プロ投資家の先の先を読む思考法
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(本記事は、藤野 英人氏の著書『プロ投資家の先の先を読む思考法』=クロスメディア・パブリッシング、2022年5月2日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

思考拡大【1】他者の視点を取り入れる

私が3万人のツイートを読み続ける理由

私がしているトレーニングの一つは、Twitterでフォローしている3万人ほどの人たちのツイートを読むことです。

自分でTwitterに投稿することをやめてずいぶん経つのですが、1日か2日に一度ほどはTwitterを開き、5分か10分ほど、高速で流れていくツイートを拾い読みするのです。

フォローしている3万人は、なるべくランダムに選びました。自分と趣味が似ているとか思想が近いといったこととはまったく無関係に、どちらかといえば年齢や性別、学歴、居住地域などができるだけ多様になるようにフォローしています。

フォローしている3万人のプロフィールをすべて覚えているわけではありませんが、10年近くTwitterを眺めているのでフォローしている人たちのことはなんとなく頭に入っています。

ですからTwitterを通して、さまざまに異なる属性を持つ人たちが日々どんなことをつぶやいているのかを定点観測しているわけです。

とくに世の中で大きなイベントがあったときは、多くの人が同じイベントについてつぶやきますから、「起きたイベントに対してどのような感情が起きうるのか」を知るためのサンプリングとしてツイートに注目します。

こうやってTwitterで世の中の人たちの反応を見るとき、私はなにか「正しい反応」があるとは考えていません。

Aというイベントに対して、面白いと思うか不快に感じるのかは人によって異なるのが当然であり、そこに善悪があるわけではありませんから、自分の感じ方や考え方と比較して「正しい」「間違っている」などと判断することはありません。

このような姿勢で3万人のツイートを眺めていると、「世の中の人が全般的にどう思っているのか」「この属性の人はどう考えることが多いのか」といったことがおぼろげながらつかめてきます。

そして多様な視点を得ることができれば、例えば「他の人が不快に思うことを悪気なくうっかりやってしまう」といった生活上のリスクを減らすことができますし、自分と属性の異なる人とコミュニケーションができたり、世の中のトレンドが見えたりもするのです。

「この商品・サービスが世間で受けるか受けないか」といった予測も、当たる確率が高まります

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藤野 英人
投資家・ひふみシリーズ最高投資責任者。レオス・キャピタルワークス株式会社代表取締役会長兼社長。1966年富山県生まれ。早稲田大学法学部卒業。国内・外資大手投資運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年レオス・キャピタルワークスを創業。東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、叡啓大学客員教授。一般社団法人投資信託協会理事。主な著書に『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)。

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