(左から)ギンビス「たべっ子水族館」、森永製菓「おっとっと〈うすしお味〉」、カバヤ食品「ほねほねザウルス(第39弾)〜超合体!炎雷竜飛翔編〜」、カンロ「ピュレリング」
(画像=(左から)ギンビス「たべっ子水族館」、森永製菓「おっとっと〈うすしお味〉」、カバヤ食品「ほねほねザウルス(第39弾)〜超合体!炎雷竜飛翔編〜」、カンロ「ピュレリング」)

親子のコミュニケーション活性化や子どもの想像力の育成等につながる子ども向けの菓子について、菓子メーカーでは、ブランドや商品の魅力を改めて訴求するとともに、異業種とのコラボレーションなどで話題を喚起している。目立つのは、動物園や水族館との協働による取り組みだ。

ギンビスでは、47種の海の生き物の形をしたビスケットにチョコレートをしみ込ませた「たべっ子水族館」で、アクアワールド茨城県大洗水族館との特別イベントを10月31日まで開催している。

キャラクターたちと一緒に館内を周遊できるクイズラリーやワークショップ等を行うもの。「商品の味や品質を守りながらお客様を増やしたいと考え、ここ数年はキャラクターを活用したコラボに力を注いできた。乳幼児のお子様や保護者はもちろん10代、20代の若年層から50代以上の方までより幅広く買い求めていただけるようになり、成果が出ている」(同社)。

異業種とのコラボ施策を本格化した2019年以降、同ブランドは毎年2桁成長を続けている。その要因のひとつが、近年CVS(コンビニエンスストア)ルートへ導入が広がったスタンドパウチタイプの伸長だ。リクローズ(再封)式で携帯性にすぐれ、子育てや家事の合間に加え、移動中や仕事中など幅広い食シーンで親しまれている。

また、森永製菓では、さまざまな生き物のかたちが特徴的なポテトスナック「おっとっと」を長年展開している。「好奇心を刺激し、菓子型を通じて親子の会話が広がるのは他の菓子にはない『おっとっと』の強みだ。時代とともにお客様の嗜好に合う味わいに変化させてきた」(同社)。

1982年に発売し、2022年に40周年を迎えることから、同社は全国40カ所の動物園や水族館とのコラボレーション企画を実施。40種の動物の親子をモチーフにした菓子型の採用や人気声優の諏訪部順一氏がスペシャルガイドを務める動画、動物園や水族館の飼育員が撮影した動画等を特設サイト上で公開している。

ロングセラーの玩具菓子を展開するカバヤ食品は、「安全性と集める楽しみ、子どもでも買える手頃な価格にこだわった商品を提案している」(同社)。直近では、2022年に発売20年目となるオリジナル玩具「ほねほねザウルス」が好調だ。骨や恐竜をモチーフにした組みかえ可能なプラモデルで、自分だけのオリジナルほねほねザウルスをつくることができる点が支持されている。累計販売数量は4000万個を突破した。

一方、ロングセラーのブランド力を生かした派生品で成功しているのがカンロだ。2002年の発売以来、大人の女性向けグミとして人気の「ピュレグミ」ブランドから、2020年8月に親子向け商品として「ピュレリング」を発売した。「母から子へ、想いをつなげるピュレリング」というコンセプトのもと、「ピュレグミ」初期ユーザーの母親が、子どもと一緒に楽しめるグミとして開発したという。すっぱさを抑えた味わいに仕上げている。

現在、売れ筋の小袋タイプ「ピュレリング」(63g)や大容量のパーティーパックなど、シリーズ計5品にラインアップを拡充。今年1〜6月の「ピュレリング」売上高は前年同時期比49.1%増と大きく伸長した。同社は「ピュレグミやグミ市場と比較しても、お子さまがいらっしゃる方により多く購入していただけている。シークレット型の封入など、今後も遊び要素を追加しながら活性化に努めたい」とする。