日本アクセスでは、大豆ミートという言葉を使わずに、「なんだ、これは」という驚きが伝わるように、新しいプラントベースフード唐揚げ版のネーミングを「謎唐」と名付けた。
ハンバーグやソーセージからアプローチする企業が多い中で、あえて、大豆ミートを使った唐揚げで、プラントベースフード市場に改めて挑む。新型コロナにより高まった巣ごもり需要で、唐揚げが全国的にブームとなった。このトレンドの流れに乗りながら、「謎唐」を使って、唐揚げブームをさらに盛り上げる意向だ。
執行役員で業務用MD部長の秋山剛氏によれば、「代替肉、大豆ミートとうたってしまうと、消費者は構えてしまう。消費者アンケートでは、大豆ミートはおいしくないから、使いたくないと答えた人が4割近くいた。まずはネーミングで断られないように、これはなんの肉だろうと思わせるものを作り、実は大豆なんだという流れにもっていきたい」と方向性を示した。
また、古澤慎介業務用営業推進部長は、「謎と書くと、中身は何と興味が湧く。スーパーマーケットで販売する際は、一切ポップに大豆ミートと書かず、『謎唐』としか書かない」とする販売方針を説明した。
「謎唐」は食感を出すためのつなぎとして卵白を加えた大豆ミートだ。おいしさを最優先に考えて、あえてヴィーガン対応とせず、カロリーが抑えられ、環境問題にも優しい大豆を主原料に使うことで、サステナビリティやSDGsに対する日本アクセスとしての取り組み姿勢を示すとした。
「『謎唐』は不二製油の油の技術を使い、鶏の胸肉に近い食感を実現している。味は自分のお店の味をつけてもらうようにした。100店舗あれば、100種類の『謎唐』が出来上がる。唐揚げ専門店の有名店にはすでにサンプルを送っている」とし、古澤部長は戦略の一端を説明する。
新型コロナで外食が不調な中、唐揚げ専門店は2年間でものすごく増えたという。2020年は唐揚げが食卓に出現する率は前年比2ケタ増と高まっているとも強調した。
「唐揚げはおかずにもなり、つまみやおやつにもなる。ハンバーグやとんかつではおやつにはならない。食卓への出現率は非常に高い。当社では、日本唐揚協会主催の唐揚げグランプリのスーパーマーケット総菜部門を4年前に企画、全国を数エリアに分け毎年実施し、大変盛り上がっている。どこのスーパーマーケットに行っても、唐揚げの味は違う。そこに『謎唐』を投入して、消費者の興味をさらに惹きつければ、唐揚げブームに火を付け、さらに盛り上げられる」と古澤部長は意気込みを語る。
〈不二製油の技術力で開発、日本唐揚協会が監修、中計内での販売目標は10億円〉
「ターゲットは中食、外食、スーパーマーケットデリカ、コンビニ中食、とすべてに刺さる。大豆ミートと言わず、『謎唐』とすることで、購入する際の心理的なハードルを下げて、普通に手を出してもらえるような仕掛けを作る。また、『謎唐』は日本唐揚協会に監修してもらっている。一緒に作り上げていこうという了解も得ている。『謎唐』の開発期間は半年だ。鶏胸肉の食感は難しかったが、不二製油の技術力で、食感や弾力を再現することに成功している」とし、植物性とは思えない食感に、秋山部長も自信を見せる。
今後の展開では、業務用から盛り上げていって最後には、家庭用冷食としても売り出すことを計画している。展示会ではすでに冷食メーカーからオファーをいただいている。現在、北海道から九州までを8ブロックに分けて、唐揚げグランプリで金賞を受賞した唐揚げ専門店に『謎唐』を提案している。この人たちが賛同してくれると、周りの店舗へ連鎖して、さらに『謎唐』を使う店舗が増える」とし、秋山部長は中計期間内に販売目標10億円を達成させると宣言した。
〈大豆油糧日報2022年8月3日付〉