アートに漫画、動画だけじゃない 今、NFTで買えるいろいろなもの
(画像=gesrey/stock.adobe.com)

多くの企業がNFTの商品やサービスを販売・提供しており、今後もNFT市場はさらなる拡大が見込まれる。しかし、「NFTが何のことか分からない」という人も実は多いのではないだろうか。本記事ではNFTの概要やさまざまな商品、今後の展望について解説する。

そもそもNFTとは

まずは、NFTがどのようなものかを見ていこう。NFTとは、「Non-Fungible Token(ノンファンジブルトークン)」の略で日本語にすると「非代替性トークン」だ。他にも「代替不可トークン」と訳されることもある。非代替性トークンとは、簡単にいうと暗号資産(仮想通貨)などのブロックチェーン技術で作成されたデジタルデータのひとつ。代替ができないもののことだ。

つまりNFTとは、コピーや改ざんができないデジタルデータのことを指す。ブロックチェーンには、暗号資産などのように、その数を増やしたり分割して配布したりできるものもあるが、NFTはそれができない。そのためNFTは価値の高いものとなっている。NFTにはさまざまな商品があるが、どのような方法で商品を販売しているのだろうか。

例えばNFTの代表的な商品のひとつが「デジタルアート」。これは、デジタルアートとNFTを紐づけることで当該デジタルアートのデータが代替できないものとなっている。つまり所有者は、そのデジタルアートの所有をNFTにより証明されているのだ。

アート作品のオークションなどでは、いわゆる偽物が出品されることもあるため、購入に二の足を踏む人も多い。しかしNFTの商品は、本物であることが証明されているため、安心して購入できる。デジタルアートが複製品ではなく本物と証明されることで商品価値も上昇し需要も高くなるというわけだ。

NFTの特徴とは

次にNFTの代表的な4つの特徴を見ていこう。

唯一のもの

NFTはブロックチェーンにより作成され、その存在が保証されている。また暗号資産などと異なり唯一のものと証明されている。

偽造が不可能

唯一のものと同様にNFTの最大の特徴とされるのが「偽造ができない」ということだ。たとえ偽物が現れても本物であることが証明されるので安心できる。

2次収益をあげられる

NFTの商品が多く作られている背景には、「2次収益をあげられる」ということがある。2次収益とは、簡単にいうと転売時にも収益が作家に支払われる仕組みだ。例えば古本などで問題となっていることのひとつに、「一度購入した本を古本として流通させても古本の売却時には作家に収益が入らない」といった問題がある。

しかしNFT商品であれば、転売時にも作家に収益が入る。そのため作家としてもNFTの商品の販売には力が入るのだ。

取引がしやすい

取引がしやすいこともNFTの特徴だ。NFTは、デジタルデータであるため、インターネットを通じていつでも取引ができる。わざわざ店に足を運ばなくても取引ができる点もメリットだ。

NFTで商品化されているものとは

NFTでは、さまざまなものが商品化されている。代表的なNFT商品は次の4つ。

1.アート

先にもあげた通り、NFT商品の代表的なものがアート作品だ。海外では、デジタルアートのオークションも数多く行われている。ちなみに国内では、2021年10月にSBIアートオークション主催の「NFTアート」を扱うオークションが初めて開催された。最高額は、現代美術家スプツニ子!氏の作品で839万5,000円の値が付いた。

2.漫画

漫画もNFTの主流商品だ。NFTで出品された漫画には2次収益がある。NFT市場には、集英社やマーベルなど国内外を問わず多くの出版社が参加しており、これからも増加が期待できるだろう。またアニメや漫画のワンシーンもNFT作品として販売されている。

3.動画

インターネットの普及により家で誰でも簡単に動画を見られるようになったが、動画もNFT商品として定着しつつある。例えばスポーツのワンシーンをNFT商品として販売すれば、購入者がそれを見ることができる。

4.ファッション

GucciやNike、adidasなどの有名メーカーもNFTに参入している。グッズをNFT商品化して販売したり、現実のファッションアイテムにNFTを紐づけて本物である証明にしたりすることで、流通性の向上や本物の証明などファッションに付加価値をつけることができる。

今後、NFTはどうなる?

有名企業の参入でNFTの市場規模は、今後ますます大きくなることが予想される。海外の投資銀行の中には、NFTの市場規模が2025年には800億米ドル(1米ドル=127円換算で約10兆1,600億円)以上になると予測しているところもある。また2022年4月現在も個人で作品を販売できるNFT市場はあるが、今後より一層、簡単に誰でもNFT市場に作品を出品できるようになることも予想される。NFTがさらに身近となる日も近い。

興味がある商品があれば、NFT商品を一度購入してみよう

NFTはブロックチェーン技術で作成されたデジタルデータのひとつで代替が不可なものだ。「偽造ができない」「唯一のものという証明ができる」などの特徴があり、多くの企業がNFT市場に参入している。

アートや漫画、動画、ファッションなどさまざまなジャンルがあり、新たなビジネスチャンスとなる可能性もあるNFTには手ごろな商品もあるようだ。時代に乗り遅れないためにもぜひチェックしたい。

著:せがわ あき
会計事務所に10年勤務。その後、会計ソフトメーカーでの勤務を経て、現在は会計・税務・金融などをテーマにライティング活動を行う。会計事務所では、顧問先の会計業務や融資支援に従事。融資のための提出資料作成や融資・資金繰りのアドバイスなどを行う。会計ソフトメーカー時代には、お客様対応業務に加えてソフト開発にも携わり、お客様の声を製品に反映させる仕事に従事。
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