2002年6月25日、ニューヨークでフィリップス「Editions Southampton」が開催。今回は、パブロ・ピカソやアンディ・ウォーホル、バンクシーなど近代から現代にかけての巨匠達によるエディション作品全121点が出品。本オークションよりTOP5の作品とANDART関連アーティストの落札情報をピックアップしてご紹介。落札価格は手数料込み、1USD=135.07円で計算。

5)ジョアン・ミッチェル《Trees II》(1992)
落札価格:約681万円($50,400)

ジョアン・ミッチェル
(画像=ジョアン・ミッチェル)

出典:https://www.phillips.com/

ジョアン・ミッチェル(1925-1992)は、アメリカ・シカゴ出身。男性が中心だった抽象表現主義運動の中で地位を獲得したアーティストである。キャリア初期をニューヨークで過ごし、その後はフランスの田園地帯に移住。風景やひまわりなどの自然界のモチーフを大胆な筆致と色彩で描くのが特徴だ。ミッチェルの作品はニューヨーク近代美術館、ホイットニー美術館やテート・ギャラリーなどに収蔵されている。本作はエディション34・サインありの作品。(予想落札価格: 約270万〜405万円 / $20,000 – 30,000)

4)ジャスパー・ジョーンズ
《0-9 series (U.L.A.E. 156-165)》(1975)
落札価格:約1,089万円($80,640)

jasperjohns
(画像=jasperjohns)

出典:https://www.phillips.com/

ジャスパー・ジョーンズ(1930-)はアメリカ・ジョージア州生まれ。1950年代初頭にアメリカで台頭した美術動向「ネオ・ダダ」の旗手として語られる重要な作家の一人。旗や標的、数字、地図などの記号を題材にした絵画を描くことで知られている。本作はその「数字」のシリーズより10枚セット、ぞれぞれ100枚サインありの作品。(予想落札価格: 約338万〜405万円 / $25,000 – 30,000)

3)アンディ・ウォーホル《Liz》(1965)
落札価格:約1,106万円 ($81,900)

andy warhol liz
(画像=andy warhol liz)

出典:https://www.phillips.com/

ポップアートの代表的作家、アンディ・ウォーホル(1928-1987)による、女優のエリザベス・テイラーを描いた作品。これは有名人を被写体にした肖像画シリーズのもので、先日約2億ドルで落札されて話題を呼んだマリリン・モンローの作品と同シリーズである。本作は、テイラー主演の映画『バターフィールド8』の宣材写真が元になった、エディション300・サインありのオフセットリトグラフの作品。

2022年3月のシンワオークションでは、テイラーを描いたキャンバス作品《Silver Liz》が国内オークションにおいて最高額で落札され、国内でも非常に人気のあるモチーフである。(予想落札価格:約675万〜945万円 / $50,000 – 70,000)

ANDARTでも、こちらと同エディション作品《Liz》を取扱中

2)パブロ・ピカソ
《Portrait de Jacqueline de face II (Portrait of Jacqueline from the Front II) (B. 1063, Ba. 1280)》(1962)
落札価格:約1,872万円 ($138,600)

パブロ・ピカソ
(画像=パブロ・ピカソ)

出典:https://www.phillips.com/

パブロ・ピカソ(1881-1973)の最後の妻・ジャクリーヌを描いたリノカット版画作品。リノカットは1枚の板を使用して多色刷りを実現する技法のことで(通常は使用する色の数に応じて複数の板を彫る)、ピカソはその即時性に惹かれて、1950年代後半にリノカットを使い始める。1958年に南フランスに移住したピカソは、印刷工のイダルゴ・アルネラと一緒に100枚以上のリノカットの作品を制作した。本作は、白黒印刷の限界からピカソが逸脱したことを示すものとされており、エディション50・サインありの作品。(予想落札価格:約1,080万〜1,620万円 / $80,000 – 120,000)

ANDARTでは、本作と同制作年の「ジャクリーヌの肖像」シリーズの一つ《Portrait de Jacqueline de Face Etat Ⅲ 21-21-1961(Bloch 1064)》を取扱い中

1)ロイ・リキテンスタイン
《Nude Reading, from Nudes series (C. 288)》(1994)
落札価格:約3,063万円 ($226,800)

ロイ・リキテンスタイン
(画像=ロイ・リキテンスタイン)

出典:https://www.phillips.com/

ロイ・リキテンスタイン(1923-1997)はアンディ・ウォーホルと並んでアメリカのポップアートを代表する画家。コミックを題材に、均一に配置したドットの大きさや密度で影を描写し、平面的な表現で描くところが特徴。本作は、リキテンスタインが1997年に亡くなる前に制作された最後の主要シリーズのうちの一つ「ヌード」である。生身のモデルを使わずに、コミック本のキャラクターなど印刷物から人物を流用している。エディション60・サインありの作品。(予想落札価格:約1,350万〜2,026万円 / $100,000 – 150,000)

【ANDART取扱いアーティスト落札情報】

デイヴィッド・ホックニー《Untitled (180)》(2010)
落札価格:約510万円 ($37,800)

david hockney
(画像=david hockney)

出典:https://www.phillips.com/

代表的モチーフ「スイミングプール」で有名なイギリスの具象画家、デイヴィッド・ホックニー(1937-)によるiPadで描いたドローイングをプリントした作品(エディション25・サインあり)。2008年にiPhoneを手に入れたホックニーは、ドローイングアプリケーションを利用して即興でスケッチを描き始め、2010年にiPadにアップグレードした。ホックニーのデジタルアートはハサミや灰皿、コンピューターのプラグなどの身近なものや日常の風景を芸術作品へと昇華させている。(予想落札価格:約405万〜540万円 / $30,000 – 40,000)

ANDARTでは、ホックニーの「スイミングプール」を描いた《Pool Made with Paper and Blue Ink for Book, from Paper Pools (M.C.A.T. 234)》を取扱中

ANDARTでは、オークション速報やアートニュースをメルマガでも配信中。無料会員登録で最新のアートニュースを受け取ることができます。

文:ANDART編集部