注目のオークション結果から、展覧会情報まで。ANDARTお取り扱いのアーティストの話題を中心に、1週間のニュースを振り返る。(1ドル= 114円, 1EHT = 444,730円で換算 ※ 2021年の過去のオークションの話題は当時のレートで換算)
作品
▍ゲルハルト・リヒター作品を、リアルタイムにウェブカメラで公開
ゲルハルト・リヒターがミュンスターにある教会に設置した≪Two Grey Double Mirrors for a Pendulum(振り子のための2つの灰色のダブルミラー)≫という作品の公開が始まった。鏡張り・高さ6Mの空間で、3億8000年前の岩石でできた目盛り付きの円盤の上を、28.75mのワイヤーにつり下げられた金属製の48キロの球体が往復する作品。この作品は、終日、振り子の上部に設置されたウェブカメラから鑑賞することもできる。(munster.de)
▍バンクシーのチャリティTシャツに大行列
先週、バンクシーのデザインしたチャリティTシャツが発売されることが発表されたが、発売日当日、販売される6つの店舗に大行列ができた。ブリストルのストーク・クロフトにある店の前には、朝早くから約200人もの人たちが列をなした様子が報じられている。(BBC)
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オークション
▍世界のアートオークションの売上、2021年に過去最高の約7,400億円に
美術品市場調査会社ArtTacticが12月15日に発表したレポートによると、ファインアートのオークション売上高は2021年に総額約7,400億円 (約65億ドル) と、過去最高となった。うち、「戦後美術」と「現代美術」が53.8%のシェアを占め、約4,000億円 (約35.3億ドル) の売上を記録したとのことだ。(PENTA)
各オークション会社も好調であり、サザビーズは約8,300億円(約73億ドル) の過去最高の売上を記録 (artnet news)、フィリップスも約1,400億円 (約12億ドル) の売上を記録し、こちらも過去最高となった。(artnet news)
▍2021年オークションでの最高額落札作品はピカソ
今年のオークションで最も高額で落札された10作品をBloombergが報じている。最も高額で落札されたのは、パブロ・ピカソの≪Famme assise près d’une fenêtre (Marie-Thérèse)≫で、約118億円 (1.034億ドル) での落札。 top10の作品だけでも、落札額は総額約890億円 (7.81億ドル) となっている。(Bloomberg)
▍2021年のアートマーケットではバスキアが大人気
今年のオークションの売上をアーティストの国別に見ると、最も大きな売上を記録しているのはアメリカのアーティストだが、そのアメリカのトップ10のうち、4作品がジャン=ミシェル・バスキアの作品であるとArtpriceが報じている。特に、≪In This Case≫は約102億万円 (9,310万ドル) で落札され、2021年の市場全体でも2位となっている。バスキアの市場は絶好調であり、数年前の3倍から4倍の価格で販売されているとのことだ。(Artprice)
▍「世界のトップ10アーティスト」に草間彌生が女性初のランクイン
2021年、草間彌生はオークションにおいて約198億円 (1.74億ドル) という驚異的な売上を達成し、すべての創作期間と芸術媒体を合わせて、オークションで最も売れたアーティストのトップ10に入ったとArtprice社が報じている。(12月初旬、アートプライス社による暫定ランキング)。オークション市場の歴史において初めての女性のランクインとなる。(Artprice)
NFT
▍ダミアン・ハースト、ドレイクのカバーアートをNFTへ
ドレイクが8月に発売したアルバム「Certified Lover Boy」のカバーをダミアン・ハーストがデザインし、話題となったが、ハーストはこのアートワークをもとに ≪Great Expectations≫ と題する1万枚のNFTシリーズに仕立てた。この作品は、7月に発売されたNFTコレクション「The Currency」の購入者のみに無料で配布されたとのことだ。(DAZED)
画像引用:https://currency.nft.heni.com/
ダミアン・ハーストは、このほかにも「The Currencyをお持ちの方には、The Currencyグッズをたくさんプレゼントしています。」とInstagramで発信。同作品をモチーフにした傘やキーホルダー、帽子などを期間限定でプレゼントしている。(HENI)
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▍バンクシーの壁画がNFTとしてオークション & 分割販売へ
