剪定などの、様々な困りごとを解決するための事業者)や家事支援サービスが好調となるなどコロナ禍における新しい生活様式を捉えた企業が好調に推移した。
今後は少子高齢化により、それに応じた教育サービスや介護サービスの需要が堅調に推移すると考えられる。またAI技術やオンラインサービスの活用が進み、多様な分野で新たなサービスが生まれることが期待される。
2.注目トピック
注目のフランチャイズビジネス
近年は健康志向の高まりに伴い関心が集まっているフィットネスクラブや、晩婚化や少子高齢化といった社会問題により需要が拡大している婚活・結婚情報サービスのフランチャイズが注目を集めている。
フィットネスクラブは新型コロナウイルス感染症の影響により会員の休会・退会が相次ぎ、厳しい経営状況が続いたが、外出自粛やテレワークの影響による健康志向の高まりもあり2021年後半以降は回復基調となった。直営よりもフランチャイズ展開している企業が多くみられる24時間型ジムでは、プールや温浴施設は付帯せずシャワールームや洗面所なども最小限の設置とし、設備面のコストの削減が推進された。利用者の会費を低価格に設定することで会員獲得が進んでいる。
婚活・結婚情報サービスは晩婚化や少子高齢化が社会問題になっていることから需要が拡大している。同サービス関連事業者の中には、インターネット上での結婚情報サービスを開始して若年層の新規会員獲得数を増やすだけでなく、成婚率を上げるために結婚相談所を組織化し、フランチャイズ展開を始めるケースも見られた。これにより、会員データを共有し合うことで、全国の加盟店同士でお見合いの機会を設けることが可能になった。
また、コロナ禍ではオンラインでのお見合いを推進し、加盟店全体で会員の活動活性化を図るなどの工夫も見られた。
調査要綱
1.調査期間: 2023年2月~4月 2.調査対象: フランチャイズビジネス市場参入企業、その他関連企業、関連団体 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mail等によるヒアリング調査および文献調査併用 |
<フランチャイズビジネス市場とは> 本調査におけるフランチャイズビジネス市場とは、フランチャイザー(フランチャイズ本部)およびフランチャイジー(フランチャイズ加盟店)が展開する事業とそれに関連するビジネスを対象とする。 フランチャイズとは、フランチャイザーである本部からフランチャイジーが経営ノウハウ、商品、サービス、ロゴマークなどの利用を前提とする事業活動等の権利を得る一方、その対価として売上の一部をフランチャイザーにロイヤリティとして還元する経営方法である。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 小売業、外食業、サービス業 |
出典資料について
資料名 | 2023年版 フランチャイズビジネス |
発刊日 | 2023年04月18日 |
体裁 | A4 558ページ |
価格(税込) | 165,000円 (本体価格 150,000円) |
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