ANDARTユーザーに聞く!vol.3
(画像=ANDARTユーザーに聞く!vol.3)

ANDARTで本格アートの“オーナー”となった方々にお話をお伺いし、生の声をお届けする連載企画第3弾。実際にどんな人が利用しているの? 他の人はどんなふうにアートとの関わりを楽しんでいるの? など、すでにANDARTのサービスを楽しんでいる方も、利用を迷っている方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。

今回お話をお伺いするのは、経済・金融関連の情報サービスを提供する外資系企業にお勤めのKさん。幅広い業界のリサーチ業務を担当されていらっしゃいます。株式投資に深い知見をお持ちのKさんに、ANDARTをどのように活用されているか教えていただきました。

資産としてのアートに注目。ANDART利用のきっかけ

ーーアート作品の共同保有プラットフォームANDARTを知ったきっかけを教えてください。

株式投資の世界は情報があふれているので、利益(アルファ)を追求するために情報を先取りしたり、他の人が持っていない情報を見つけ出したりするのは、なかなか難しいです。あまり情報が出回らないところだと、たとえばウイスキーやワインなどは、事前に値上がりを予想しにくいですよね。そういった観点で、値上がりが期待できる資産について考えている中に、美術品がありました。それでいろいろ調べていて、ANDARTを知ったんです。

ーーあまり前例のないサービスですが、すぐ利用しようと思われましたか?

利用に踏み切るのは比較的早かったと思います。きちんと会社が運営されていくのかなど、一般的な疑問はありましたが、株の世界でもリスクを取らないとリターンはないので、エイッと思い切りました。

アート作品を一括購入するというのもできなくはないですが、保管などがネックになります。ANDARTの“分けて保有する”というコンセプトは会社の証券化とも類似しているので、違和感はありませんでした。美術品についてもこういうサービスが出てきてもおかしくないと思っていたので。

ーー実物のアート作品を購入したことはありますか? または、これからコレクションしたいとお考えでしょうか。

購入したことはありません。飾る場所と保管できる環境があれば考えるかもしれませんね。飾るところを含めて、全体として作品にふさわしい空間を用意できないと……という気持ちがあります。特に日本は四季があって管理が大変なので、ANDARTで共同保有作品を一括管理してもらっているように、プロに任せたほうが安心だと思っています

Kさんの保有作品(ANDARTで会員間取引可能)
(画像=Kさんの保有作品(ANDARTで会員間取引可能))

バンクシー《Jack and Jill (Police Kids)》

投資家目線で考える、アートを分散して保有するメリット

ーーアート作品を所有することについて、お考えを伺わせてください。

主に資産価値という観点で考えています。アートが心から好きだったら作品そのものを持ちたいと思うのかもしれませんが、そこまで大金を払う気にはならなくて。だから分散して保有するという現実的な方法を取っています。その人の資産ポートフォリオ全体のバランスで、どれだけアートに投じる余裕があるかによっても違うと思いますが。

ーーたとえばウイスキーなど、アート以外の分野のものを資産価値という目線で購入したことはありますか?

調べたことはありますが、流通に関してのノウハウが不足していたり、保管が難しかったりで、購入には至りませんでした。すでに需要が高まっているものは、手に入りにくいということもありますし。

ーーアートマーケットには将来性を感じるということでしょうか。

アートマーケットそのものもそうですが、金融緩和であふれたお金の行き着く先を考えると、株や債券などいろいろあると思いますが、アートは富裕層の趣味、資産分散のひとつです。富裕層が資産の何割かをアートに使うと考え、値上がりを期待してます

ーーたしかに、作品によっては価格が大幅に跳ね上がることもあります。

どれが大幅に上がるかは、株でも見つけにくいです。だからこそ分散して保有ができるというのはひとつのメリットだと考えています。1点張りではなく、いくつか分散して持っていると、失敗するものもあればうまくいくものもある。ポートフォリオを組むことでリスクを分散して、最終的にリスクを下げながらリターンをしっかり得る。そういう考え方をアートに取り入れるというのは、他の人があまりやってこなかったところなので、先行者にメリットがあると思っています。

価値の上昇が期待できるか? 好きなアートと、資産価値のバランス

ーーご経歴をお伺いすると、アートから遠い世界で働いていらっしゃるように感じます。もともとアートには関心をお持ちだったのでしょうか?

