マーケティングの超基礎「4P」全部わかる?
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数あるフレームワークの中でも、4P分析はマーケティングの基礎として知られている。しかし、正しい知識がないと十分に使いこなすことは難しい。ここでは4P分析の概要や活用方法に加えて、4C分析との組み合わせ方などを分かりやすく解説していく。

目次

  1. マーケティングに役立つ「4P分析」とは?
    1. 4つのPの意味
  2. 4P分析の基本的な流れ
    1. 【STEP1】4Pをもとに現状を分析する
    2. 【STEP2】矛盾している点を洗い出し、各要素を改善・修正する
    3. 【STEP3】複数のPを組み合わせて、新たな施策を考える
  3. 4P分析は4C分析との組み合わせがポイント!
  4. 4P分析は万能なフレームワークではない!陥りがちな落とし穴
  5. 4P分析をマーケティング戦略に活かす3つのポイント
    1. 1.顧客情報を徹底的に分析しておく
    2. 2.分析結果を総合的に判断する
    3. 3.マーケティングミックスに活用するツールを増やす
  6. 4P分析を使いこなすには知識と経験が必要

マーケティングに役立つ「4P分析」とは?

4P分析とは、主にマーケティング戦略を立てる際に活用されるフレームワークである。マーケティング戦略に欠かせないポイントを分析できることから、4P分析はマーケティングミックス(※)の代表的な手法として知られている。

(※)マーケティングツールを組み合わせること

4P分析は比較的シンプルな分析手法だが、マーケティングの基礎とも言えるフレームワークなので、これを機に正しい活用方法を身につけておきたい。

4つのPの意味

4P分析では売り手側の視点に立って、以下の「4つのP」をもとに分析を行っていく。

マーケティングの基本「4P」とは?4Cとの組み合わせ方や戦略立案が10分でわかる

つまり、4P分析は事業活動全般(開発から提供まで)を分析するフレームワークであり、それぞれの要素を整理しながら書き出していく。最終的には製品・価格・流通を踏まえてプロモーションを計画できるため、4P分析を活用すると最適なマーケティング戦略を見極めやすくなる。

4P分析の基本的な流れ

ここからは、4P分析の基本的な流れを解説していく。手順を間違えると正しい分析結果を得られないので、その点に注意しながら確認してほしい。

【STEP1】4Pをもとに現状を分析する

まずは前述で紹介した「4P」をもとに、自社の現状を分析する。文章だけでは分かりづらいので、以下では低価格のメニューを提供する飲食店の例を紹介しよう。

マーケティングの基本「4P」とは?4Cとの組み合わせ方や戦略立案が10分でわかる

上記のように各要素の現状をまとめると、自社の強みや弱み、メインとなるターゲット層などが分かりやすくなる。4P分析はこの現状分析が軸となるため、時間をかけてじっくりと各要素を書き出すことが重要だ。

【STEP2】矛盾している点を洗い出し、各要素を改善・修正する

次は、現状分析で書き出したそれぞれの要素を比較し、矛盾している点を洗い出す。もし矛盾点が見つかった場合は、4つのPの関係性を意識しながら改善・修正をしていく。

例えば、上記の例では「サラリーマンやOL向けのメニュー」とほかの要素が矛盾しているため、以下のように改善・修正を行う。

マーケティングの基本「4P」とは?4Cとの組み合わせ方や戦略立案が10分でわかる

ちなみに、4つのPの改善・修正を行う際には、「製品→価格→流通→販促」の順で作業を進める必要がある。この順序を間違えると、製品内容をもとにしたマーケティング戦略ではなくなってしまうので、ひとつずつ丁寧に作業を進めてほしい。

【STEP3】複数のPを組み合わせて、新たな施策を考える

すべての項目を改善・修正したら、最後に複数のPを組み合わせて新たな施策を考えていく。例えば、上記の例で「価格」と「販促」を組み合わせると、以下のような施策が効果的であると分かる。

・ランチセットをさらにお得にするクーポンを発行する
・クーポンによって通常時のセットメニュー料金を割引する
・SNSやホームページを立ち上げ、メニューの安さをアピールする

ただし、これらの施策が必ずしも有効になるとは限らないので、状況に応じて何度も検証・修正を行うことが必要だ。

4P分析は4C分析との組み合わせがポイント!

