日本M&Aセンターが行うM&A大学。 その卒業生として最前線で活躍するOB・OGバンカーに気になる情報をインタビュー。

今回は十六銀行 ソリューション営業部 経営承継支援室 室長の青山 直樹氏にインタビューした。

M&A大学とは
日本M&Aセンターが協業する地域金融機関に向けて行う、研修・出向制度。M&A大学入学者(地銀からの出向者)はM&Aシニアエキスパート研修(JMAC)、評価・概要書研修などの座学と日本M&AセンターとのコンサルタントによるOJTなどを経て、自ら顧客への提案からM&Aの成約、契約の締結までを完結できるM&Aコンサルタントとなることを目指す。
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ご出向期間と、ご出向にこられたきっかけを教えてください。

2021年1月から1年間、日本M&Aセンターにお世話になりました。
弊行は2019年3月に経営承継支援室というM&A・事業承継の部署を立ち上げまして、それに伴い、私はそこで2年間M&A・事業承継の業務を担当しておりました。私が出向する前は、M&A未経験者が出向しM&Aの経験を積んでから本部に戻ってくる流れでしたが、私からは現場を経験してから出向するという流れに変わりました。日本M&Aセンターさんと、協業を深めるという意味もあったのかもしれません。出向の人事異動が出た時は正直びっくりしましたね。

実際に出向に来られてみてどうでしたか?

我々もディールに関して、ソーシングからマッチングまでの経験はそれなりにありましたが、事務周りの業務については提携している仲介会社に依頼している部分もあったので、それについて出向中は、主体的に関わる経験ができて良かったと思います。契約書作成であったり、クロージングであったり、実務を通して知識を身につけることができました。東京の本社にはチャネル別や業種別事業部があり、成長戦略や業界再編等々、M&Aを通じて日本の課題解決に取り組んでいるイメージを感じることができました。

出向期間中に、思い出に残っていることがあれば教えてください。

私が支店勤務時代に担当者としていたお客様にM&Aを通じて喜ばれたことが思い出にあります。この案件は、お客様(譲渡オーナー)が、ご自身でお相手(譲受企業)を探されていたが見つからず、その後私にお声がけいただき、3年ほどお相手を探していたところやっと見つかったというようなディールでした。なかなかお相手が見つからず困ったところで、お相手探しの為に私を選んで下さって、最終的には驚くような株価でお相手を見つけることができました。お客様に非常に喜んでいただき、心に残るディールになりましたね。

それは喜ばれたことでしょう。お相手が見つかって良かったですね。

そうですね。もう1社のお話をさせていただくと、私が入行した26年前から存じ上げているお客様で、当時は50代でバリバリ働かれていたのですが、現在はもう70代になられておりました。昔からのお付き合いもあって、お相手探しの為に私を選んでいただき、最終的には良いお相手も見つかってご満足いただけたかと思います。

そうなのですね。昔からのお客様の事業承継・M&Aに携われたことは素晴らしいですね。

現在のM&Aチームの構成について教えていただけますか。
現在8名で担当しております。日本M&Aセンターさんから1名弊行へ出向いただいている方がおります。その他の弊行の行員7名中、支店長経験者が4名おります。

そうなると知識はもちろんのこと、昔からのお客様との繋がりがある方が多いですね。

そうですね。行内のマッチングについては、このメンバーでチームワークを発揮すれば確度の高いお相手のマッチングができる点は強みかと思います。営業店を指導するにあたっても、上手にまとめ上げることができるのかなと思います。

先ほどお話がでました、日本M&Aセンターから貴行へ1名出向をしておりますが、こちらについてはどのように感じられていますか?

弊行へ出向いただいている齋藤さんは、色々な面でサポートを頂いております。我々のチームもM&A経験が1~2年の者がほとんどですので、それぞれの受託件数も多くはありません。受託から成約まで全てを経験した者も多くはない為、そういったところを齋藤さんにご指導いただいているところです。受託セッションにあたってのポイントであったり、お客様の背中の押し方であったり、そういうポイントを肌で感じて学んでいます。

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日本M&Aセンターへ出向された十六銀行の青山氏と、十六銀行へ出向中の日本M&Aセンター齋藤氏

十六銀行の今、そして未来

十六銀行が独自に取り組まれていることがあれば教えてください。

東海エリアの銀行で行っている“三行会セミナー”など、定期的にお客様向けのセミナーは開催させていただいております。日本M&Aセンターの力も借りながら、もっと頻度を増やしてセミナー等お客様に向けて発信していけたらと思います。

最近十六銀行でのニュースなどあれば教えてください。

十六銀行は、2021年10月に持ち株会社体制に変更となりました。「人と、地域と、未来をむすぶ 十六フィナンシャルグループ」と掲げています。
今後の地方銀行においては、金融を軸として新たな事業領域を拡充することで従来の銀行業務の枠を超えて、地域経済や地域企業への貢献する役割が求められます。持続可能な社会に貢献するために、ともに地域の未来を創造し、ともに持続的な成長をとげる金融グループを目指したいと考えております。

素晴らしいです。十六銀行さんは過去にバンクオブザイヤーも受賞されていますね。

はい。ありがとうございます。どんどん案件を増やして地域に貢献したいと思います。

最後に、青山さんが座右の銘があれば教えてください。

「迅速果敢」といいますか、競争の激しい中で、お客様のニーズに早く返すということをずっと心がけています。

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