止まらない値上げ! 価格改定商品まとめ コーラにポッキー、カラムーチョ、芋焼酎も?
(画像=moonrise/stock.adobe.com)

食品の値上げが止まらない。コロナ禍から世界経済が回復し始める中、原油価格の高騰や供給不足に伴う原材料価格の上昇が続き、食品メーカー各社が商品価格への転嫁を進めているからだ。小売業者は企業努力で吸収を試みるが、それも限界に近づいている。2022年7月以降に価格改定を予定している商品を見てみよう。

ハンバーガーが値上げ

大手ハンバーガーチェーンの「モスバーガー」は7月13日、一部のメニューで価格を変更する。モスフードサービスは公式サイトで、「コロナ禍による経済環境の変化や、ウクライナ危機の影響」から、各種コストが増えたためと説明している。可能な限り効率化を進めてきたが、まかないきれなくなったという。

値上げする商品の一例は以下の通りだ。

止まらない値上げ! 価格改定食品まとめ コーラにポッキー、カラムーチョ、芋焼酎も?

このほか、フレンチフライポテトSなどのサイドメニュー、ブレンドコーヒーなども値上げを予定している。

「黒霧島」など15年ぶりに値上げ

霧島酒造は「黒霧島」など芋焼酎16銘柄を2007年以来15年ぶりに値上げすることを決めた。価格の改定は9月1日出荷分からで、値上げ幅は2~11%の予定だ。黒霧島の1,800ミリリットルパック(アルコール分25%)は、希望小売価格を1,705円から1,845円(税抜)に8%引き上げる。

値上げの背景として、同社は芋焼酎の主原料であるサツマイモや原油価格の高騰に伴い、包装資材や燃料費などのコスト上昇が続いているためだと説明している。これに加え、2018年に国内で初めて確認された病害「サツマイモ基腐病」の拡大により、サツマイモの収穫量が減少してしまう可能性があり、企業努力だけではコストの上昇分を吸収できない状況となっているという。

パンや油、ルウなど……

7月1日には山崎製パンが食パンの「ロイヤルブレッド」「超芳醇」「ダブルソフト」などを平均8.7%値上げする。同じく、フジパンも「本仕込食パン」、敷島製パンは「超熟」の価格を引き上げる予定だ。

J-オイルミルズは7月1日から、菜種油製品、大豆油製品、パーム油製品、コーン油製品を1キログラム当たり60円以上の値上げを行う。日清オイリオグループも、ごま油やオリーブオイルの価格を5~30%引き上げる。

8月15日にはハウス食品が「バーモントカレー」「ジャワカレー」「北海道シチュー」「完熟トマトのハヤシライスソース」など、ルウ商品を約10%値上げする。エスビー食品も、9月1日からゴールデンカレーなどの価格を引き上げるという。

江崎グリコは9月1日に「ポッキー」「カフェオーレ」、湖池屋は「カラムーチョ」、赤城乳業は「ガリガリ君ソーダ」などを値上げする。

10月1日からはコカ・コーラが「コカ・コーラ」「綾鷹」をはじめ、ペットボトルやボトル缶など小型パッケージ製品を6~18%値上げする。同じ飲料メーカーでは、アサヒ飲料が「三ツ矢サイダー」「カルピス」「ウィルキンソン」「十六茶」、キリンビバレッジが「午後の紅茶」「生茶」「キリンレモン」などのペットボトル入り商品やボトル缶入り商品を値上げする。

アルコール飲料も10月から一斉に値上げされる。サントリーは「ザ・プレミアム・モルツ」「金麦」「こだわり酒場のレモンサワー」「角ハイボール樽詰」、キリンビールは「一番搾り」「淡麗グリーンラベル」「本麒麟」、アサヒビールは「スーパードライ」「贅沢搾り」、サッポロビールは「サッポロ生ビール黒ラベル」「エビスビール」などの価格を引き上げることが予定されており、値上げが止まらない。

イオンもPB商品を値上げ

小売大手のイオンは2022年6月21日、プライベートブランド(PB)の「トップバリュ」から販売している食品や日用品の一部を、7月4日に値上げすると発表した。

食品メーカーの値上げが相次ぐ中、同社はこれまでPB商品約5,000品目の価格を6月末まで据え置くと「宣言」してきた。しかし、一部の品目で企業努力によるコスト吸収が限界を迎えた。

イオンが7月に値上げするのは、これまで価格を据え置いてきた約5,000品目のうち、マヨネーズなど3品目だ。他の商品は当面、現在の価格を維持するが、従来のように据え置く具体的な期間は示していない。このため、状況次第ではさらなる値上げが続く可能性もあるとみられる。

7月以降、大手スーパーの西友もPB商品の食品や日用品の一部を値上げする。同社もイオンと同じく、6月末までは値上げしない方針を示していた。

PB商品というのは、小売業者が主導して企画し、メーカーに生産を委託して販売する商品だ。その意味で、PB商品に関する限り、イオンや西友といった小売業者はメーカーであるとも言える。メーカーによる相次ぐ値上げを受け、客離れを起こさないよう、なるべく価格を据え置いてきたが、限界を迎え始めているようだ。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

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