アート作品は美術館で観るもの、と思っている人が多いのではないでしょうか? 日本のアートマーケットは世界的にみても規模が小さく、「アート作品を購入する」という文化があまり根付いていません。また、学校や家庭でのアート教育も後退的であることから「アートの楽しみ方がわからない」と感じ、美術館でなんとなくアート鑑賞はしても、より高いお金を出してアート作品を“購入”することに至らないという方も多いです。しかし、最近では美術作品を信託財産として取り扱う信託銀行もあるほど、美術品=資産という概念が広まっています。

そこで本記事では資産としてのアート作品購入について解説します。

アート投資とは
(画像=アート投資とは)

目次

  1. アート投資のメリット
  2. アート投資のデメリット
  3. アート作品の買い方

アート投資のメリット

まずはアート作品を投資対象とする上でのメリットをご紹介します。少しハードルが高く思われがちなアート作品の購入ですが、実物投資ならではのメリットや、投資対象として以外にも嬉しい点がたくさんあります。

値崩れが起きにくい
アート作品は実物資産であり、またその希少性の高さから価値が比較的下がりにくいと考えられています。アート作品には「ユニーク作品」と呼ばれる一点ものの作品と、「エディション作品」と呼ばれる数量限定で制作される作品があり、当然ユニーク作品の方が希少性が高くなります。希少性が高い作品や、人気の作家が制作した作品は需要も多く、数年で価値が何倍にも上がることも。自分が将来性を感じた作品の価格が世間的にも評価され、市場価格が上昇したらなんだか誇らしいですよね。

また、万が一失敗しても、作品そのものの価値が0になることはほとんどなく、納得のいく価格で売却できなければ、自分の観賞用のコレクションとして取っておくこともできます。アート作品はたくさんあるので、単なる将来性や資産価値にばかり目を向けるのではなく、自分が好きだと思える作品を選ぶことをお勧めします。

鑑賞して楽しむことができる
アート作品は資産目的としてだけでなく鑑賞して楽しむ事もできるのが魅力的ですよね。資産的な価値だけでなく、心が豊かになるようなものは投資対象としては唯一無二だと思います。また、アート作品を購入するためにギャラリー展示に足を運んだり、より良い作品に出会うために知識を身につけることは審美眼や教養を蓄えることにもつながります。投資家やアートコレクターと良い作品についての情報をシェアするうちに人脈が広がることもあるかもしれません。

鑑賞して楽しむことができる
(画像=鑑賞して楽しむことができる)

節税になる
法人・個人事業主の方は条件を満たせばアート作品を減価償却することができます。減価償却とは経年により価値が下がる資産において、資産価値の目減り分を資産の価値から差し引き、損金として経費計上できる仕組みのことです。しかし、アート作品は古くなることで価値が上がる作品も多いため、結果として得する可能性もあります。

アート投資のデメリット

アート投資は基本的に長期保有が前提です。将来性を見込んだ作品は長く自分の手元に置いておく必要があるので、当然作品をより良い状態で保管するための努力が必要です。そこでアート投資をする上で大変な面(デメリット)をいくつかご紹介します。

場所を取る
アート作品は実物資産なので当然保管するためには場所を取ります。絵画や立体作品を家に飾ろうとも、家の壁や床の面積には限りがありますし、倉庫に保管するためにも費用が必要です。

アート投資とは
(画像=アート投資とは)

保管状態に注意が必要
美術品は汚れたり、劣化してしまうとその価値が下がってしまいます。美術館に行くと作品に近づけないようにロープや線が引かれていたり、各部屋に湿度や温度を記録する機械が置かれているのを目にした事もある人もいると思います。作品によっては湿度や日光に弱いものもあるので、厳重に管理された美術品専用の倉庫などを利用する人もいます。

偽物に注意
残念ながら美術作品には一定数の贋作(偽物)が存在し、これが最も大きなリスクの一つと言えるでしょう。有名なアーティストの作品であればあるほど贋作である割合は高くなり、巧妙に作られた偽物は知識がないとそう簡単に見抜くことはできません。もちろん贋作は本物よりも遥かに価値が低いので、本物だと思って購入した作品が実は偽物だとわかった時の心理的ショックは大きいですよね。

偽物を購入することを避け、知識をつけるためにも、アートのプロや専門家のアドバイスを聞くことは大切です。

知識が必要
これはアート投資に限りませんが、将来性のあるアート作品を購入したり、売買のタイミングを見極めるにはある程度の知識が必要です。アート市場のトレンドを察知したり、オークションの落札価格の傾向を見るなど、アートに全くの関心がないと注目し続けるのは難しいでしょう。手っ取り早く利益を得たい人には向かないかもしれませんね。

アート投資とは
(画像=アート投資とは)

アート作品の買い方

アート作品を購入したいと思っても、「いい作品が分からない」「どこで買えばいいのかわからない」「飾る場所がない」…などハードルが高く感じてしまう人もいるのではないでしょうか?一般にアート作品購入と聞くと「値段がべらぼうに高く、富裕層だけの特権なのでは?」と悩む方が多いと思いますが、実は数万円から購入することができる作品もあります。

今まではギャラリーや百貨店、場合によってはオークションなどでアート作品を購入するイメージが強かったですが、近年ではコロナの影響もありオンラインでアート作品を販売するサイトも増えています。ギャラリーによるオンラインビューイングや、オークションハウスのアプリなど、アート業界も続々とオンライン化が進み、より気軽に作品を鑑賞・購入できるようになりました。

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・アートを飾るために壁に穴を開けたくない
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文章:ANDART編集部