2018年度はトレーディングカードゲームが回復、女児玩具“サプライズトイ”が大きな話題に
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の玩具市場を調査し、現況、玩具分野別や参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。
1.市場概況
2018年度の国内玩具市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、主要9品目で前年度比4.3%減の6,667億円、テレビゲームを除く主要8品目では同3.8%増の3,517億円と推計した。主要8品目(季節物、雑玩具を除く)は全般的に好調であったが、大手メーカーの家庭用ゲーム機(ソフトを含む)に対する需要が落ち着いたこともあり、テレビゲームを含む9品目では縮小した。
品目別にみると、男児玩具のトレーディングカードゲームはルール変更などの影響から一時期ユーザー離れを招き、不調であったが、2018年度には回復した。また、女児玩具においては「サプライズトイ※」という新たな玩具が大きな話題を呼んだ。
※サプライズトイとは、商品パッケージを開封するまで、中身がわからない仕様で、開封する作業も楽しむことができる玩具のことである。
2.注目トピック
トレーディングカードゲーム市場が活況を呈す
2018年度のトレーディングカードゲーム市場規模(メーカー国内出荷金額ベース)は、主力タイトルが軒並み好調であったことから、前年度比30.2%増の435億円であった。有力タイトルの周年記念の販促活動の推進や、人気キャラクターによる初心者向けの製品投入が市場に受け入れられたことが大幅な市場拡大の要因となった。
3.将来展望
2019年度の国内玩具市場規模(メーカー国内出荷金額ベース)は、主要9品目で前年度比2.3%増の6,819億円、テレビゲームを除く主要8品目では同1.4%減の3,469億円を予測する。
トレーディングカードゲームは引き続き好調に推移するとみるが、主要8品目全体の3割ほどを占める男児玩具全般については、定番商品もそれぞれ健闘しているものの、目立ったヒット商品がないことから、主要8品目全体にマイナスの影響を与えるものとみる。 また、テレビゲームに関しては、従来機種からバージョンアップした大手メーカーの家庭用ゲーム機やモバイル端末専用ゲームが牽引し、再び市場拡大するものとみられることから、主要9品目全体も拡大するものと考える。