2022年がスタートして早2ヵ月が経った。1月にうまい棒の値上げ(10円→12円)が発表されて話題になったが、今年はうまい棒に限らず、さまざまな商品カテゴリーで値上げラッシュの1年となる。すでに各社が発表している情報をもとに、いくつか例を紹介していこう。
カルビー:「ポテトチップス」や「じゃがりこ」を値上げ
カルビーは2021年10月下旬、ポテトチップスなどの主力商品について、価格改定と内容量変更に関するお知らせを発表した。
価格を改定する商品の値上げ率は「想定改定率:7~10%程度」と説明された。内容量を変更する商品はいずれもグラム数が減り、価格は変わらないという。つまり、実質的な値上げとなる。
値上げと内容量を減らす対応は2022年1月下旬からすでに始まっているが、3月以降に始まるものもある。以下が、カルビーが今後値上げする商品と内容量を減らす商品だ。
カルビーは、今回の値上げの理由として「高温・干ばつの影響による北海道産原料ばれいしょの減収の見通し」と「一部原材料価格の大幅な上昇」を挙げている。
東洋水産:冷凍食品に加え、マルちゃん即席麺も値上げ
冷凍食品では、東洋水産などが4月1日納品分からの値上げを発表している。市販用の商品と業務用の商品の両方で一部商品の値上げを行うとしており、概要は以下の通りだ。
東洋水産と言えば、即席麺の「マルちゃん」シリーズなどでも有名だが、これらの商品も6月1日出荷分から値上げに踏み切る。値上げ率は9~12%だ。
東洋水産は値上げの理由として、「原材料費の上昇」や「包材費・物流費・燃料費などの高騰」を挙げている。
キューピーはマヨネーズを値上げ済み、カゴメのケチャップも
菓子類や冷凍食品だけではなく、調味料の値上げも起きている。例えば、キューピーはすでに家庭用と業務用のマヨネーズの値上げを発表しており、同じく調味料大手のカゴメも4月1日納品分からの一部調味料製品の値上げを発表している。
カゴメが値上げする商品は以下の通りだ。
カゴメは値上げの理由として、世界的に食料需要が増え、商品の原材料として使うトマトペーストや固形トマト、液糖などの価格が上昇していることを挙げている。
ロシア・ウクライナ情勢の悪化でさらなる値上げも
各社、原材料費の価格上昇を値上げの主な要因として説明している。原材料費が今後も上昇を続ければ、各社はさらなる値上げを余儀無くされそうだが、今後そのような事態になっていくのだろうか。
その可能性は十分にある。理由のひとつがロシア・ウクライナ情勢の悪化だ。ロシアやウクライナは、石油や天然ガス、小麦などの穀物の一大輸出国として知られているが、戦争が勃発したことで市場への供給力が落ちることが必至な状況である。
価格は需要と供給のバランスで決まる。需要がそのままで供給が減れば、需要過多で価格が上がる。特に石油や天然ガスなどのエネルギーは、さまざまな生産活動や商品の輸送において非常に重要な役割を果たすため、エネルギー高はいろいろな原材料の高騰に直結しやすい。
2022年、値上げラッシュが家計を直撃
この記事では、2022年に入ってから値上げされた商品や今後値上げされる商品について紹介した。菓子類や冷凍食品、調味料だけではなく、ティッシュペーパーなどの紙製品や家電、そして電気料金やガス料金などの値上がりも起きている。
このような値上げは家計を直撃する。これまで節約に努めてきた人も、2022年はこれまでに増してさらにさまざまな工夫が必要になりそうだ。
文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)