2018年のスポーツウェルネス関連国内市場規模は9,690億3,000万円
~今後も成長が続き、2020年には1兆円市場に~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内スポーツウェルネス関連市場を調査し、商品・サービス分野別の市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
スポーツウェルネス関連国内市場規模推移
1.市場概況
2018年のスポーツウェルネス関連国内市場規模は、前年比102.8%の9,690億3,000万円と推計した。
2018年の市場成長を牽引しているのはスポーツウエアである。東京オリンピック・パラリンピックに向けスポーツ愛好家が増加している。また、スポーツブランドが提案するライフスタイルウエアはカジュアルファッションとして一般消費者に浸透している。こうしたなか、スポーツウエア分野の好調さがスポーツウェルネス関連市場全体を押し上げる要因となっている。
2.注目トピック
フィットネス・ヨガスタジオ市場
経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、フィットネス・ヨガスタジオ市場はプラス成長で推移するものの、その業態により市場環境は大きく異なる。大型の総合フィットネスジムは、プログラムや付帯サービスなどが同質化傾向にあると同時に、新規会員の伸び悩みもあり成熟期を迎えている。また、全国的に有望な出店場所が限られてきたほか、昨今の建築コストの高騰によって、大型の総合フィットネスジムの出店は以前よりも難しくなっている。
一方で24時間型施設を展開する企業や、中小規模のフィットネスやヨガスタジオを展開する企業では顧客層を絞り込み、提供するプログラムを特化することで、省スペースでの事業運営を可能にしている。こうした中小規模の施設における新規出店の制約は大型の総合型フィットネスジムと比較すると低いことから、新規出店を積極的に進めており、主要企業の業績は概して好調である。今後も大型の総合フィットネスジムは苦戦を余儀なくされる一方、中小型施設は好調を継続するものと考える。
3.将来展望
スポーツウェルネス関連国内市場規模は、2019年に前年比102.4%の9,921億5,000万円、2020年には同104.0%の1兆322億円と拡大推移を予測する。
スポーツウェルネス関連の各分野別市場は、スポーツ愛好者のすそ野の拡がりを背景に拡大傾向にある。スポーツ庁の推進する「FUN+WALK PROJECT(ファン プラス ウォーク プロジェクト)」をはじめ、国民の健康増進を図る様々な働きかけなどもあり、スポーツを始める心理的なハードルは低下するとみられ、日常的にスポーツを楽しむ愛好者層は今後も増加することが期待される。
一方でこうしたすそ野の拡がりとともに、企業間の競合は激しさを増すとみる。なかでもスポーツ用品関連企業と消費者の認知度が高く、主にライフスタイルウエアを展開する企業間の競合は今後ますます激しくなるものと考える。