食品産業新聞社
(画像=食品産業新聞社)

日本植物油協会は12月20日、2022年の製油業界10大ニュースを発表した。

新妻一彦会長(昭和産業社長)と、食品産業新聞社など油脂関係業界紙誌9社の投票により決定し、公表されたもの。

2022年の製油業界では、昨年から引き続き、歴史的な原料高騰などの影響を受け、菜種油や大豆油などの汎用油で2回、オリーブ油やごま油、こめ油などの付加価値油で1回の価格改定が実施。1位には、「菜種、大豆、パーム油等の歴史的な原料価格高騰やエネルギー価格の高騰に加え急速な円安により、製油各社は昨年に引続き数次の価格改定に取組む。」が選ばれた。

〈日本植物油協会「製油業界10大ニュース」〉
1位:菜種、大豆、パーム油等の歴史的な原料価格高騰やエネルギー価格の高騰に加え急速な円安により、製油各社は昨年に引続き数次の価格改定に取組む。

2位:菜種主産地カナダの大減産、ロシアによるウクライナへの侵攻、南米産大豆の減産に加えバイオ燃料需要の拡大等から、食用植物油原料需給が世界的に逼迫。

3位:家庭用市場で、こめ油、ごま油、オリーブ油、低吸油商品が堅調に推移、「売れ筋」商品に変化。業務用ではコスト抑制へ「長持ち」油が注目。プレミアムオイル、機能性油への期待高まる。

4位:原油価格高騰に加え、インドネシアの国内パーム油供給優先策の輸出禁止により、世界的にパーム油価格が高騰。

5位:製品の安定供給、持続可能な国際競争力強化、環境・社会課題の解決を目指し、搾油機能の全国統合に向けた西日本エリア搾油合弁会社の基本合意が発表される。他にも事業強化への業務提携が進む。

6位:FAO(国際連合食糧農業機関)の世界食料価格指数が植物油価格の牽引により歴史的な高騰。植物油価格が3月に251.8と牽引、その後年央に落着きを見せるも、なお価格水準は高位で推移。

7位:欧州の「過去500年で最悪の干ばつ」により、世界生産量の約半分を占めるスペイン産のオリーブの大幅減産見通しによりオリーブ油価格が高騰。

8位:食品ロス削減の社会的課題対応としてプラスチックボトル入り家庭用食用油の賞味期限順次延長を発表。一方、紙容器品によるプラスチック削減を推進。

9位:菜種大幅減産による価格高騰から大豆の輸入増及び搾油シフトが起きる。一方、菜種油、菜種ミール不足から輸入が増加。

10位:世界的なインフレ懸念に伴う日米金利差拡大影響等により急激に円安が進行、一時32年ぶりの151円台となる。

〈大豆油糧日報2022年12月22日付〉