2023年度の業績見通しは「増収増益」と回答する企業が前年調査から2.3ポイント増加していることが帝国データバンクの「2023年度の業績見通しに関する企業の意識調査」で明らかとなった。
2023年度(2023年4月決算~2024年3月決算)の業績見通し(売上高および経常利益)について聞くと、「増収増益」と回答した企業は26.4%となり、新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置がすべて解除された前回調査(2022年3月)の 2022年度見通しから2.3ポイント増加した。
一方、「減収減益」は同3.6ポイント減の20.3%と3年連続で減少した。
増収および増益を見込む企業はいずれも前年よりも割合が高まったが、減収および減益はともに前年より低下した。
【2023年度の業績見通し】
増収増益 26.4%(前年調査24.1%)
増収減益 10.1%(同9.7%)
減収増益 4.2%(同4.1%)
減収減益 20.3%(同23.9%)
前年度並み 19.8%(同19.4%)
その他 19.3%(同18.9%)
2023年度の業績見通しを上振れさせる材料を聞くと、「個人消費の回復」が38.8%と3年ぶりにトップとなった。
2年連続で最も高かった新型コロナなどの「感染症の収束」は28.0%で2番目となったが、前回調査(2022年3月)より12.2ポイントも減少した。
【2023年度業績見通しの上振れ材料トップ5】(複数回答)
個人消費の回復 38.8%
感染症の収束 28.0%
原油・素材価格の動向 27.7%
所得の増加 19.9%
公共事業の増加 18.8%
2023年度の業績見通しを下振れさせる材料では「原油・素材価格の動向」(45.2%)が2年連続でトップとなった。
次いで、「人手不足の深刻化」(33.9%)、「個人消費の一段の低迷」(30.5%)や「物価上昇(インフレ)の進行」(30.0%)が3割台で続いた。
特に「人手不足の深刻化」は前回調査より10.2ポイント増、「物価上昇(インフレ)の進行」は6.2ポイント増加した。
一方、新型コロナを含む「感染症の拡大」(19.5%)は昨年より24.1ポイント減少し、選択肢に加えた2020年度以降で最も低い割合となった。
【2023年度業績見通しの下振れ材料トップ5】(複数回答)
原油・素材価格の動向 45.2%
人手不足の深刻化 33.9%
個人消費の一段の低迷 30.5%
物価上昇(インフレ)の進行 30.0%
所得の減少 19.8%
調査は、2023年3月17日~31日、全国2万7628社を対象に実施し、1万1428社の有効回答を得た。