矢野経済研究所
(画像=琢也 栂/stock.adobe.com)

主要住宅メーカーは国内市場においては都心部の戸建住宅市場を強化するとともに、海外市場では国内のビジネスモデルの水平展開により事業拡大の見込

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の住宅市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

1.調査結果概要

国内主要住宅メーカーの業績は、総じて好転している。主力の国内の戸建住宅や賃貸住宅が堅調であったことに加え、これまで、ポートフォリオの多様化として取り組んできた、リフォーム・リノベーションやまちづくり事業、海外事業も業績を下支えした。

今後については、コロナ禍を背景としたリモートワークの普及に伴い、都心部から郊外へといった動きは継続する一方、リモートワークの縮小に伴い、再び都心部に回帰する動きもみられる。
加えて、都心部においては高所得のパワーカップルの増加も見込まれるため、都心部の戸建住宅需要は底堅く推移することが見込まれる。また、建築コストの上昇を背景に、都心部の新築分譲マンション価格は高騰・高止まりが継続しており、それと比較して価格に割安感のある都心部狭小地の戸建住宅需要は堅調であり、その需要は今後さらに拡大していくことが見込まれる。

国内においては都心部の戸建住宅需要が堅調に推移することが見込まれるが、国内市場は既に縮小局面に入っている。そのため、国内主要住宅メーカーは、国内市場の縮小を補完し、さらに、成長すべく、海外市場への展開を一層積極的に進めていくものと思われる。

2.注目トピック

成長戦略オプションの一つである海外市場は国内のビジネスモデルを水平展開

国内主要住宅メーカーは、海外事業の拡大に動いている。
海外進出エリアについては、これまで中国やASEANといったアジアを中心としていたが、昨今は米国や豪州、欧州において、エリア展開を強化している。米国、豪州、欧州においては、人手不足や人件費上昇、環境問題への対応等、我が国と同様の課題を抱えている。一方、国内主要住宅メーカーは、高品質でありながら省コストを実現する住宅の工業化や、新築~リフォーム~仲介に至るまでの循環型のビジネスモデルや独自のノウハウを有しており、海外市場においても水平展開出来る強みを有するものと思われる。

国内主要住宅メーカーは海外市場において、戸建住宅だけではなく、ビルやアパートメントなど、多岐に渡る建物形態の建築実績も重ねており、今後も更なるプロジェクトの増加が見込まれることに伴い、その成長が期待される。

調査要綱

1.調査期間: 2022年1月~3月
2.調査対象: 主要住宅メーカー、デベロッパー、不動産流通、ホームビルダー他
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、アンケート調査、ならびに文献調査併用
本調査における住宅メーカーは、日本国内において広域に注文住宅及び賃貸住宅を展開する企業を指す。ホームビルダーは、日本国内において比較的、地域密着型で注文住宅及び、分譲住宅、賃貸住宅などを展開する企業であり、年間販売棟数1,000棟以上の企業を対象としている。
<市場に含まれる商品・サービス>
国内の住宅市場(新築戸建住宅、新築賃貸住宅、リフォーム・リノベーション、不動産)、ならびに海外事業など

出典資料について

資料名2022年版 住宅メーカーの展望と戦略
発刊日2022年03月29日
体裁A4 513ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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