メタバース&NFT
(画像=denisismagilov/stock.adobe.com)

(本記事は、斎藤創氏、佐野典秀氏、酒井麻里子氏の著書『先読み!IT×ビジネス講座 メタバース&NFT』=インプレス、2022年12月6日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

NFTとは?なぜ流行っているの?

高額売買のニュースなどで最近話題となることの多いNFT。なぜ今、大きな注目を集めているのでしょうか?まずは、NFTの特徴やブームの背景、通常のデジタルデータに比べてどんなメリットがあるのかを斎藤弁護士に聞きました。

「唯一無二」が証明されたデジタルデータ

聞き手・酒井麻里子氏(以下、酒井氏):まず、NFTがそもそも何なのかを教えてください。NFTのアート作品がとてつもない高額で売買されているというニュースを耳にしたこともありますが、物理的なモノとして何かがあるわけではないんですよね?

斎藤創先生(以下、斎藤先生):NFTとは、「Non-Fungible Token」の頭文字をとったもので、日本では「非代替性トークン」などといわれます。ブロックチェーン上ではもともとは「①改ざんできない・コピーできない、②価値そのものを移転できる、③追跡可能で誰でもデータを閲覧できる」性質を持つビットコインやイーサリアムが、一種のデジタル通貨として利用されてきました。このビットコインやイーサリアムが、A さんの持っている1 ビットコインとBさんの持っている1ビットコインで同じ価値を持つ(代替性がある)のに対し、NFTではブロックチェーンを利用しながら、1つ1つのNFTが代替できない、唯一無二性を持つデータであるのが特徴となります。

酒井氏:データということは、必ずしもイラストなどのアート作品でなくていいということですか?

斎藤先生:NFTはアートには限りません。ゲームなどのアイテムだったり、何かの権利であったり、唯一無二性を持つ代替できないデータであれば、なんでもNFTにできると思っています。

※最近ではAzuki NFT のデジタルスケートボード、Golden Skateboard が合計約3億6800万円で落札された。これは現物のスケートボードと紐づけられる仕組みが付与されていることが話題となった。

酒井氏:なるほど。その中で一般に比較的広く認知されているのが、NFTのアート作品ということなのでしょうか?

斎藤先生:そうですね。もともとデジタルデータというものは、いくらでも複製ができるうえに、複製したものとオリジナルに違いがないんです。

酒井氏:たしかにそうですね。ファイルをコピペしてしまえば、まったく同じものがいくつでもできてしまいます。

斎藤先生:NFTでは、ブロックチェーン技術を使って、コピーしたものとオリジナルの違いをはっきりわかるようにできます。それが従来のデジタルデータとの大きな違いですね。

メタバース&NFT
2-1-1 通常のデジタルデータとNFTの違い。NFTはそれぞれが唯一無二のものとして管理されることが特徴

プラットフォームの普及などで広まる

酒井氏:NFTは、この1~2 年で急に話題にあがることが増えたという印象です。なぜ、ここまで流行っているんでしょうか?

斎藤先生:NFTの取引には仮想通貨が使われるのが一般的ですが、仮想通貨の価格が上がっていた中で、2021年3月にBeepleのNFT作品がオークションで75億円で落札され、その後、TopShotというNBAのカードコレクション、Axie Infinity というブロックチェーンゲーム、STEPNという歩行ゲームなどが登場し、ブームが広がっていた印象です。

メタバース&NFT
2-1-2 仮想通貨の値上がりやNFT アートの高額売買などを背景に海外でブームとなり、それが日本にも伝播した

酒井氏:先に海外でブームになって、それが日本にも入ってきたという流れなんですね。

斎藤先生:そうですね。それに加えて、NFT の売買を比較的手軽に行えるOpenSeaというマーケットプレイスも人気となり、裾野が広がってきたのではないでしょうか。

※OpenSea(オープンシー)はNFTの売買を行うオンラインのマーケットプレイス。2017年にベータ版が公開され、2021年9月にスマホアプリをリリース。ユーザーは自分が作成したNFTや所有するNFTを販売できる。

酒井氏:NFTが現在のように注目されるようになる前に、仮想通貨のブームもあったと記憶しています。NFTに注目している人たちというのは、もともと仮想通貨の取引をしていた人たち中心になるのでしょうか?

斎藤先生:必ずしも一致するわけではないと思いますよ。仮想通貨やブロックチェーン技術が好きな人がまずNFTに関心を持ち、その後、デジタルアート作品の売買の手段として広まったことで、アートに関心の高い層が入ってきたと思います。

酒井氏:そもそもの疑問なのですが、仮想通貨とNFTは別物ということでしょうか?

斎藤先生:仮想通貨もNFTもブロックチェーン技術が使われていますが、仮想通貨は同じものがたくさん存在するのに対して、NFTはそれぞれが個別のものという点が違いですね。

酒井氏:NFTを買うときには、仮想通貨を使うんですよね?

斎藤先生:NFTを販売・購入するときの通貨として仮想通貨が使われることが多いですが、中には日本円などでの売買が可能なプラットフォームもありますよ。

酒井氏:ブロックチェーン技術の用途が広がったことで、より広い層がその恩恵を受けられるようになったという感じですね。

斎藤先生:そうですね。ユーザーの年齢層も仮想通貨取引をしている人とNFTの売買をする人では違いがあり、NFTは20代の若い人が多い傾向にあるんですよ。

book
著者:斎藤創、佐野典秀、酒井麻里子


※画像をクリックするとAmazonに飛びます