インターキューブ・大豆ペーストブランド「soyAi(ソイアイ)」
(画像=インターキューブ・大豆ペーストブランド「soyAi(ソイアイ)」)

大豆ミートを使った代替肉市場が盛り上がっている中で、インターキューブ(東京都港区)ではあえて、皮付きの発芽大豆にこだわった大豆ペーストをスイーツと合わせることで、ミネラルやたん白質をより多く摂取できる提案を展開し、3月に出展したフーデックスで大反響を得た。

これまでは、大豆たん白を使ったハンバーガーやソーセージなど、代替肉として展開する企業が多かったが、冷凍マンゴーと大豆ペーストを組み合わせることで、栄養価の高いスムージーを提案したほか、ポタージュスープや生チョコレートを展開することで、コンビニやホテルなどからの問い合わせが増えているという。

インターキューブは世界的に有名なファッションブランドの店舗ディスプレイを制作する会社だ。将来的に環境問題などの影響から、動物性たん白質の供給が減少傾向を辿り、植物由来のたん白質が今後台頭してくることを見据えて、昨年5月にsoyAi事業部を立ち上げ、大豆ペーストを中間材料として、本格的に販売していくことを決断、2021年12月にはECサイトを立ち上げ、2022年3月にはフーデックスに出展して多くの来場者の興味を惹きつけた。

インターキューブの丸山文久代表取締役によれば、「過去に携わった仕事の関係で、この大豆ペーストの技術に出合った。今回当社で本格的に製品開発や販売を展開することを決定し、食品展示会に出たことで、数多くの問い合わせをいただき、いろいろな可能性を知ることができた」とし、立ち上げから短期間で、公の場へ登場したことで、これからの製品開発やプロモーションにも手応えを感じたようだ。

インターキューブ・丸山文久代表取締役
(画像=インターキューブ・丸山文久代表取締役)

大豆ペーストのブランド名はsoyAi(ソイアイ)とする。Aiは愛情や未来的な要素を含み、これから事業を本格化させるスタート地点という意味も込めたという。

取り扱う大豆ペーストにおけるこだわりは「大豆が発芽するタイミングで皮を付けたまま浅茹でし加工すること。大豆の皮の下で栄養素が高まったところで、大豆を粉砕してペーストにする。皮は一番栄養素が高い。その状態でおいしさをコントロールできるような製造特許も取得している」と語る。

〈ソイアイは離乳食や介護食にも最適、ヴィーガン認証も取得し大阪万博見据えた展開も〉
ソイアイは中間材料になるので、スイーツ以外にも、パンやポテトサラダなどあらゆるものに使うことができる。また、粉末とは違い、ペーストにすることで多くの栄養素を捨てることなく、製品化することができたことを大きな差別化要因として訴求していきたいとする。

賞味期限に関しては、「今後伸ばしていけると考えており、防災食としての展開も考えている。また、ペーストにしたことで、離乳食や介護食としても最適で、滑らかな食感やおいしさを感じてもらいやすい。栄養価が高いので子どもや、食物アレルギー体質の人にも適している」とし、ソイアイの可能性は広がるばかりだ。

また、ソイアイをそのまま提供しても、どう使ったらいいのか分かりにくいと考え、大豆と野菜のポタージュを3種類(大豆とほうれん草とブロッコリー、大豆とカボチャとキャロット、大豆とポテト)製品化している。大豆ペーストと大豆のポタージュにはベジプロジェクトジャパンのヴィーガン認証を取得している。

「コロナ禍で若年層から高齢者層まで健康に対する意識が高まっているので、ベジプロジャパンと3年後の大阪万博を見据えたプロモーションを展開していきたい」ともしており、近々では、冷凍マンゴーなどを使ったスムージーバーをキッチングカーやポップアップショップなどで展開していきたいともしている。

〈大豆油糧日報2022年5月18日付〉