2022年は、ANDARTお取り扱いアーティストの大規模回顧展など見逃せない展覧会が多数開催される。ANDART編集部の厳選した今年押さえておきたい注目の展覧会と、新規オープンするアートスペースの情報をチェックしよう!
注目の展覧会 10選
▍アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO
ウォーホルの故郷であるアメリカ・ピッツバーグにあるアンディ・ウォーホル美術館の所蔵作品のみで構成される日本初の展覧会。展示される約200点のうち、100点以上が日本初公開作品となる大規模展覧会。
門外不出の《三つのマリリン》、大型作品《最後の晩餐》のほか、京都ゆかりの作品も展示される。巡回は行われないので、貴重な機会をお見逃しなく。
会期:2022年9月17日(土)-2023年2月12日(日)
会場:京都市京セラ美術館 東山キューブ (京都府)
展覧会HP:https://www.andywarholkyoto.jp/
▍歿後50年 ピカソ 青の時代を超えて
画像引用:https://www.polamuseum.or.jp/
ポーラ美術館とひろしま美術館が、バルセロナ・ピカソ美術館の協力により深めてきた作品研究をもとに、ピカソの絵画制作のプロセスに焦点を当てる共同企画展。両館の絵画コレクションのほか、国内外の貴重なコレクションを借用し、20世紀の巨匠が遺した創造の軌跡に迫る展覧会だ。
会期:2022年9月17日(土)~2023年1月15日(日)
会場:ポーラ美術館 (神奈川県)
会場HP:https://www.polamuseum.or.jp/
※巡回展:ひろしま美術館 (会期:2023年2月4日(土)~5月28日(日))
▍ゲルハルト・リヒター展
画像引用:https://richter.exhibit.jp/
ドイツが生んだ現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒター。1960年代に本格的に活動を開始して以来 世界のアートシーンの最前線を走り続け、その地位を揺るぎないものにしているリヒターの60年にわたる画業を紹介する大規模回顧展。
注目は、日本で初公開となる 幅2メートル、高さ2.6メートルの作品4点で構成される巨大な抽象画《ビルケナウ》。「ホロコースト」というリヒターの積年の関心事を主題にした作品だ。
会期:2022年6月7日(火)〜2022年10月2日(日)
会場:東京国立近代美術館
展覧会HP:https://richter.exhibit.jp/
▍国立新美術館開館15周年記念 李禹煥
日本の「もの派」を代表する作家として、国際的にも大きな注目を集めてきた現代美術家、李禹煥(リ・ウファン、1936年生)の東京では初めてとなる大規模回顧展。「もの派」にいたる前の視覚の問題を問う初期作品から、彫刻の概念を変えた「関係項」シリーズ、そして、静謐なリズムを奏でる精神性の高い絵画など、代表作が一堂に会するとともに、新たな境地を示す新作も出品予定だ。
会期:2022年8月10日(水)~11月7日(月)
会場:国立新美術館 (東京都)
展覧会HP:https://www.nact.jp/exhibition_special/2022/leeufan/
▍開館記念特別展 モディリアーニ ─愛と創作に捧げた35年─
画像引用:https://modi2022.jp/
エコール・ド・パリの一員としてピカソや藤田嗣治などと共に活躍したイタリア出身の画家 アメデオ・モディリアーニ。モディリアーニによる人物像はアーモンド型の眼や細長い首をもち、内面的な本質を鋭く捉えている。展覧会では、国内外で所蔵されるモディリアーニ作品を中心に、同時代のパリを拠点に繰り広げられた新しい動向や多様な芸術の土壌を示し、モディリアーニ芸術が成立する軌跡をたどる。
会期:2022年4月9日(土)~7月18日(月・祝)
会場:大阪中之島美術館 (大阪府)
展覧会HP:https://modi2022.jp/
▍ミロ展 ー日本を夢みて
スペインのバルセロナで生まれた大芸術家、ジュアン・ミロ。ミロの若き日の日本への憧れを象徴する初期作品から代表作、そして日本で初めて展示されたミロ作品や、ミロ自身が所有していた日本の文芸品、さらに日本の芸術家との交流を示す多彩な資料など計130点を通して、ミロと日本の相思相愛の関係や、ミロというよく知られた画家を新たな角度から紹介する。
会期:2022年2月11日(金・祝)〜4月17日(日)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム (東京都)
展覧会HP:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_miro/
▍ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ―新収蔵作品を中心に
「光」をテーマとし、刻一刻と移り変わる一瞬の光の様子をキャンバスにとどめようとしたモネと、芸術としての絵画を追求し様々な試みを行うリヒターに焦点を当てる展覧会。注目は、同美術館がサザビーズ香港のイブニングセールで約30億円で落札したリヒターの《Abstraktes Bild》が初公開されることだ。その他、ベルト・モリゾ、アンリ・マティス、フェルナン・レジェ、松本竣介、斎藤義重、白髪一雄らの作品も合わせて展示される。
会期:2022年4月9日(土)~2022年9月6日(火)
会場:ポーラ美術館 (神奈川県)
会場HP:https://www.polamuseum.or.jp/
▍ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション
