2022年で開館20周年を迎える神奈川県箱根町のポーラ美術館。これを記念して、「モネからリヒターへ―新収蔵作品を中心に」と、没後50年となるピカソの画業を振り返る「歿後50年 ピカソ青の時代を超えて」が開催される。
画像引用:https://www.polamuseum.or.jp/
■「モネからリヒターへ―新収蔵作品を中心に」
印象派を代表する画家のクロード・モネ。ドイツを代表する現代アーティストのゲルハルト・リヒター。本企画展は「光」をテーマとし、刻一刻と移り変わる一瞬の光の様子をキャンバスにとどめようとしたモネと、芸術としての絵画を追求し様々な試みを行うリヒターに焦点を当てる。時代を越えて「光」を探求した芸術家たちの共通点、作品に込められた「光」を探求する。
さらに、何といっても大注目なのは、同美術館がサザビーズ香港のイブニングセールで約30億円で落札したリヒターの《Abstraktes Bild》が初公開されること。欧米作家の中では、アジアのオークションで過去最高額で取引された作品である。
その他主な出展作家にはベルト・モリゾ、アンリ・マティス、フェルナン・レジェ、モーリス・ルイス、ドナルド・ジャッド、ジョアン・ミッチェル、ケリス・ウィン・エヴァンス、関根正二、松本竣介、斎藤義重、白髪一雄らが名を連ねる。ポーラ創業家2代目の鈴木常司が収集したコレクションと近年に新収蔵した作品が合わせて紹介されるのも初の試みだ。モネからリヒターのコレクションを辿り、美術館の現在と未来を表現する展覧会に期待が高まる。
画像引用:https://www.sothebys.com/
■「歿後50年 ピカソ 青の時代を超えて」
20世紀最大の画家と称されるパブロ・ピカソ。彼の名はヘンテコな絵の代名詞として使用されることも多い。しかし、ピカソの作品は時代や彼の人生そのものの影響を強く受けており、作風も実にバリエーション豊かだ。さらにいくつもの創作スタイルにチャレンジし、芸術の可能性を追求し続けた。本展覧会は、ポーラ美術館とひろしま美術館の共同企画展。バルセロナ・ピカソ美術館の協力により生涯にわたるピカソの絵画制作のプロセスに焦点を当てた。
ピカソが生涯手掛けた作品数は、なんと約1万3500点のスケッチと油絵、約10万点の版画、約3万4000点のイラスト、約300点の彫刻と陶器と言われている。最も多作な美術家としてギネスブックにも登録された。
91年の生涯を通して、芸術に情熱を注ぎこんだピカソ。その作品は没後50年を経た今でも、私たちの文化に深く染み付いている。どんな思いで作品に向かい、どんな風に変化を遂げてきたのかー。青の時代から彼の歩んできた道を辿れば、まだ見たことないピカソの姿が発見できるかもしれない。
展覧会概要
■ポーラ美術館開館20周年記念展「モネからリヒターへ―新収蔵作品を中心に」
会期:2022年4月9日(土)~2022年9月6日(火)
会場:ポーラ美術館 展示室1~5、アトリウム ギャラリー、森の遊歩道
住所:〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原 小塚山1285
■歿後50年 ピカソ 青の時代を超えて
会期:2022年9月17日(土)~2023年1月15日(日)
会場:ポーラ美術館 展示室1、3
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文:ANDART編集部