KAWS(本名:ブライアン・ドネリー)は1974年アメリカ・ニュージャージー州生まれの現代アーティスト。1990年代にニューヨークのストリートでグラフィティアーティストとして活動を開始したKAWSは、ビルボードや公衆電話ボックスにある広告に、独自のアートを加えて意味を改変する「Subvertising(サブバータイジング)」というスタイルのアートで注目を集めた。
KAWSの代名詞でもある「××」の目をしたキャッチーなキャラクター群は、世界的に非常に認知度が高く、幅広い年代から支持を得ている。そこで今回は、KAWSの代表的キャラクターを描いた作品《SHARE》を3つのポイントで解説。
KAWSの《SHARE》とは?
Point 1:代表的キャラクター「COMPANION」を描いた作品
「COMPANION(コンパニオン)」は、数あるKAWSのキャラクターの中でも強い人気を集めるキャラクターだ。ディズニーのアニメーターとして1年間働いていたKAWSがミッキーマウスからインスピレーションを得て創作したと言われている。1997年にディズニーを退社した後、COMPANIONはニューヨークのストリートにあったあらゆる広告に描き加えられた。以来、KAWSのアイコンとして定着し、ファンから愛され続けている。
出典:https://news.artnet.com/ © Matt Hawthorne Photography.
オークションでも目玉となるCOMPANIONは、2019年1月25日のクリスティーズにてキャンバスの《NYT (COMPANION CLOSE UP) Brown》が181万1,250ポンド(当時約2億6,263万円)で落札。COMPANIONの作品では最高落札価格を記録した(2022年6月23日時点)。
そして、《SHARE》でCOMPANIONが左手に持っているピンクのぬいぐるみは「BFF」と呼ばれるキャラクターだ。2016年にタイ・バンコクにて約8mの立体作品で初公開された。その記念として発売された1000体のBFFのぬいぐるみは、わずか2時間ほどで完売。セサミストリートのキャラクターを思わせるかわいらしい出立ちでDiorとのコラボレーションもした、COMPANION同様人気のキャラクターだ。
出典:https://www.fashion-press.net/
Point 2:巨大パブリックアートにもなった作品
2021年10月、ニューヨークのロックフェラー・センター前に、5.5mのブロンズ像の《SHARE》が登場していたのはご存じだろうか?
冬になるとスケートリンクが出ることでも有名なロックフェラー・センターは、19の高層ビルが立ち並ぶエリア。そんな高いビルの合間から空を見上げるように、COMPANIONが少し背中を反らしているのがポイントになったパブリックアートである。ニューヨークの一流観光名所を飾るプロジェクトにKAWSが選ばれたことは、アーティストとしての人気や認知度はもちろんのこと、現代のアート業界においての重要性が高いことを示している。
Point 3:KAWS作品で大人気「アート・トイ」のプリント作品
プリント作品の《SHARE》、そしてニューヨークのパブリックアートになった《SHARE》は共に、2020年にメディコム・トイから展開された高さ約30cmのフィギュアを元に制作されている。ストリートから出発したKAWSは画家、グラフィックデザイナー、ファッションデザイナーなどその活動は多岐に渡るが、中でもKAWSの特性を強めているのは、フィギュアや玩具を制作する「アート・トイ作家」であることだ。
KAWSが初めてフィギュアを制作したのは、1999年に日本のストリートウェアブランド「BOUNTY HUNTER(バウンティハンター)」とコラボレーションした時のことだった。2021年に東京で開催した大型展覧会「KAWS TOKYO FIRST」で販売されたフィギュアやグッズは争奪戦となり、瞬く間に完売。また、これまでに先のDiorやスヌーピーのザ・ピーナッツ、スター・ウォーズ、A BATHING APE、ユニクロなどのビックネームとのコラボレーションも多数発表している。
美術品の価格データバンク「Artprice」によると、2000年〜2022年(6月23日時点)で世界のオークションで取引された作品カテゴリー別のシェアで、一番高い46%を占めたのが、彫刻作品やフィギュアを含めたスカルプチャー類(販売点数1698点)だったことからも、「アート・トイ」はKAWSを構成する重要な作品群である。
「アート・トイの先駆者」とも呼ばれるKAWSは、ファインアートと商業を行き来することで、多くの人に届くアートを制作しているアーティストだ。代表的キャラクター「COMPANION」と「BFF」を描いた《SHARE》はフィギュアから始まり、巨大パブリックアート、そしてプリント作品へと形を変えながらもKAWSらしさが詰まった作品である。
出典:https://untappedcities.com/
ANDARTでKAWS《SHARE》の取り扱いが決定!
《SHARE》のプリント作品をANDARTの共同保有作品として取り扱うことが決定しました。本作はKAWSの人気作品群であるアート・トイから、代表的なキャラクターである「COMPANION」を描いたエディション500・サインありの作品です。市場で安定した人気を得ている現代アーティストの作品を手に入れるチャンスをお見逃しなく。
ANDARTでは、KAWSのように資産として将来性も期待できる本格アート作品を1万円から共同保有することができます。KAWS作品は《SHARE》の他に、《URGE》と《NO REPLY》を取扱い中です。
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文:ANDART編集部