ビジネスモデルを可視化するBMCって何のこと?
(画像=Graphic&Illustration/stock.adobe.com)

ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネスモデルを可視化するためのフレームワークだ。今回は、ビジネスモデルキャンバスの意味や構成要素、書き方のサンプル例などをわかりやすく解説する。リーンキャンバスとの違いにも触れているので理解を深めてほしい。

目次

  1. ビジネスモデルキャンバスとは?
    1. ビジネスモデルの意味
    2. ビジネスモデルキャンバスを使うメリット
  2. ビジネスモデルキャンバスの9つの要素
    1. 要素1.顧客セグメント(CS:Customer Segments)
    2. 要素2.価値提案(VP:Value Propositions)
    3. 要素3.チャネル(CH:Channels)
    4. 要素4.顧客との関係(CR:Customer Relationships)
    5. 要素5.収益の流れ(RS:Revenue Streams)
    6. 要素6.主要リソース(KR:Key Resources)
    7. 要素7.主要活動(KA:Key Activities)
    8. 要素8.主要パートナー(KP:Key Partners)
    9. 要素9.コスト構造(CS:Cost Structure)
  3. ビジネスモデルキャンバスとリーンキャンバスの違い
  4. ビジネスモデルキャンバスを活用する3ステップ
    1. ステップ1.9つの要素を埋める
    2. ステップ2.改善策を書き出す
    3. ステップ3.実行結果を検証する
  5. ビジネスモデルキャンバスの書き方サンプル例
  6. ビジネスモデルキャンバスを事業に活かす
  7. 事業承継・M&Aをご検討中の経営者さまへ

ビジネスモデルキャンバスとは?

ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデルを可視化するためのフレームワークである。アレックス・オスターワルダーとイヴ・ピニュールが開発した。BMCという略称が用いられることもある。

ビジネスモデルの意味

そもそもビジネスモデルとは、事業で価値を提供して収益を得る仕組みだ。同じ商品やサービスでも、ビジネスモデルの違いによって、事業の成否が分かれることがある。ビジネスモデルは、事業を永続的に成長・発展させる要ともいえるだろう。

ビジネスモデルを明確化することで、経営者が意思決定しやすくなる。さらに、事業の課題を見つけたり、社員と意識を共有したりするのにも役立つだろう。

ビジネスモデルキャンバスを使うメリット

事業活動に追われていると、ビジネスモデルを振り返る機会は少なくなる。

ビジネスモデルキャンバスを活用すれば、事業活動によって生み出される価値を再認識して、顧客に適した商品やサービスの訴求方法に気づきやすくなる。

社員と一緒にフレームワークを活用してビジネスモデルを可視化し、社員から改善案を募集するのも面白いだろう。強みや課題と真摯に向き合い、改善策を実行すれば、事業をよりよい方向へと導ける。

創業期だけでなく、新規事業の開始や事業の拡大など、あらゆるタイミングでビジネスモデルキャンバスを積極的に活用したい。

ビジネスモデルキャンバスの9つの要素

ビジネスモデルキャンバスの構成要素を9つに分けて紹介する。

要素1.顧客セグメント(CS:Customer Segments)

ターゲットとなる顧客の属性やニーズなどを記述することで、事業のターゲットが明確になる。ターゲットが複数の場合、グループ化してすべて書き出す。

要素2.価値提案(VP:Value Propositions)

顧客のニーズをふまえて、顧客に提供できる価値を記述することで、商品やサービスの内容が明確になる。顧客に提供する価値を見直すことで、顧客単価を引き上げるヒントも見えてくるだろう。

要素3.チャネル(CH:Channels)

顧客に価値を提供するときの手段を記述する。たとえば、販売方法や広告宣伝など認知獲得の手段だ。顧客セグメントに対して適切なチャネルを選択することは、ビジネスを成功させるために重要な視点である。

要素4.顧客との関係(CR:Customer Relationships)

顧客と築く関係性を記述する。顧客との新たな関係性を構築することで、新規顧客の獲得をはじめ、商品やサービスの価値上昇が期待できる。

要素5.収益の流れ(RS:Revenue Streams)

顧客セグメントから収益を受け取る流れを記述する。ビジネスを成立させるには収益の獲得が欠かせない。収益の流れを明確化し、価格設定の妥当性も検討する。

要素6.主要リソース(KR:Key Resources)

価値を提供するために必要なリソースを記述する。主要な経営資源といわれるヒト・モノ・カネ・情報の切り口で整理するとわかりやすい。

要素7.主要活動(KA:Key Activities)

価値を提供するための活動について記述する。主要活動は、いわば事業内容そのものだ。主要活動が明確でなければ事業として成り立たない。

要素8.主要パートナー(KP:Key Partners)

価値の提供にともない協力してもらうパートナーを記述する。取引先や仕入先、不動産オーナー、金融機関などがある。

要素9.コスト構造(CS:Cost Structure)

価値の提供にともない発生するコストを記述する。全体感を把握しやすいように、代表的な項目をピックアップする。

ビジネスモデルキャンバスとリーンキャンバスの違い

リーンキャンバスは、ビジネスモデルキャンバスとよく似たフレームワークだ。同じくビジネスモデルを可視化するためのフレームワークであり、シートの構造もビジネスモデルキャンバスと似通っている。

ただし、ビジネスモデルキャンバスとは異なる要素がある。

・独自の価値提案
・圧倒的優位性
・主要指標
・解決策
・課題

ビジネスモデルキャンバスは、経営資源や取引先、企業活動、顧客との関係性など、具体的で実践的な要素が多い。その一方でリーンキャンバスは、優位性や解決策など、抽象的な分析に役立つ。

使い分けとして、創業準備期間や新規事業の立ち上げ時期は、リーンキャンバスを活用するとよいだろう。

すでに軌道に乗っているビジネスモデルを分析する場合や事業拡大を目指す場合は、ビジネスモデルキャンバスを活用することで課題を見つけやすくなるはずだ。

ビジネスモデルキャンバスを活用する3ステップ

ビジネスモデルキャンバスを活用する具体的な手順を3つのステップで解説していく。

ステップ1.9つの要素を埋める

ビジネスモデルキャンバスの9要素を1枚のシートに書き出していく。

ステップ2.改善策を書き出す

書き出した要素を眺めて、それぞれの内容や整合性を分析する。ブラッシュアップできる内容があれば、赤字などで書き加えていく。最終的に改善策をまとめ、アクションプランを定める。

ステップ3.実行結果を検証する

アクションプランに沿って改善策を実行し、一定期間を置いて振り返りをする。ビジネスモデルキャンバスと照らし合わせながら、PDCAサイクルを回すようにしたい。

ビジネスモデルキャンバスの書き方サンプル例

アンティーク家具を販売する店舗を経営する会社を例として、ビジネスモデルキャンバスを活用した書き方のサンプル例を紹介する。

9つの要素を順番に表の中へ埋めて、課題や改善策を検討していく。

ビジネスモデルキャンバスとは? リーンキャンバスとの違いや書き方のサンプル例などを解説

ビジネスモデルキャンバスを事業に活かす

新規事業の立ち上げや事業拡大など、経営にはさまざまなステージがある。時には経営方針で悩むこともあるだろう。ビジネスモデルを明確化しておけば指針になるはずだ。事業を成功に導けるようにビジネスモデルキャンバスをうまく活用したい。

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文・木崎涼(ファイナンシャルプランナー、M&Aシニアエキスパート)

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