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日本M&Aセンターが行うM&A大学。 その卒業生として最前線で活躍するOB・OGバンカーにインタビューする企画。

今回は大分銀行 法人営業支援部 M&A・事業承継グループ 推進役補 佐藤雄也さんにインタビューした。

M&A大学とは
日本M&Aセンターが協業する地域金融機関に向けて行う、研修・出向制度。M&A大学入学者(地銀からの出向者)はM&Aシニアエキスパート研修(JMAC)、評価・概要書研修などの座学と日本M&AセンターとのコンサルタントによるOJTなどを経て、自ら顧客への提案からM&Aの成約、契約の締結までを完結できるM&Aコンサルタントとなることを目指す。

佐藤さんのご経歴を教えてください。

県外の大学卒業後、県外の地方銀行に入行し、そこで9年程、主に法人営業を3カ店経験しました。充実した日々でしたが、やはり地元である大分に戻りたいという想いがあり、7年前に大分銀行に入行し、法人営業で2カ店経験後、現在のM&Aの部署へ配属となりました。M&Aの経歴は過去実務で経験したことはなく、未経験での異動でしたね。

現在所属されている法人営業支援部M&A・事業承継グループのメンバー構成は?

現在、全員で7名です。その中で日本M&Aセンターさまへの出向経験者は3名になります。担当はエリアごとに分けて対応しております。

法人営業支援部への異動は希望されていたのですか?

専門的な知識を身に着けたいという思いはありましたが、辞令が出た時には大変驚きましたね。弊行では、外部に出向に出て勉強・経験を積んでから法人営業支援部(M&A・事業承継グループ)に配属されることが通例でしたので、出向せずにM&A・事業承継グループに配属となったということもあり、とても驚きました。

法人営業支援部はどのような業務を行っているのですか?

船舶や不動産、再生可能エネルギー関連のファイナンス業務や医療・介護関係、補助金、DX支援、人材紹介などお客様へのコンサルティング業務が中心で、その中にM&A・事業承継グループがあります。配属直後はM&Aについて何もわからない状況で、M&Aシニアエキスパートの資格勉強をすることで頭の整理はついたのですが、実務経験が乏しかったこともあり、日本M&Aセンターさまへ出向する機会をいただきました。

M&A大学に参加して

ご出向期間はちょうど新型コロナウィルスが流行りだした頃だったと思います。

出向が2020年1月からの半年間でしたので、ちょうど新型コロナウィルスが世間で騒がれはじめた時期と重なりました。4月に緊急事態宣言が出てから在宅勤務に切り替わったタイミングですね。

そんな中での出向も大変だったと思いますが、どのような活動をされていましたか?

在宅勤務に切り替わったときは、お客さまのところへ訪問も難しくなり、厳しい状況が続きました。そんな中、M&A大学では、オンライン講義の開催や、個別でも出向者向けの実務に関するオンライン勉強会の開催をしてくださっていたので、在宅期間でも学びの機会を増やすようにしていました。また、日本M&AセンターさまのM&Aに関する書籍を読み漁り、ひたすら知識の習得に励みました。今となってはその経験も良かったなと思います。

大変な時期でしたが、日本M&Aセンターさまのコンサルタントさまがオンラインツールなどを駆使し、オンライン成約式の実現など、今まで経験したことがない環境の中で最大限のパフォーマンスを出す姿を目の当たりにして、非常に刺激を受けましたね。

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ご出向中のご経験で特に良かったことを教えてください。

M&A大学では短期間でM&Aのノウハウをしっかり学ぶことができたと思います。その中でも、コンサルタントさまに同行させていただき、お客さまとの交渉の現場を勉強できたことですね。自分が実際にお客さまと面談中に上手くいかないなと思っていたことも、コンサルタントさまは上手い切り返し方法をされていたので、その応酬話法を目の前で学ぶことが出来ました。

これは苦い経験なのですが、お客さまから契約書にサインをもらって帰ってきた直後にブレイク(契約破棄)となった案件もありました。この時は事前準備の大切さを学びましたね。M&Aの難しさと、二手三手先を考え準備対応していくことの大切さを、出向を通して学べたと思います。

現在、貴行で特別にお客様に向けて取り組んでいることがあれば教えてください。

積極的にお客さま向けセミナーを開催しています。また日々の同行訪問についても、本部と支店で一緒に訪問することで営業店が評価される制度をとって積極的に取り組んでいますね。支店の行員だけではなかなかお話が難しいところを、我々本部の担当が同行してお客さまと接点を持ってお話させて頂き、お客さまの希望に沿ったレールを引いて先へ導くように対応しております。

貴行で行っているセミナーはどういう反響がありますか。

今年度は、日本M&Aセンターさまと一緒に、M&Aに関するオンラインセミナーを、前期4回、後期4回、実施しております。セミナーにご参加いただいたお客さまに、後日面談でお話を伺う機会は増えており、参加者へのフォローに忙しい日々です。セミナーの参加をきっかけに、M&Aで譲渡したいというご相談をお客さまより頂いたこともあります。

今年度は大分銀行さんのM&A案件も増加傾向にあると思います。

はい。セミナーの参加がきっかけになることはもちろんですが、日本M&Aセンターさまの担当者コンサルタントさまが、大分のサテライトオフィスにいらっしゃることの影響が大きいと思います。日本M&Aセンターさまは大分にも拠点を置いていらっしゃるので、弊行としても身近であり、お客さまとの急な面談についてもすぐに同行の対応いただけることもあり、大変ありがたいです。

最後に、佐藤さんのお仕事のモットーを教えてください。

後継者不在という社会問題を解決する方法の一つであるM&Aを通して、社会や地域に貢献したいですね。今後も日本M&Aセンターさまや他行さまと連携して、1社でも多くのお客さまのご成約の支援へ携わり、1社でも多くのお客さまの事業承継問題の解決へ貢献していきたいです。

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