ディズニー周辺地価に異変!コロナ禍で不動産投資のチャンス?
(画像=vacant/stock.adobe.com)

「基準地価」は、土地取引の指標だ。毎年公表されているもので、今年も9月に各地の基準地価が発表された。コロナ禍の影響が鮮明な地域も多く、インバウンドの消失やテーマパークの休園で大きく基準地価が下がったエリアも少なくなかった。各地の状況を解説する。

「基準地価」とは?

基準地価は、毎年7月1日時点の基準地の価格を不動産鑑定士が算定し、国土交通省が取りまとめて公表しているものだ。算定の際に参考にされるのが基準地の周辺の取引事例などで、1㎡当たりの価格が算定される。

2021年の調査は全国約2万1,400地点を対象に行われ、全国的な傾向としては、土地の全用途平均の基準地価は2年連続で下落となった。その要因について国土交通省は「新型コロナウイルス感染症の影響等」としている。

ちなみに、住宅地の下落率については前年より縮小し、商業地について下落率が拡大する結果となっている。

全国各地の基準地価の動向は?

全国的な傾向について理解した上で、各地の基準地価の動向をサマリー的に紹介していこう。

千葉県:東京ディズニーランドがある浦安市、商業地で下落

まずは、東京ディズニーランドがある千葉県からみていく。東京ディズニーランドは新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、休園や入場制限などを余儀なくされた。その結果、東京ディズニーランドが位置する浦安市の商業地に大きな影響が出たようだ。

具体的には、浦安市の商業地の2021年7月1日時点における基準地価は、前年比で1.5%減となった。千葉県全体の商業地の基準地価は0.4%増となっているため、浦安市の商業地の基準地価の低下が目立っている格好だ。

東京ディズニーランドを訪れる人が減ると、当然、周辺の商業施設への客足も鈍る。このような状況により、浦安市の商業地域における不動産取引の価格が下落したことが、基準地価に大きく影響したとみられる。

東京都:歓楽街エリアの商業地、基準価値が大きく下落

東京都でもコロナ禍の影響を受けたエリアの基準地価が大きく下落した。具体的には、銀座と新宿の下落が顕著だった。この両地区は日本有数の歓楽街を抱える。コロナ禍で歓楽街が閑散とする状況が続いたことが基準地価に大きく影響した。

東京都の商業地における基準地価の下落率上位10地点において、銀座と新宿は実に9地点を占める結果となっている。最も下落率が高かったのは「新宿区歌舞伎町1-18-9」で、下落率は10.1%である。

続いて2番目に下落率が高かったのが「中央区銀座7-3-14」で9.0%、3番目に下落率が高かったのが「中央区銀座6-8-3」で7.2%だった。

大阪府:インバウンド消失が色濃く反映する結果に

大阪はコロナ禍以前、多くの外国人観光客であふれていた。しかし、コロナ禍が起きてからは状況が一変した。大阪中心部を歩く外国人の姿はまばらとなり、商業施設やビルのテナントの空きが目立つようになった。

この影響を受け、大阪市中央区や浪速区などでは基準地価が下落に転じる結果となった。大阪府の中で最も大きな下落率を記録したのは、「大阪市中央区宗右衛門町7-2」だ。この地点は道頓堀・戎橋に近い場所で、下落率は18.5%にも上った。

付け加えると、大阪では商業地の基準地価の平均でも下落となった。下落は9年ぶりのことで、いかに大阪にとってインバウンドの恩恵が大きかったのかを物語る結果となっている。

福岡県:商業地の上昇率は全国トップだが、中州は下落

2021年の基準地価において、福岡県の商業地の上昇率は2.7%で、47都道府県でトップとなった。もちろん福岡県もコロナ禍の影響を受けたが、その影響をはねのけるほど不動産投資が活発だった。特に、物流施設の需要が高かったという。

ただし、東京都の銀座や新宿エリアと同様、歓楽街の基準地価は下落を免れなかった。福岡最大の歓楽街・中州の基準地価は9年ぶりの下落となっている。

不動産投資家にとってはチャンス到来?

このように、特にコロナ禍の影響を大きく受けたエリアの商業地で基準地価の下落が著しい結果となっているが、これらのニュースをポジティブに受け止めている人たちもいる。それが、これから不動産投資により力を入れていこうとしている投資家たちだ。

不動産投資でキャピタルゲイン(売却益)を狙う場合、不動産をより安く購入することがポイントの1つである。そのため、不動産投資家にとっては、基準価値が大きく下落したエリアの不動産の購入は、検討の余地が大いに出てくる。

ただし、懸念もある。現在は4度目の緊急事態宣言が解除されたばかりだが、今後新たな変異株の出現などで、コロナ禍の収束までさらに時間がかかる可能性がある。そうすれば基準価値がさらに下がり、結果として購入タイミングが時期尚早だったということになる。

いずれにしても、来年の基準地価はどのような変動を見せるのか、引き続き注目したいところだ。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

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