ヤヨイサンフーズ「とろけるクリームコロッケ」
(画像=ヤヨイサンフーズ「とろけるクリームコロッケ」)

ヤヨイサンフーズは1月17日、2023年春の新商品・リニューアル品計28品を発表した。2023年1月1日より、順次発売している。1月17日、東京・芝大門の本社で新商品発表会を開催し、大西宏昭社長らが新商品の概要について話した。

ヤヨイサンフーズ・大西宏昭社長
(画像=ヤヨイサンフーズ・大西宏昭社長)

商品開発コンセプトとして、従来に引き続き「価値の創造」「感動と信頼の創出」に取り組むとした上で、今季の重点施策として〈1〉基幹カテゴリーの強化〈2〉給食市場に向けた商品拡充〈3〉拡大市場に向けた商品の強化〈4〉人手不足に配慮した商品への取り組み――の4つを挙げた。

1つ目の基幹カテゴリーの強化では今回、クリームコロッケで商品開発を行った。

ヤヨイサンフーズは持続的な企業価値の向上を目指し、商品カテゴリーの選択と集中を図るカテゴリー戦略に重点を置いた商品開発を行っている。基幹カテゴリーの1つ、クリームコロッケは、業務用冷食業界でトップシェアを誇り、主力と位置づけるカテゴリーで、同カテゴリーにおける主力商品である「とろけるクリームコロッケ」シリーズは、中食や事業所給食を主な販売先とし、長年愛されてきた。

一方、市場状況をみると物価高騰により、メニュー単価の引き上げ/値ごろ感の訴求という二極化のニーズが出ている。その需要に向けた商品として品質訴求商品「シルキーデリクリームコロッケ」を品質向上することにより、さらなる売上・シェアの拡大を図る。

重点施策2つ目、強みを持つ給食市場に向けて、産業給食・学校給食両面で商品を拡充する。

コロナ禍は3年が経過してコロナ共生の時代へと進み、勤務形態においても在宅勤務から出社勤務や、出社・在宅の併用へと方針が変化することにより、産業給食市場に回復傾向が見られる。

今回、事業所給食に向けては、付加価値のある水産カツを気仙沼工場で開発し、「気仙沼産マグロのマスタードカツ100」「海老のタルタルソースカツ100」といった商品を発売。さらに弁当給食に対しては使いやすさに配慮した商品として「木の葉しんじょう」などを導入することにより、回復基調にある市場に向けて品揃えを強化する。

また、学校給食については、同市場向けの基本姿勢である▽アレルゲンへの配慮▽(国産など)原料産地の訴求▽不足栄養素の添加――に基づいた開発を継続し、魚食普及にも寄与する「宮城県産いわし入りハンバーグ」「海のおかず 国産マグロカツ」などの新たな商品を発売する。

重点施策の3つ目、拡大市場に向けた商品の強化では、プラントベースフード(PBF)で2019年より展開する「イートベジ」シリーズの中でも主力級のハンバーグをリニューアルする。

植物由来原料をベースとしたPBF市場は、SDGsへの関心の高まりや、消費者の健康意識の向上により拡大しているが、国内でまだ海外ほど大きな市場ではない。一方でコロナの規制緩和から訪日外国人の増加も見込まれ、PBF市場の拡大も予想される。そうした中でPBF主力のハンバーグを刷新し「イートベジ 大豆ミートのハンバーグ」を発売、さらなるおいしさを提供することで市場拡大を図る。

最後の4つ目の施策として、人手不足に配慮した商品としてやわらか食「ソフリ」の肉・魚系ムース全品を自然解凍対応とし、より使いやすくする。なお、同品の刷新は今回の新商品・リニューアル品には含めていない。

〈4~12月売上は6%増も収益苦戦、3月価格改定も/大西社長〉
なお、大西社長は今期4~12月の業績にも触れた。売上高は前年比106%と前年を上回っているものの、原料・エネルギー等各種コスト高騰があり厳しい見通しだという。

値上げに関しては2020年10月に牛肉関連商品、昨年2月・9月にNB(ナショナルブランド)商品で値上げを行い、並行してPB も値上げを実施した。ただ、現状コストアップに追いついておらず、3月から、NB425品で5~15%の値上げをアナウンスしている。

〈冷食日報2023年1月20日付〉