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2022年度のキャラクタービジネス市場は前年度比101.3%の2兆6,198億円と予測

~VTuberなどヒットキャラクターの認知度が向上し、市場規模は増加予測~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のキャラクタービジネス市場を調査し、セグメント別の市場規模推移、キャラクター別の動向、将来展望を明らかにした。

キャラクタービジネス市場規模推移

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2021年度キャラクタービジネス商品化権市場 分野別構成比

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1.市場概況

2021年度のキャラクタービジネス市場規模(商品化権、版権)は前年度比102.5%の2兆5,863億円となった。「クマーバチャンネル」のような動画から生まれたキャラクターの活躍により、市場が好調に推移したことに加え、アニメがヒットした「呪術廻戦」や「エヴァンゲリオン」、横浜山下ふ頭のGUNDAM FACTORY YOKOHAMAオープンによる「機動戦士ガンダム」の人気再燃などによって、キャラクタービジネスは活況を呈した。

キャラクタービジネス市場は商品化権と版権とで構成され、2021年度の商品化権市場(小売金額ベース)は前年度比101.8%の1兆2,563億円、版権市場(契約金額ベース)は同103.1%の1兆3,300億円となり、商品化権市場、版権市場ともにプラス成長となった。商品化権では、コロナ禍の巣ごもり需要を背景にプラモデルやフィギュアが好調な売れ行きを示し、版権はアニメ視聴の機会増によりアニメキャラクターの起用が活発になったことで好調に推移した。

2.注目トピック

VTuber(バーチャルユーチューバー)人気が上昇

VTuber(Virtual YouTuber)とは主にユーチューブ等のライブ配信やSNSなどインターネットメディアでCG描画されたキャラクター、あるいはそのキャラクターを用いて動画投稿・生放送を行う配信者の総称と言われている。2次元・3次元のキャラクターでもアニメやゲームとは違い、直接生放送で視聴者とのやりとりが可能なことから人気が高まった。なお、2022年6月にはバーチャルライバーグループを運営する企業が東京証券取引所グロース市場に新規上場するなど、若い世代を中心にVTuberは新しいキャラクター市場を形成している。

キャラクターを商品として売っていくだけの時代は終焉しており、ライブ感のあるイベントを開催することにより、参加体験によりキャラクターブランドの価値を高め、グッズ販売など物販も含めた収益化につなげる取り組みが高い効果を上げている。イベント開催から物販につなげるためのストーリー・道筋がますます重要となっている。

3.将来展望

メディアミックス「ウマ娘」、アニメ「SPY×FAMILY」、特撮「ウルトラマン」などバラエティに富んだキャラクターの活躍によって、2022年度のキャラクタービジネス市場規模(商品化権、版権)は前年度比101.3%の2兆6,198億円になると予測する。
2022年度はテーマパークのグッズ販売が前年度から一転して好調になることに加え、VTuberやSNSから火が点いたヒットキャラクターの認知が進むなど好調となる要因が多い。また、新型コロナ対策を徹底して開催している舞台やミュージアムなどの集客ビジネスがまだ本調子とは言えないものの、底堅く推移すると判断する。

調査要綱

1.調査期間: 2022年4月~6月
2.調査対象: キャラクタービジネス関連企業(メーカー、卸などいわゆるライセンサー、ライセンシー、及び小売・流通業等)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング、アンケート調査、ならびに文献調査併用
<キャラクタービジネスとは>
本調査におけるキャラクタービジネスとは、ライセンス契約によりキャラクターを商品化、広告販促使用、映画やテレビ、漫画などのメディアへ展開するビジネスを指し、商品化権と版権で構成される。
なお、本調査におけるキャラクターとはアニメーション・漫画・ゲーム・イラスト等であり、芸能人(実写)などを除く。
<市場に含まれる商品・サービス>
キャラクター商品、キャラクター版権

出典資料について

資料名2022年版 キャラクタービジネス年鑑
発刊日2022年06月27日
体裁A4 730ページ
価格(税込)137,500円 (本体価格 125,000円)

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