1文章最初.jpg

日本M&Aセンターが行うM&A大学。
その卒業生として最前線で活躍するOB・OGバンカーにTHEOWNER編集部がインタビュー。

今回は青森銀行 ビジネスパートナー部 ソリューション支援課 プランナー 櫻庭 裕太さんにお話を伺った。

M&A大学とは
日本M&Aセンターが協業する地域金融機関に向けて行う、研修・出向制度。M&A大学入学者(地銀からの出向者)はM&Aシニアエキスパート研修(JMAC)、評価・概要書研修などの座学と日本M&AセンターとのコンサルタントによるOJTなどを経て、自ら顧客への提案からM&Aの成約、契約の締結までを完結できるM&Aコンサルタントとなることを目指す。

現在のM&Aチームの構成と、櫻庭さんの業務内容を教えてください。

ビジネスパートナー部として、M&AやM&Aに付随する業務が中心ですが、M&Aとは別にビジネスマッチングやABL業務などいくつか担当しております。
チーム構成としては、M&Aの担当は4名おりエリア分けはしておりません。事業承継については同じソリューション支援課に別のチームがあり3名で対応しております。

青森銀行へ入行した理由、働きたいと思った理由を教えてください。

大学時代から就職は地元青森に帰ってこようと思っていました。大学時代に地方経済のゼミに在籍していたこともあり、銀行業に興味を持ったので青森銀行を受けたという経緯です。

現在の部署に来られるまでの経緯を教えてください。

2010年に入行、3支店で融資業務など担当し、2019年4月より日本M&Aセンターへ出向しました。支店で勤務していたときにM&Aのファイナンスをお願いしたいというお客様がおり、我々がメインバンクということでご相談を頂いたという経験がありました。
ですので、M&Aに関しては全くの無知というわけではありませんでしたが、日本M&Aセンターへの出向はサプライズ人事でした。専門的なことを学べるのは自分の為になるので、素直に嬉しかったです。

日本M&Aセンターでの思い出

実際に出向されて、どうでしたか?

当行を担当してくれていた御社のコンサルタントの方と一緒に案件に携わる機会が多く、譲渡のご相談から成約までを一通り経験できたことは自分にとって大きかったですね。出向期間中の1年で譲渡案件を19件受け、譲渡企業への折衝についてはだいぶ知識がつきました。譲渡をするご決断というのは、お客様にとって大変重要で慎重になる部分だと思います。そこをしっかりと理解して学べたことは大変良かったと思います。

出向中に一番思い出に残っていることはありますか?

やっぱり成約した案件ですね。地域になくてはならない会社の事業承継問題を解決できたこと、成約式でお客様から「ありがとう」という言葉を頂いたことが印象に残っています。初めて一通りのディールの流れを経験し勉強になったことはもちろんですが、お客様との強い繋がりを感じることができてとてもやりがいのある仕事だと思いました。

出向期間中に学んだことで、役に立っていることを教えてください。

まず知識については、M&A大学の最初の1か月間の講義でしっかり身につけることができたと思います。売り手担当だけでなく、買い手担当のコンサルタントと同行させていただいたことも良い経験になりました。日本M&Aセンターさんは出向者を受け入れて学べる体制が確りとしているので、ディールに関わる時間も数多くいただき日頃の業務に役立っていると思います。

2文章中.jpg

青森のお客様に特徴はありますか。

青森は芯が強くて冷静な方が多いと思います。M&Aという性質上、最後に決めきれない方もいますので、必要に応じてですが、一歩前に進めるようこちらが背中を押すようなこともあります。
お客様によっては、銀行にだから話せることと、銀行にだから話せないことがあると思います。そこについては御社の青森在住のコンサルタントの方と一緒に上手くお話を引き出して、良い選択をしていただけるようにと心がけていますね。青森サテライトオフィスに担当がいるというのは、すぐに一緒に動けるという点や、お客様にとってもコロナの不安があった時期に交渉を止めることなく進めることができ特に良かったと思います。

青森のお客様のM&Aの認知度はいかがでしょうか。

最近はお客様へ色々なところからダイレクトメールが届いているというのもあり、徐々に認知度は高まってきている印象です。しかし認知はされていても、第三者へ譲渡は考えていないというお客様は依然として多いと思います。

一方で最近では、譲渡のご決断を悩まれ我々が相談を受けているお客様のもとに、たまたま我々が関与したM&A成約先からオーナーチェンジの手紙が届き実体験の話を聞いたことが後押しとなり、お相手探しを始めることを決めた経営者の方もいました。
こういったかたちで1件ずつにはなりますが、いい意味でM&Aの認知度が広がっていけば嬉しいですね。

独自に青森銀行が取り組んでいることを教えてください。

最近は「M&Aインフォメーション」というものを行内用に作成しています。M&Aニーズの喚起の仕方、最近の成約事例、県内の動向など、簡単なものですが月に2回程度を目途に発信しています。M&Aの情報について行員の目に触れる機会を増やすことによって、よりソリューションの切り口として使ってもらえるようになることが大事だと考えております。

最後に日本M&Aセンターに期待していることを教えてください。

日本M&Aセンターさんには、青森サテライトオフィスを開設していただいたり、青森に対して手厚くフォローしていただき感謝しています。最近は、日本M&AセンターさんでM&A成約件数がギネス世界記録に認定されたと聞きました。これからも引き続き、M&A業界を引っ張っていく存在であってほしいと思いますね。

3文章最後.jpg