世界の半導体売上高ランキング! かつての半導体強国「日本」は何位?
(画像=show999/stock.adobe.com)

かつて、鉄は「産業のコメ」と呼ばれた。「お米のように産業に欠かせないモノ」という意味だ。しかし、いま産業のコメと呼ばれているのは「半導体」で、さまざまな製品に半導体が使用されている。そんな半導体の分野で、日本企業は健闘できているのか。海外の大手企業と売上高を比較してみる。

売上高世界TOP10には日本企業の名前はない

イギリスの民間市場調査会社「Omdia」が、半導体企業の売上高ランキング(※半導体受託生産会社は除く)を公表している。その2021年版ランキングの上位10社には、残念ながら日本の半導体企業は登場していない。まずランキングの結果を紹介しよう。

世界の半導体売上高ランキング! かつての半導体強国「日本」は何位?

1位となったのは、アメリカのIntelだ。同社は半導体の設計と製造の両方を自社で行っている。半導体ビジネスで分業が進む中、設計と製造の両方を自社で手掛ける企業は世界的にも少なく、Intelは公式サイトで「アメリカでは唯一の企業」としている。

製造拠点は世界で9ヵ所あり、アメリカ国内に3ヵ所あるほか、中国、ベトナム、マレーシア、イスラエル、アイルランド、コスタリカにも拠点を構える。半導体の製造などに関わるインテルの従業員数は3万5,000人に上るという。

2位と3位には韓国企業がランクインしている。「Samsung Electronics」と「SK Hynix」だ。2位のSamsung Electronicsは、自動車向けのメモリや次世代通信規格「5G」向けの半導体製品、AIに活用可能な半導体ソリューションなどを開発している。

4〜10位に関しては、8位の台湾企業「MediaTek」を除いてアメリカ企業の名前が並ぶ。

日本の半導体各社の売上高は?

Omdiaが公表した2021年の半導体企業売上高ランキングでは、上位10社に日本企業の名前はなかった。では、日本の半導体大手企業の売上高は実際のところ、いくらぐらいなのか。

日本の半導体大手と言えば、キオクシアやルネサスエレクトロニクス、ロームなどが挙げられる。キオクシアは半導体メモリを手掛ける企業、ルネサスエレクトロニクスは自動車分野に強い半導体企業、ロームは京都に本社を置く半導体メーカーだ。

それぞれの企業の最新の通期決算の数字を列挙すると、以下の通りとなる。

世界の半導体売上高ランキング! かつての半導体強国「日本」は何位?
※各企業の決算短信(キオクシアとロームは2021年4月~2022年3月期、ルネサスエレクトロニクスは2021年1~12月期)の情報から売上高のデータを抽出

Omdiaが発表した世界ランキングでは、10位のアメリカ企業のAdvanced Micro Devices(AMD)の売上高は161億5,400万ドルだった。現在のレート(1ドル=127.5円)で日本円に換算すると約2兆円だ。

日本のキオクシアの売上高は約1兆5,000億円であり、AMDより5,000億円ほど少ない。

かつて半導体市場は日本企業の独壇場だった

このように海外の半導体大手と日本の半導体大手の売上高を比較すると、日本勢の存在感は半導体業界で大きくないことが分かる。ただし半導体に関しては、かつては日本企業の独壇場だった歴史がある。

1990年前後、NECや東芝、モトローラ、日立製作所などの日本企業が、売上高の世界ランキングで上位を席巻していたが、その後、アメリカや韓国、台湾などの企業が台頭し、日本勢の売上高シェアはどんどん低くなっていった。

その理由は複合的だが、労働コストの問題で日本企業が価格競争で勝てなくなっていったことや、ソフトウェア的要素が必要な開発分野で日本企業の劣勢が続いたことなどが挙げられる。

「産業のコメ」たる半導体の分野で日本のシェアが低くなっていくことは、日本の国力の低下に直結する。これから日本の半導体業界は、ますます世界において存在感が低くなっていくのだろうか。懸念は高まるばかりだ。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

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