日本M&Aセンターが行うM&A大学。 その卒業生として最前線で活躍するOB・OGバンカーに気になる情報をインタビュー。
今回はみちのく銀行 地域創生部 創業・事業承継支援室 代理 佐々木 駿氏にインタビューした。
ー現在の部署に来られるまでの経緯を教えてください。
2010年入行し5年間支店に従事。2015年に地域創生部が立ち上げとなったタイミングで異動となり、はじめて事業承継業務に携わるようになりました。
お客様の課題解決ができることに面白さとやりがいを感じ、案件があれば自分から関わるようになりました。ちょうどその頃日本M&Aセンターへ出向の話があり半年出向させていただきました。
ー出向から戻られてからはどういった業務をご担当されていますか?
地域創生部の創業・事業承継支援室でM&A業務を担当しております。お客様対応だけではなく支店への啓蒙活動も行っています。中村室長が着任されてから、本部メンバーで全支店を周るなど一段階上の啓蒙活動も行えるようになり、全行的にM&Aの理解が深まった気がします。
ー佐々木さんは現場を経験されてから出向に来ていただき、出向中もお客様へのアプローチなど意欲的に行動されていましたよね。
良いかたちで出向できたと思います。半年という短い時間でしたがその分緊張感を持ち続けながら濃縮した時間を過ごすことができました。シニアエキスパート資格についても、出向前に取得していたのですが、より知識・経験を体系的に学び専門性を高めたいと思い参加しました。ある程度知識をつけた状態でかつ自行のM&Aに対する取組の状況や課題を把握した上で出向に出られたことは大変良かったと思います。
ー半年の出向期間で、印象的だったことや、現在の業務に活かされていることはありますか?
日本M&Aセンターの「人」ですね。ディールが上手く進められる人は、社外はもちろん社内のコミュニケーションを大事にしているなと思いました。M&Aはたくさんの人と関わる仕事なので、日本M&Aセンターの皆さんのように、プロフェッショナルなだけでなく、人との関わりを大切にし、毎日100%の力で業務にあたっています。
お客様の変化をキャッチする、地方銀行がお客様の傍でできること
ー2015年の立ち上げ期からM&Aに携わられており、この5~6年でマーケットの変化もあったと思います。そんな中、今後やっていこうと思うことがあれば教えてください。
M&Aに対する認知度は格段に上がり前向きに捉えるお客様も増えてきましたが、まだまだお客様への啓蒙も必要だと感じています。
会社の成長戦略であることを伝え、選択肢のひとつとして考えてもらえるように啓蒙をしていきたいです。
お客様の考えや実情を知っているのが銀行だと思いますので、それを加味した提案をしていきたいですね。
ー行員の意識変革に効果的だと思うことはありますか?
やはりやってみること、触れてみることですね。支店から買い手のお客様ニーズがあると情報が上がってきても、実際に面談して深くお話を伺っていくと譲渡ニーズがあるケースも珍しくありません。そういった現場を体験して気づきを見つけてほしいと思います。
またM&Aはタイミングが重要だと思っています。最初は譲渡に後ろ向きな方でも、お身体の話、ご年齢の話、マーケットの話などで180度違った流れになることもありますので、我々地方銀行が傍にいてその変化をキャッチする大切さを行員に伝えていきたいです。
最近は「是非みちのく銀行にお願いしたい」とお声がけいただくように
ー今までご経験された中で印象に残っているディールについて教えてください。
出向期間中に譲渡相談を受けた案件を出向終了後銀行へ持ち帰り成約することができたのですが、自らに与えたミッションを、活動の結果として成果に繋げることができてよかったと思っております。
その時のお客様からは、今もお電話を頂くこともあり私にとって忘れられない案件となりました。
ー成約したお客様から良い知らせがあったりするのですか?
そうですね。その成約案件は当時従業員が10人ほどだったのですが現在は20名ほどに増えていたり、新社屋を建てたり、別の工場を購入されたり、受注が増えたと聞いています。
譲渡した社長は、M&Aをする前は、自身の引退間近に新しい人材を採用することや新たな設備投資に後ろ向きだったのですが、M&Aによって全て問題が解決されたと、感謝を伝えてくれました。
ーそれは素敵なお話ですね。
本当に嬉しいですね。最近「みちのく銀行にお願いしたい」とお声がけいただくこともあり、少しずつではありますが、当行=M&Aのイメージが定着してきたと感じることがあります。
逃げない、逃げられない、共存共栄、苦しいことも一緒に乗り越えてきたという関係から、最後の承継のご相談も我々にしていただいているのかなと思います。この先も地域の想いや期待に応えていきたいですね。
日本M&Aセンターには、そういった地域の想いや期待を一緒に理解し背負っていただきたいと思っております。
最近はTPM(東京プロマーケット)のご提案であったり、サーチファンドの立ち上げであったり、日本M&Aセンターと一緒になることで、多様化するニーズに応えられる総合的な提案が可能となりますので、引き続き我々へのアイデアやバックアップをお願いしたいと思います。