世界的なインフレの進行により、生活費の水準に注目が集まっている。日々の生活で最も大きな固定費といえば、何より住居費だ。さらに、値上げが相次ぐ食料費である。総務省統計局が公表した「統計でみる都道府県のすがた 2022」を参考に、これら生活費比率が高い都道府県を紹介する。
食料費比率1位は大阪府
2022年公表の「統計でみる都道府県のすがた」では、2020年度の消費支出を基に各都道府県の費目別の金額が分かる。このうち2人以上世帯が支出に占める食料費の比率を高い順にランキングすると、1位は大阪府で31.2%だった。
続いて2位が京都府、3位が沖縄県で、上位3府県のみが30%を超えた。
6位には兵庫県が入っており、大阪、京都とともに関西地方の府県が上位に入っている傾向がわかる。8位の神奈川県、9位の東京都をはじめ、17位の千葉県など、関東地方の各都県も上位に位置する。
一方、47位の福岡県、46位の熊本県、42位の佐賀県など、九州の各県が下位に入った。45位の島根県、44位の山口県、39位の鳥取県など、中国地方の各県もランキングは下位だった。
住居費比率のトップは福岡県
住居費比率では福岡県が10.8%でトップだった。食料費では最下位だったが、住居費では一転して高比率であることが分かった。
3位に東京都、9位に神奈川県、12位に千葉県という関東勢が上位に入った。一方で下位は47位の京都府、45位の滋賀県、42位の兵庫県など、関西勢が目立つ。
このようにして見ると、首都圏は食料費比率、住居費比率とも上位に入っている。しかし、関西や九州の例から、食料費比率が高い地域は住居費比率が低く、逆に住居費比率が高い地域は食料費比率が低い傾向もあるとみられる。
被服や履物費比率で1位は滋賀県
そのほか「被服、履物」に関する出費の比率は滋賀県が1位で3.8%だった。2位は埼玉県と東京都(それぞれ3.7%)だった。下位は47位が沖縄県(2.5%)、46位が秋田県(2.6%)、45位が長崎県(2.8%)となっている。
教育費比率は1位が埼玉県(7.1%)、2位が千葉県(6.3%)、3位が東京都(5.9%)で、首都圏の都県が上位を独占し、5位にも神奈川県(5.3%)が入った。最下位は福島県と青森県(1.5%)、その次に低かったのが秋田県(1.7%)で、東北勢が目立った。
ほかにもさまざまなデータを公表
総務省統計局が公表した「統計でみる都道府県のすがた 2022」では、このほかにもさまざまな出費に関する都道府県別のデータが公表されている。過去のデータも参照できるので、興味がある人はのぞいてみてはいかがだろうか。
▼統計でみる都道府県のすがた2022(家計に関するデータ)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032169036&fileKind=0
文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)