バンクシーの壁画がNFTとして販売される。2010年にサンフランシスコで発見された≪Wharf Rat≫で、破壊されたと思われていた壁画が発見されたものだという。専門家によれば、約8,000万円(70万ドル) 以上になる見込みとのこと。
12月17日から3日間にわたって販売されるが、初日は作品の完全な所有権がオークションで販売され、2日目は333個に分割した「フラグメント」を各約15万円 (0.33EHT) で販売。3日目はポストカードのような「お土産物」として約1.5万円 (各0.033EHT) で販売されるという。(CRYPTOSLATE)
コラボレーション
▍名和晃平の映像作品をバックにダンサー・田中泯が舞踏
東京都・谷中のギャラリー「SCAI THE BATHHOUSE」で開催されていた名和晃平個展「TORNSCAPE」。ここで展示されていた映像作品《Tornscape》の前で踊るダンサー・田中泯の様子が、名和晃平のInstagramで公開されている。
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▍HUMAN MADE と KAWS のコラボ第三弾が12/18発売
12月18日よりオン蘭限定でHUMAN MADE と KAWSの新作コラボレーションアイテムが発売された。第3弾目のリリースとなる今回は、アウター1型、パンツ1型、キャップ1型、クッション2型がラインアップ。KAWS によって描き下ろされた HUMAN MADE のアイコニックなモチーフが目を引くデザインとなっている。(HUMAN MADE)
展覧会
▍ANDARTのアートスペースで、バンクシー作品の解説付きプライベートビューイングに参加できるキャンペーンの実施が決定
12月13日(月)より、ANDARTはオフィス併設アートスペースをオープンし、バンクシーの取り扱い作品を8点展示しているが、12月15日より、これらのバンクシー作品の解説ツアー付きプライベートビューイングに参加できるキャンペーンを実施することを発表した。2021年12月15日(水) ~ 2022年1月5日(水)の間にANDARTでオーナー権を1枠以上ご購入された方が対象となる。詳細は特設ページにて▶ キャンペーン特設ページ
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▍「バンクシーって誰?」展、12月19日に名古屋での展示がスタート
今年8月〜12月に天王洲の寺田倉庫で開催され、話題を呼んだ「バンクシーって誰?」展。同展覧会が、2021年12月19日〜2022年3月27日までグローバルゲート ガレージ名古屋で開催される。バンクシーの作品群を、バンクシーの活動拠点であるストリートを再現した会場で体験することのできる展覧会だ。(展覧会特設ページ)
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▍ゲルハルト・リヒター、ホロコーストに向き合った作品をドイツで展示
ドイツのアーティスト ゲルハルト・リヒターは、デュッセルドルフにある美術館Kunstsammlung Nordrhein-Westfalenで、12月18日から「ビルケナウ」シリーズを展示する。ホロコーストやナチスの死のキャンプでの想像を絶する恐怖を描くことはゲルハルト・リヒター自身も不可能であると長い間考えていたが、強制収容所の囚人が命がけで撮影し、持ち帰った現存する4枚の写真を元に完成させた作品。それまでの豊かな色彩の描写とは対照的に、黒、白、緑、赤を基調としている。
展覧会では、4枚の絵画と、絵画の反対側に掛けられた4枚のグレーの鏡、強制収容所で撮影された4枚の写真のプリントをあわせ、インスタレーションとして展示されている。(Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen)
なお、この「ビルケナウ」は、2022年に東京国立近代美術館で開催される「ゲルハルト・リヒター展」で日本初公開される予定だ。
▍韓国のアレックス・カッツの描く花の展覧会
韓国にオープンしたギャラリー「Thaddaeus Ropac Seoul」で、アレックス・カッツの個展「Alex Katz: Flowers」が12月9日からスタートした。カッツの妻・エイダと花は、彼の作品の中に繰り返し登場するモチーフ。カッツは「韓国には花の絵の偉大な伝統がある、韓国では私の作品に人々が強く反応するようだ」とカッツは述べている。(Thaddaeus Ropac Seoul)
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文:ANDART編集部