2022年7月15〜16日、東京でSBIアートオークション「BID FOR SUMMER」が開催。現代のアーティストを中心に329点の作品が2日間にわたって紹介された。本オークションより、落札価格の高かったトップ5の作品とANDART関連アーティストの落札結果をピックアップしてご紹介。落札価格は手数料込み。

5)草間彌生《Flower 6 H.T.》(1954)
落札価格:約1,840万円

日本を代表する前衛美術家・草間彌生の2作品がトップ5にランクイン。5位の作品になったのは、黒地の背景にたんぽぽの綿毛のような花が描かれた作品。サイズは30.5 × 24.2 cmでパステル、インク、ガッシュを使って紙に描かれている。2018年10月のクリスティーズオークションに本作が出品された際は、予想の6〜8万ポンドを超えて15万ポンド(当時約2,235万円)で落札された。(予想落札価格:約1,000万〜1,500万円)

4)キース・ヘリング《Untitled (Surfboard)》(1983)
落札価格:約2,070万円

keithharing
(画像=keithharing)

出典:https://www.facebook.com/sbiartauction/

キース・ヘリングは、アンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキアなどと並んで1980年代のアメリカを代表するアーティスト。1980年ニューヨークの地下鉄で「サブウェイ・ドローイング」と呼ばれるグラフィティ活動を始め、名が知られるように。1988年にエイズ感染と診断されたヘリングは、その2年後に亡くなるまで、アートを通してHIV・エイズ撲滅活動を行なった。本作は1983年に出品者がヘリングより直接取得したものだそう。予想を大きく超えての落札となった。(予想落札価格:約500万〜800万円)

3)草間彌生《帽子》(1981)
落札価格:約4,600万円

3位になった草間彌生の作品は、網目模様の背景にリボンとツバがついた帽子を水玉模様で描いた作品。色は黒・濃紺系と白の組み合わせで落ち着いた雰囲気。サイズは15.8 × 22.7 cmとかなり小さいのも特徴的。草間彌生の作品群には代表的モチーフであるかぼちゃの他、花や靴、ドレス、ハンドバッグなどの女性らしい物も多く描いている。(予想落札価格:約2,000万〜3,000万円)

2)ロッカクアヤコ《Untitled》(2007)
落札価格:約8,395万円

ロッカクアヤコ
(画像=ロッカクアヤコ)

出典:https://www.facebook.com/sbiartauction/

(予想落札価格:約2,500万〜3,500万円)

1)ロッカクアヤコ《Untitled》(2017)
落札価格:約1億8,400万円

ロッカクアヤコ
(画像=ロッカクアヤコ)

出典:https://www.facebook.com/sbiartauction/

1位と2位は、日本人若手アーティストの最前線を走るロッカクアヤコの作品が独占。それぞれアクリル絵の具とキャンバスの作品で、2位は90 × 60cm、1位は100× 150cmの大きさ。どちらも予想価格を大きく上回り、ロッカクアヤコの人気の高さが窺える。

今回1位になった作品で自身のオークションレコードを更新。ロッカクアヤコは、2022年5月26日のクリスティーズ(香港)で《Untitled》(2021)が1,029万香港ドル(当時約1億6,650万円)で落札され、オークションレコードを更新したばかり。今後アジア市場のみならず、世界での躍進が期待される。(予想落札価格:約4,000万〜7,000万円)

【ANDART取扱いアーティスト落札情報】

バリー・マッギー《Untitled (10 Piece Cluster)》
落札価格:約1,323万円

barry mcgee
(画像=barry mcgee)

出典:https://www.facebook.com/sbiartauction/

バリー・マッギーは1966年サンフランシスコ生まれのアーティスト。「TWIST(ツイスト)」というタグネームで知られ、グラフィティアーティストとして1990年〜2000年代のアートムーブメント「ミッション・スクール」と呼ばれる運動に参加。世界各地の美術館でも展示を開催し、ストリートと美術館を行き来している。7月30日から開催される国際芸術祭「あいち2022」にも参加予定。本作は10点組の作品。予想を超えての落札となり、オークション全体でトップ10に入る結果となった。(予想落札価格:約500万〜800万円)

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文:ANDART編集部