食品の安全性を確保するための取り組みとしては、すべての事業者が「食品工場、流通・販売拠点における衛生管理と従業員に対する衛生教育の徹底」を実施と回答
~コロナ禍で事業者の衛生管理意識がさらに高まり、食品分析サービスでは食品の製造環境や店舗の衛生検査、監査業務が伸長~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2022年度の食品分析サービス・検査キット市場を調査し、国内主要プレーヤーの動向とともに、食品関連事業者の取組実態や課題を明らかにした。
ここでは、食品・飲料製造業者や外食・中食(惣菜)・給食業者等を対象に実施した食品の安全性を確保するための取り組みに関するアンケート調査結果について、公表する。
食品(原料を含む)の安全性を確保するために実施している取り組み
1.調査結果概要
本調査では、2022年9月に食品検査・分析サービス・食品検査キットのユーザーである食品関連事業者を対象とし、食品の安全性確保の取り組みや、各種食品検査の実施状況、外部機関への委託状況、食品簡易検査キットの利用状況、目視(外観)検査の実施状況、課題・要望についてアンケート調査を実施し、国内の主要な食品・飲料製造業者、外食・中食・給食業者等100社・団体から回答を得た。
食品の安全性を確保するための取り組みとしては、すべての事業者が「食品工場、流通・販売拠点における衛生管理と従業員に対する衛生教育の徹底」(100.0%)を挙げた。続いて、「原料や製品(食品)に対する検査の実施」(99.0%)、「食品安全マネジメントシステムの導入」(97.0%)となった。本アンケートでは、コロナ禍で事業者の衛生管理意識がさらに高まり、食品安全マネジメントシステムによる仕組み作りと各種検査を徹底していることを裏付ける調査結果となった。
2.注目トピック
食品分析サービス、食品検査キットの現況
食品検査・分析サービスについては、コロナ禍を契機として始まったオンライン形式のビジネスが定着し、HACCP制度化のタイミングも重なって、HACCP関連の講習会やセミナー事業が引き続き好調である。また、簡易検査キットも含めて、食品の製造環境や店舗の衛生検査、監査業務が伸長している。新型コロナウイルス感染拡大で一時ストップしていた輸出関連の需要にも復活の兆しがみられる。
食品検査キットについては、検査対象によりそれぞれ市場特性が異なるものの、いずれもこれまで伸長を続けてきた。コロナ禍で受けたマイナスの影響は全般的に軽微であり、むしろATP(アデノシン三リン酸)ふき取り検査キットは衛生対策として、清掃分野の需要が急増するなどプラスの影響が大きかった。
調査要綱
1.調査期間: 2022年8月~10月 2.調査対象: 食品検査・分析サービス事業者、食品検査キットメーカー・販売業者、食品検査・分析受託サービス・キットユーザー企業、AI食品検査ソリューションベンダー 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話による法人アンケート調査、ならびに文献調査併用 |
<食品分析サービス、食品検査キットとは> 食品分析サービスとは、検査機関が提供する、食品を対象とした各種検査・分析サービスである。検査機関の中でも政府の代行機関として、業務規程の認可を受けた製品検査を行うことができる検査機関を登録検査機関と呼ぶ。2003年の食品衛生法の改正に伴い、民間法人も登録できるようになったことから、登録検査機関で行うことができる食品等の検査が拡充された。食品衛生法上の登録検査機関(厚生労働省)のほか、健康増進法に基づく登録試験機関(消費者庁)や農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律に基づく登録認定機関(農林水産省)などがある。 食品検査キットとは、食品に含まれる微生物(各種細菌等)やアレルゲンなどを迅速・簡易的に検査するキットである。本調査では、微生物、カビ毒、食物アレルゲン、残留抗菌性物質(ミルク用)、ヒスタミン、ATP(アデノシン三リン酸)を対象とした検査キットを取り上げている。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 各種の食品検査・分析サービス、検査キット[微生物、カビ毒、食物アレルゲン、残留抗菌性物質(ミルク用)、ヒスタミン、ATPを対象とする] |
出典資料について
資料名 | 2023年版 食品分析サービス・検査キットの市場実態と将来展望 ~ポストコロナの食品衛生管理と最新AI検査ソリューション~ |
発刊日 | 2022年11月25日 |
体裁 | A4 431ページ |
価格(税込) | 440,000円 (本体価格 400,000円) |
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