2021年度の国内市場規模(小売金額ベース)は、前年度比102.6%の1兆967億円と推計
~前年度の大幅縮小からわずかに戻すレベルに留まり、コロナショック前2019年度の水準には届かず~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の靴・履物小売市場を調査し、商品アイテム別や主要販売チャネル別の動向、参入企業の動向、将来展望を明らかにした。
靴・履物小売市場規模推移・予測(小売金額ベース)
1.市場概況
2021年度の国内靴・履物小売市場規模は、小売金額ベースで前年度比102.6%となる1兆967億円と推計した。同市場は、2016年度より縮小を続けている。2020年度の市場規模は、コロナ禍の影響から市場の2割が減少するほどの大打撃を受けた。2021年度は、前年の大幅縮小の反動からわずかに拡大したもの、2019年度の市場規模には遠く及ばない結果となっている。コロナ禍の影響による行動制限も緩和され、外出機会も増加したものの、コロナ禍で生まれた新しい生活様式が定着を見せ始めたこともあり、2020年度と比較すると靴・履物の需要はそれほど回復していないと考えられる。
2.注目トピック
縮小する市場において、EC チャネルとオンライン施策の強化が鍵
本市場は、既存プレイヤーだけでなく異業種も巻き込んだ熾烈なパイの奪い合いが生じている。参入各社は、様々な施策を打ち出しており、特にECチャネルの強化やリアルとオンラインを融合させたOMO (Online Merges with Offline)施策を投じる企業が目立つ。
経済産業省「令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書」(令和4年8月発表)によると、衣服・服飾雑貨等(スポーツ用品含む)の2021年BtoC-EC(EC分野でのBtoC)市場規模は、2兆4,279億円(前年比109.35%)と好調に推移しており、EC化率も21.15%(同1.71ポイント増)と上昇傾向である。コロナ禍をきっかけに急拡大したBtoC-EC市場であるが、ファッション分野でも年々増加傾向となっており、ECチャネルの強化ならびにネットを利用した施策の強化は、今後の生き残りには必須要素と言える。
3.将来展望
2022年度の国内靴・履物小売市場規模は、小売金額ベースで、前年度比101.5%の1兆1,134億円と予測した。2022年度以降も、コロナ禍による影響やそれにより生まれた新しい生活様式の定着、さらには原材料高騰に伴う製品価格上昇などの諸要因から大きな回復は見込めず、微増または横ばいに推移すると考えられる。
調査要綱
1.調査期間: 2022年7~9月 2.調査対象: 日本国内の靴・履物、及び、靴資材など靴業界に携わるメーカー、卸、小売業、 ならびに周辺関連業者、輸出入業者等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、郵送アンケート調査、ならびに文献調査併用 |
<靴・履物小売市場とは> 本調査における靴・履物市場とは、紳士靴・婦人靴・子供靴・並びにスニーカーも含む全てのスポーツ用シューズに加え、その他の履物類(長靴や作業靴等)も含めた全ての靴・履物類を対象として算出した。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 紳士靴、婦人靴、子供靴、スポーツシューズ(スニーカー含む)、その他の靴・履物類(長靴、作業靴等) |
出典資料について
資料名 | 2023 靴・履物産業年鑑 |
発刊日 | 2022年09月29日 |
体裁 | A4 327ページ |
価格(税込) | 137,500円 (本体価格 125,000円) |
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