ドイツ・ケルンにあるルートヴィヒ美術館より、マレーヴィチ、ピカソ、ウォーホルなど、20世紀初頭から現代までの優れたコレクション152点が来日。市民のコレクターたちによる寄贈を軸に形成されてきた同美術館の代表的なコレクションを、寄贈に関わったコレクターたちに焦点を当てて紹介する展覧会。
ヨーロッパで最大とも言われる同館のポップ・アートのコレクションからは、美術館の名前に冠されたコレクター、ペーター・ルートヴィヒをウォーホルが描いた《ペーター・ルートヴィヒの肖像》、ジャスパー・ジョーンズが1950年代にモチーフにしていた数字を描いた作品《0-9》、ロイ・リキテンスタインが機関銃の発砲した瞬間を描いた《タッカ、タッカ》などが登場する。
会期:2022年6月29日(水)~9月26日(月)
会場:国立新美術館 (東京都)
展覧会HP:https://www.nact.jp/exhibition_special/2022/ludwig/
※巡回展:京都国立近代美術館 (会期:2022年10月14日(金)~2023年1月22日(日))
▍感覚の領域 今、「経験する」ということ
現代美術の分野で独自の視点と手法によって、実験的な創作活動を展開している7名の美術家を紹介する展覧会。全身の感覚を伴う身体的なもの(飯川雄大、今村源)から、瞼の内側に生起する生理的な反応へと訴えかけるもの(伊庭靖子、中原浩大、名和晃平)。あるいは、記憶や想像力を動員する思考的なもの(大岩オスカール、藤原康博)まで、それぞれ多様な経験の機会を提供する。
会期:2022年2月8日(火)〜2022年5月22日(日)
会場:国立国際美術館 (大阪府)
展覧会HP:https://www.nmao.go.jp/events/event/sense/
▍春日神霊の旅 -杉本博司 常陸から大和へ
画像引用:https://www.planet.pref.kanagawa.jp/
現代美術作家・杉本博司によって設立された小田原文化財団は、杉本博司が蒐集してきた春日信仰を中心とする神道美術も多数所蔵している。また、2022年3月には、奈良・春日大社より神霊の勧請を受け、江之浦測候所のある柑橘山に春日社が建立される予定だ。
展覧会では、春日大社やゆかりの社寺の宝物に加え、称名寺・金沢文庫、小田原文化財団の史料や作品も紹介することにより、東国所縁でもある春日大社への信仰を広く紹介する。
会期:2022年1月29日(土)〜3月21日(月・祝)
会場:神奈川県立金沢文庫 (神奈川県)
展覧会HP:https://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/bunko/tenji(kasuga).html
ニューオープン&リニューアルオープン 3館
▍大阪中之島美術館 (大阪府)
画像引用:https://kansaimagazine.com/
約40年の構想期間を経て、大阪の中核であり、水都のシンボルである中之島に美術館がオープン。19世紀後半から今日に至る日本と世界の優れた美術とデザインを核とし、地元大阪で繰り広げられた豊かな芸術活動にも目を向け、6000点を超えるコレクションを所蔵する。
開館記念展の「Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―」(会期:2022年2⽉2⽇(⽔)〜 3⽉21⽇(⽉・祝))では、ジャン=ミシェル・バスキア、マーク・ロスコ、アルベルト・ジャコメッティ、草間彌生、杉本博司といった同館の近現代美術の目玉作品が集結する。
オープン:2022年2⽉2⽇(水)
美術館HP:https://nakka-art.jp/
▍杉本博司ギャラリー 時の回廊、ヴァレーギャラリー (香川県 直島)
3月には、直島に2つの新たなギャラリーがオープンする。1つ目は、直島では、李禹煥、横尾忠則、安藤忠雄につづく、作家名を冠した4つめのギャラリーとなる「杉本博司ギャラリー」。≪硝子の茶室 聞鳥庵(もんどりあん)≫などが恒久展示される。
また、直島で9つ目の安藤忠雄建築となる「ヴァレーギャラリー」では、草間彌生 の≪ナルシスの庭≫と、小沢剛の ≪スラグブッダ 88― 豊島の産業廃棄物処理後のスラグで作られた 88 体の仏≫が展示される。
オープン:2022年3月
ベネッセアートサイト直島HP:https://benesse-artsite.jp/news/20211129-2186.html
▍国立西洋美術館 (リニューアルオープン) (東京都)
画像引用:https://www.ktr.mlit.go.jp/
施設整備のため、2020年10月19日より全館を休館していた国立西洋美術館が、2022年4月にリニューアルオープンする。リニューアルオープン記念として、「自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」(会期:2022年6月4日(土)~9月11日(日)や、ピカソ、クレー、マティス、ジャコメッティなどに焦点を当てた「ベルクグリューン・コレクション展(仮称)」(会期:2022年10月8日(土)~2023年1月22日(日))などが開催される予定だ。
リニューアルオープン:2022年4月9日(土)
美術館HP:https://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
ANDARTでは、毎月の注目展覧会情報もご紹介しています。1月スタートの展覧会カレンダーはこちら↓
ANDARTでは、オークション速報やアートニュースをメルマガでも配信中。無料で最新のアートニュースをキャッチアップできます。この機会にどうぞ会員登録をご検討下さい。
文:ANDART編集部