興味はあって、学生の頃から展示を観に行ったり、海外旅行先で美術館を訪れたりしていました。今はコロナの影響で外出がしづらいこともあり、昔ほどではないですが、機会があれば行きます。

ーーANDARTの共同保有作品として、扱ってほしいアーティストのリクエストがあればお聞かせください。

サルバドール・ダリやワシリー・カンディンスキーといった重鎮も扱っていただけたらいいですね。投資家目線で現代アートほどの伸びが期待できるわけではないですが、資産価値は置いておいて、本当に好きな作品だったら買ってみたい気持ちはあります。

サルバドール・ダリ《記憶の固執》
(画像=サルバドール・ダリ《記憶の固執》)

画像引用:https://www.artpedia.asia/

ーーANDARTではさまざまな作品を分散してお持ちですが、作品を選ぶ際の基準を教えてください。

基準があるようでない、というところがもどかしいのですが(笑) そもそも作品自体が気に入らなければ買いませんが、注目するのはアーティストの知名度など。過去のオークションでの価格推移を調べたりもしています。

Kさんの保有作品(ANDARTで会員間取引可能)
(画像=Kさんの保有作品(ANDARTで会員間取引可能))

アレックス・カッツ《Black Dress 6 (Yvonne)》

ーー作品価値の上昇を重視していらっしゃるんですね。ANDARTでは会員間の売買システムを取り入れていますが、積極的に利用して利益を出したいとお考えですか?

作品そのものを自分で持っている場合、貸し出すなどして収益を生むこともあると思いますが、今のところANDARTのサービス形態で得られるのはキャピタルゲインですよね。そうすると、いくらで仕入れて最終的にいくらになるか、というところを重視して見ることになります。

会員間の売買は、タイミングがよければ利益は出るかもしれませんが、さほど期待はしていません。最初に販売される時に“1枠1万円”という基準があるので、あとから購入する人は会員間で高値で取り引きするよりも、新作に流れていく気がします。利益を出すなら、長期で保有して、いずれオークションに出されることを狙ったほうがメリットは大きいんじゃないでしょうか。時間は味方になると思うので。

Kさんの保有作品(ANDARTで会員間取引可能)
(画像=Kさんの保有作品(ANDARTで会員間取引可能))

アンディー・ウォーホル《Campbell’s Soup I (Pepper Pot)》

よりクリアな情報を得たい。これからのANDARTへの期待

ーーANDARTでは実際に作品を鑑賞できる限定イベントを開催しています。そういった機会に魅力は感じますか?

はい、過去に何回か参加させていただきました。そういう機会があると嬉しいですね。

ーー「ここを改善してほしい」など、ANDARTのサービスへのご要望をお聞かせください。

株式の世界から来た者としては、価格設定が不透明に感じます。オークションであれば欲しい人の間で価格が決まるので分かりやすいですが、ANDARTでは販売されるタイミングでオーナー権総額と単価が決定していますよね。作品によってどのように価格が決まるのかが外から見えにくいので、ユーザーは疑念を持つこともあるかもしれません。

ーー作品の価格はマーケットに出て初めて決まるので、明確に示すのが難しいところはあります。これまでのオークションの落札額推移などの参考指標をメルマガで配信するなど、可視化を進めているところです。

メルマガのコンテンツも拝見していて、内容は分かりやすいと思います。アートの価格設定はもともとが分かりにくいものなので、なかなか難しいですよね。情報のN数が少ないので、自分でオークションハウスのサイトなどを見ても追えないところを、過去のデータなど含めて提供していただけるといいなと思います。

あと気になるところは、保有作品の貸し出しをするにあたって、オーナーにメリットが出るのか。オーナー権が完売しておらず会員間取引に行きつかない作品の扱いをどうするのかなど。新しいサービスなので、そのあたりは今後進化していくのかなと期待しています。

ーー貴重なご意見をありがとうございます。皆さまの声をもとにこれからも改善に励みます。本日はどうもありがとうございました!

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文:ANDART編集部