ニッスイ「あじフライ SE90」
(画像=ニッスイ「あじフライ SE90」)

ニッスイは3月1日(一部4月1日)、業務用食品の2023年春・夏商品として、新商品15品・リニューアル品2品の計17品を、全国で発売する。

今回は全体コンセプトとして〈1〉堅調である量販店惣菜売場と回復している外食に注力〈2〉コストアップ状況下、こだわり商品の提案〈3〉調理人不足・油高騰のなか対応できる商品の提案――の3つを挙げ、それぞれに対応する商品を投入する。

新商品の内訳は水産揚物6品、鶏加工品2品、中華(焼売)1品、米飯3品、ソース類3品。1月24日に都内で開催した新商品発表会で、業務用食品の開発背景などについては、金澤建支業務用食品部長が説明した。

金澤部長は、新商品開発にあたって2つの背景を挙げた。1つ目は、二極化対応でホンモノ志向の商品提案を強化する点。2022年の食品値上げは2万品目を突破し、2023年も既に発表されているだけで4400品目以上の値上げが予定されている。

ニッスイ業務用食品においても、為替の影響を受ける輸入品が多いため値上げは不可避であり、売場単価・メニュー単価に対しての目線を変えるホンモノ志向の商品を提案し、ユーザーへの貢献を目指す。

もう1つは、油の価格高騰に対応し、焼き・蒸し調理の商品を強化する。油高騰に加え、人手不足の中、フライヤーの管理の手間もあって揚げ物メニューの提供が減少傾向にあり、調理方法の変化に対応した焼き・蒸し調理の商品の強化を図る。

今春はこれらを踏まえた新商品を投入する。素材をいかしたこだわり商品である「あじフライ SE90」(60枚5400g)は、量販店惣菜売場・外食向けの商品。水揚げ後、原料を一度も凍らせることなく、鮮度の良い状態で衣付け後に冷凍する「ワンフローズン」のあじフライ。水揚げから衣付けまで36時間以内に加工し、従来品より薄い衣率45%で、歯切れよくサクッとした食感に仕上げた。こうした付加価値により、売場の単価見直しに資することを目指す。

なお、ワンフローズンで生鮮原料を使う商品のため、あじの漁期である10月~4月に生産する数量限定商品となる。調理方法は油ちょう、生産工場は中国協力工場。

「備長炭火焼鶏ももステーキ」(6枚870g)は、油を使わずにオーブン調理できる、量販店惣菜売場、外食、産業給食、キャッシュ&キャリー向けの商品。各業態で出現頻度が高いが、同社がこれまでこれまでラインアップできていなかったカテゴリーだという。また、油を使わず調理できることで揚げ物に比べてヘルシーで、健康志向の需要にも応える。

若鶏のもも肉を使用した、1枚約145gの炭火焼ステーキで、備長炭でじっくり焼き上げた本格的な炭火風味と焼き目が特徴。薄めの味付けで炭の香りが引き立ち、アレンジにも適している。また、ユーザーが使いやすいよう、皮剥がれを抑制し、平らで安定性のある形状に仕上げた。調理方法はオーブン、生産工場は中国協力工場。

ニッスイ「備長炭火焼鶏ももステーキ」
(画像=ニッスイ「備長炭火焼鶏ももステーキ」)

「シェフズダイナー チキンライス」(250g/1kg)は、惣菜、外食、キャッシュ&キャリー向けの商品で、トマトの甘味と野菜と鶏肉の旨み豊かな、発酵バターがほのかに香るチキンライス。家庭用冷食新商品「至福の味わい チキンライス」同様、洋食店の製法を再現し、具材とトマトを煮詰め、甘味・旨味を引き出すとともに、独自技術の「香りアップ製法」で、トマトの甘味・コク、野菜の旨味・発酵バターの香りを引き立てている。

金澤部長によれば、チキンライスは外食・中食ともに堅調で、調理現場の人手不足により手作りから冷凍ピラフへのシフトも起きているほか、テイクアウトやデリバリーを含めた弁当の彩り面でも需要が増えているという。本品は「250g」「1kg」の2規格を揃え、用途に応じて選ぶこともできる。調理方法は電子レンジ・スチコン・フライパン、生産工場は八王子総合工場。

〈冷食日報2023年1月30日付〉