矢野経済研究所
(画像=photosomething/stock.adobe.com)

首都圏居住の20代~60代の男女870名へのアンケート調査結果では、シュークリームや団子など、スーパーやコンビニエンスストアでも購入できる身近なスイーツへの需要が幅広い消費層から集まる

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、原料価格やエネルギーコスト上昇を背景にさまざまな食品が値上げする中、和菓子、洋菓子、デザート類の購入動向の変化を調査する消費者アンケートを実施した。コロナ禍でスイーツの自家消費は堅調に推移しているが、個人嗜好は多様化しており、各消費層のニーズ把握は容易ではなくなっている。ここでは、回答者の属性や調査結果から分類した7つのクラスターの特徴や和菓子・洋菓子の品目別喫食程度について、公表する。

スイーツのクラスター分類

矢野経済研究所
(画像=矢野経済研究所)

和菓子・洋菓子の主要品目別喫食程度

矢野経済研究所
(画像=矢野経済研究所)

1.調査結果概要

本調査では、月に1回以上の頻度で和菓子や洋菓子などのスイーツ類を自分で購入して食べる、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の20代~60代の男女870名(男性426名、女性444名)を対象として、消費者アンケート調査を実施した。近年、スイーツ類の需要は多様化しており、性別や年齢といった基本属性だけでは説明しきれない側面が出てきていることから、今回の調査では性別、年齢、婚姻状況、和菓子13品目・洋菓子12品目の購入頻度、和菓子・洋菓子の購入単価の上限価格など計28項目をもとにクラスター分析を実施し、7つのクラスター(属性)へ分類した。
最も構成比が高かったのは「スイーツ主婦」で全体の20.5%を占めた。続いて「スイーツシニア」が19.7%で続き、「スイーツOL」「お手軽洋菓子」「スイーツ男子」が15%程度でほぼ同率となった。以下に、各クラスターの特徴を述べる。

・「スイーツ主婦」:買い物ついでに和・洋菓子全般のスイーツを買う主婦のグループ(構成比20.5%)
・「スイーツシニア」:地域の専門店に通う男性シニアのグループ(同19.7%)
・「スイーツOL」:スイーツにガッツリ感を求める若年女性のグループ(同15.9%)
・「お手軽洋菓子」:シュークリームなどの身近な洋菓子を時々食べるグループ(同15.6%)
・「スイーツ男子」:コンビニでスイーツを購入する若年男性のグループ(同15.6%)
・「スイーツセレブ」:スイーツには予算に糸目をつけない甘党グループ(同8.6%)
・「お手軽和菓子」:団子などの身近な和菓子を時々食べるグループ(同4.1%)

2.注目トピック

和菓子・洋菓子の主要品目別喫食程度

本調査で、和菓子・洋菓子などスイーツ類の品目別に「よく食べている」「時々食べている」「あまり食べていない」「ほとんど食べていない」の4段階で喫食程度を尋ねた。
「よく食べている」と「時々食べている」を合計した比率(以下、「食べている計」)は、和菓子では「団子・餅菓子」(70.4%)が圧倒的に多く、続いて「どらやき」「大福」「まんじゅう」が60%程度、「たいやき」が51.1%となっている。一方、洋菓子では、「シュークリーム・エクレア」の食べている計が76.8%で最も高く、続いて「クッキー・ビスケット」(70.5%)、「プリン」(66.2%)、「チーズケーキ・タルト」(58.7%)の順となり、これらの品目がより多くの消費者から喫食されていることがわかった。

前述したクラスター別に和菓子の喫食程度をみると、和・洋菓子全般に対する消費意欲が旺盛で、予算上限も高いスイーツセレブは、食べている計の比率が和菓子全品目で全体の比率より高くなった。また、スイーツ男子も全体より高い品目が多かった。特徴的な点では、スイーツ主婦は「団子・餅菓子」の比率が高く、また、スイーツOLは「わらび餅」の比率が全体より5ポイント以上高くなった。
一方、洋菓子では、スイーツセレブとスイーツ主婦は、幅広い品目において食べている計の比率が全体より高くなる傾向がみられた。一方、スイーツ男子とスイーツOLは対照的で、スイーツ男子は「バウムクーヘン」、「プリン」、「ゼリー」の比率が全体より5ポイント以上高くなったが、スイーツOLは「マドレーヌ・フィナンシェ」、「クッキー・ビスケット」、「カップデザート」、「ゼリー」で全体より高い結果となった。

調査要綱

1.調査期間: 2022年5月
2.調査対象: 首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)に居住する20代~60代の男女
3.調査方法: インターネット消費者アンケート調査
<和菓子・洋菓子・デザート類に関する消費者アンケート調査とは>
本調査では、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)に居住する20代から60代の男女870名(男性426名、女性444名)を対象として、インターネットアンケート調査を実施した。
月に1回以上の頻度で、和菓子や洋菓子などのスイーツ類を自分で購入して食べる人を対象に、和・洋菓子、デザート類の購入・消費実態や、スイーツ類に対するニーズ、購買を左右する要素を調査した。また、昨今、原料価格やエネルギーコストの上昇を背景に、様々な食品が値上がりする中、嗜好品である和菓子・洋菓子類においても、価格改定が待ったなしの状況となっている。しかし、必需品ではないことから、メーカーは値上げに躊躇するケースも多い。そこで、普段購入しているスイーツ類が値上がりした場合の対応についても、調査を実施した。
なお、集計・分析においては、基本属性となる性別、年齢に加えて、回答結果から7つのクラスターに分類し、クラスター間の比較分析も行った。
<市場に含まれる商品・サービス>
和菓子、洋菓子、デザート類(プリン、ゼリー、アイス)

出典資料について

資料名2022年版 これからの和菓子・洋菓子・デザートの消費トレンド分析
発刊日2022年06月27日
体裁A4 201ページ
価格(税込)121,000円 (本体価格 110,000円)

お問い合わせ先

部署マーケティング本部 広報チーム
住所〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
電話番号03-5371-6912
メールアドレスpress@yano.co.jp

©2022 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。