任せたいけど大丈夫? デジタルマーケティングの専門家を選定するときの2つの注意点
(画像=NongAsimo/stock.adobe.com)

(本記事は、森 和吉氏の著書『日本一詳しいWeb集客術「デジタル・マーケティング超入門」』=ぱる出版、2022年12月22日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

本書でご説明している通り、デジタルマーケティングそのものを理解するのは、それほどむずかしくありません。しかし、デジタルマーケティングの実装には、それなりに知識と経験が必要になります。

プログラミングやWeb解析、デザイン、広告運用など、経験と修業が必要な業務が少なくありません。「即効性」と「費用対効果」を考えるならば、最初は専門家を迎え入れることを検討してみてください。

なお、専門家を選定する際には、大きく分けて2つのポイントがあると、私は考えています。専門家に協力をあおぐ際の参考にしてみてください。

【デジタルマーケティングの専門家を選定する際のポイント2つ】
・専門用語を使わず平易な言葉で説明してくれる
・デジタルマーケティングの上流から下流まで精通している

●専門用語を使わず平易な言葉で説明してくれる

むずかしい専門用語を使わないで、わかりやすく説明してくれる専門家であることが第一条件です。

なぜならば、むずかしい専門用語を並べ立てられると、提案内容そのものが理解できなくなり、意思疎通ができなくなるからです。あなたのなかにノウハウが貯まりにくくなる点でも、デメリットしかありません。

例えば、商品購入につながった顧客の流入経路をチェックする場合。検索連動型広告、バナー広告、SNSなどの「流入元」ごとに「問い合わせボタン」のクリック率を比較して「コンバージョン率(CVR)」を確認することがあります。

仮に、SNS経由の顧客のコンバージョン率が「5%」で、検索連動型広告経由の顧客が「0.5%」ならば「SNSをより強化しよう」「検索連動型広告のコピーを再検討しよう」といった話になったりします。

このとき「検索連動型広告はCVRが悪いです。いったんペンディングして、コピーを見直しましょう。SNSはCVRが高いので、引き続き進めていきましょう」とか言われても、一瞬よくわからないと感じる方も多いのではないでしょうか。

専門家であれば、意味がわかりますが、デジタルマーケティングの実施経験が少ない方であれば、なんのこっちゃとなる可能性があります。

一方、以下のような伝え方だったらどうでしょうか。

「検索連動型広告をみて化粧品Aを購入した人の割合は、たったの0.5%でした。一方、SNS経由で化粧品Aを購入した人の割合は5%です。SNSの方が、10倍、広告効果が高いようですよ。なので、検索連動型広告は、コピーを見直して出稿しませんか。

SNSはいい結果が出ているので、このまま様子をみていきましょう」

前者よりも格段にわかりやすい提案ではないでしょうか。こんなふうに、相手の知識レベルに合わせて、現状をわかりやすく説明してくれる専門家だと、安心して任せられると思います。

専門家を選ぶ際には「専門用語を使わない」「誰にでもわかるように説明してくれる」の2点を押さえてみてくださいね。

●デジタルマーケティングの上流から下流まで精通している

デジタルマーケティングの専門家や事業者のなかには、自社が得意とするサービスを売りつけたり、顧客の要望に沿わない提案を悪びれもなく行う事業者が後を絶ちません。

例えば、ある会社が、SNS映えスイーツを流行らせるために、SNSやバナー広告を使って認知拡大をしたいのに、自社がFacebook広告の運用に強いために、Facebook広告の提案を無理矢理行うといった具合です。

このように、我田引水型の提案を行う専門家は、実はかなり多いです。そして、そういった専門家の口車に乗せられて、大損してしまったという話も残念ながら耳にします。

そのような失敗をしないためには、デジタルマーケティングの上流から下流まで精通していて、提案のカードをたくさん持っている専門家を最低でも1人雇うのがおすすめです。

デジタルマーケティングの全体像がみえているため、包括的な提案をしてくれるからです。

例えば、SNS集客、デジタル広告運用、リードマグネットの設計、ランディングページ(LP)の設計、企業ホームページ(コーポレートサイト)の制作、アプリ開発のディレクション経験があり、デジタルマーケティングの上流から下流までワンストップで依頼できるような専門家です。

まだまだ市場には多くないですが「Webコンサルタント」のような人材がいれば、集客に成功する確率が上がります。

冒頭でもお伝えした通り、SNS運用だけ行ったり、SEO対策だけ行ったりして売上がアップするケースは決して多くありません。全体像を理解したうえで、必要な施策を一つひとつ実行していくに限ります。

上流から下流まで精通している専門家がいれば、プロジェクトメンバーを集めてきてくれることが多いため、一石二鳥で助かるでしょう。

以上が、ぜひとも押さえてほしい「5原則」です。ここで挙げたポイントを踏まえてデジタルマーケティングを実行することで、さらなる集客・売上拡大が見込めます。参考にしてみてください。

日本一詳しいWeb集客術「デジタル・マーケティング超入門」
森 和吉
1970年、青森県八戸市出身。大学卒業後、公務員となるも退職し音楽雑誌社の編集に転職。その後、携帯コンテンツ部門に配属。着メロ、着うたサイトを大ヒットさせ100万人以上が利用するサイトや100以上のコンテンツを立ち上げる。 その後、不動産投資のデジタルマーケティング担当としてヘッドハンティングされ、オウンドメディアでの集客や、不動産投資クラウドファンディングの事業に携わり、1年間で業界最大の20万人という会員数と通算で50億のディールを発生させる。 2019年11月、ライフワークとしてデジタルマーケティングに携わり、人の役に立ちたいたいと思い起業。コンテンツ立ち上げ後の集客や運用、コンテンツを持っている事業者との「アライアンス業務」、「Webを使った集客」を強みとするウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー、提案型ウェブアナリスト。

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