本当の意味で効果的なマーケティング戦略を打ち出すには、消費者側の目線も意識することが必要になる。そこでぜひ活用しておきたいものが、「4C分析」と呼ばれるフレームワークだ。

4C分析では消費者側の視点に立って、次の「4つのC」をもとに分析を行っていく。

マーケティングの基本「4P」とは?4Cとの組み合わせ方や戦略立案が10分でわかる

上記を見ると分かるように、4P分析と4C分析の各要素は対になっている。つまり、4C分析の各要素を意識しながら4P分析を行えば、より効果的なマーケティング戦略を打ち出せるだろう。

したがって、4Pをもとに現状を分析する際には(※前述の【STEP1】)、同時に4C分析にも取り組んでおきたい。

4P分析は万能なフレームワークではない!陥りがちな落とし穴

ここまで解説した4P分析は、実は万能なフレームワークではない。その点を誤解して分析結果を全面的に信用すると、思わぬ落とし穴にはまってしまう。

例えば、業種によっては「価格(Price)」による影響が強くなりすぎて、ほかの要素(製品・流通・販促)とのバランスが取りにくいケースもある。例えば、とにかく安さが重視される100円ショップや、ファストファッションなどの業界をイメージすると分かりやすいだろう。

このように4P全体のバランスが崩れている業界に関しては、影響の強い要素を重点的に考える必要がある。また、最近では「パッケージ(Packaging)」や「業界内での位置づけ(Positioning)」のように、マーケティングに影響を及ぼす新たなPが注目されつつあるので、4P分析はあくまでフレームワークのひとつとして認識しておきたい。

4P分析をマーケティング戦略に活かす3つのポイント

単に4P分析や4C分析をしただけでは、その結果をマーケティング戦略に活かすことはできない。ここからは、4P分析をマーケティング戦略に活かすポイントや、さらに分析の質を高める方法を解説していく。

1.顧客情報を徹底的に分析しておく

4P分析の各要素は、事前に決めたターゲット層やペルソナをもとに考えることになる。そのため、ターゲット層やペルソナを明確にし、さらに顧客情報を徹底的に分析しておかないと、効果的なマーケティング戦略を打ち出すことは難しい。

特に意識しておきたいポイントは、ターゲット層が求めるニーズを具体的かつ確実につかんでおくことだ。年代や性別はもちろん、地域、職業、年収、ライフスタイルなど、ターゲット層のあらゆる属性を踏まえてニーズを見極める必要がある。

また、市場分析や競合分析なども必要になるため、ある程度の時間とコストがかかることは覚悟しておこう。

2.分析結果を総合的に判断する

4P分析や4C分析によって各要素を分解すると、ひとつの要素のみに目がいきがちになる。しかし、実際のマーケティングではさまざまな要素が絡み合うので、分析結果はあくまで総合的に判断しなければならない。

例えば、流通チャネルに関する戦略を立てる際には、以下のすべての要素を意識する必要がある。

・販売するエリア
・販売量
・ブランドや価値などの販売管理
・製品の耐久性(鮮度)
・流通にかかるコスト
・自社の販売能力や営業マンのスキル
・顧客とのコミュニケーションの必要性

特定の要素のみに着目すると、期待した効果を得られない戦略になってしまうため注意しよう。

3.マーケティングミックスに活用するツールを増やす

本記事では2つの分析手法を紹介したが、マーケティングミックスに活用できるツールはほかにも存在する。詳しくは割愛するが、例えばPEST分析やSTP分析なども活用すれば、さらに多くの要素をマーケティング戦略にとり入れられる。

また、前述でも軽く触れたように「4P以外のP」に目を向ける方法もひとつの手だ。最近では4Pのほか、「利用者(People)」「提供プロセス(Process)」「物的証拠(Physical Evidence)」などの要素も重視されつつある。

企業のマーケティングには数え切れないほどの内部要因・外部要因があるので、時間に余裕のある経営者はより多くのツールを活用していきたい。

4P分析を使いこなすには知識と経験が必要

4P分析は基本的なフレームワークだが、うまく使いこなすには知識と経験が必要になる。特に各要素の改善・修正や4C分析との組み合わせなどは、十分な知識がないと間違った分析結果が出てしまう。

フレームワークに慣れていない経営者は、本記事で解説した内容を参考にしながら慎重に分析を進めていこう。

著:片山 雄平
1988年生まれのフリーライター兼編集者。2012年からフリーライターとして活動し、2015年には編集者として株式会社YOSCAに参画。金融やビジネス、資産運用系のジャンルを中心に、5,000本以上の執筆・編集経験を持つ。他にも中小企業への取材や他ライターのディレクション等、様々な形でコンテンツ制作に携わっている。
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