2021年10月7日、マレットジャパンオークション「Modern and Contemporary Art」が開催。国内外の若手からベテランまで、幅広いアーティスト達の作品216点が出品された。本記事は落札価格トップ5とANDARTに関連するアーティストの情報をお届け。※落札価格は手数料込みで計算

5)東山魁夷《清秋》
落札価格:6,990,000円

東山魁夷《清秋》
(画像=東山魁夷《清秋》)

《清秋》(1936年)
画像引用:https://mallet.co.jp/

東山魁夷(ひがしやま かいい/1908-1999)は、昭和を代表する日本画家。「東山ブルー」と呼ばれる青や緑の色を使って、透明感を出した情緒豊かな風景画を描くことで知られている。終戦間近、死に直面した東山魁夷はふと目にした田園風景の美しさに心を奪われてから、90歳で亡くなる最後まで筆をとり続けた。“清秋”とは「空が澄み、空気の清らかな秋」のこと。その名の通りに、絶妙な色合いが秋の少し乾いた空気や肌寒さなど、秋の雰囲気が伝わってくる作品だ。

予想落札価格:500万円〜700万円

4)バンクシー《Happy Choppers》
落札価格:8,388,000円

バンクシー《Happy Choppers》
(画像=バンクシー《Happy Choppers》)

《Happy Choppers》(2003年)
画像引用:https://mallet.co.jp/

今回トップ5内で唯一の海外アーティストになったのは、イギリス出身の匿名ストリートアーティスト、バンクシー。この《Happy Chopper》はバンクシーのキャリア初期のもので、イスラエルとパレスチナの紛争に注目を集めるために、2002年ロンドン中心部に登場した壁画が元になった作品。「Chopper(チョッパー)」とは、朝鮮戦争時に生まれたヘリコプターを表すアメリカの俗語である。

予想落札価格:400万円〜600万円

3)細川真希《Fantasia》
落札価格:10,485,000円

細川真希《Fantasia》
(画像=細川真希《Fantasia》)

《Fantasia》(2013年)
画像引用:https://mallet.co.jp/

細川真希は1980年大阪府生まれの画家。アニメのようなキャラクターが印象的で、フェルメールの《牛乳を注ぐ女》やボッティチェリの《ヴィーナスの誕生》などの名画をオマージュした作品を制作することでも知られている。2004年には、村上隆が主催する現代美術の祭典「GEISAI」で銅賞を受賞。今後も活躍が期待される新進気鋭のアーティストだ。本作は162×130cmの大きなキャンバスにアクリルで描かれた作品。

予想落札価格:300万円〜400万円

2)ロッカクアヤコ《Untitled》
落札価格:14,562,500円

ロッカクアヤコ《Untitled》
(画像=ロッカクアヤコ《Untitled》)

《Untitled》(2017年)
画像引用:https://mallet.co.jp/

ロッカクアヤコは、1982年千葉県生まれの現代アーティスト。今回のオークションは1、2番をロッカクアヤコが占め、その高い人気がよく現れた結果で終了。ロッカクアヤコも2006年の「GEISAI」でスカウト賞の受賞をきっかけに注目を集めるようになり、トレードマークの大きな瞳の少女と、少女を包む柔らかさと力強さが同時に存在するような明るい色彩で見る人を魅了している。本作は、それぞれに描画された5枚のアクリルを張り合わせ、表と裏で違う絵柄を楽しめる作品。

予想落札価格:300万円〜500万円

1)ロッカクアヤコ《pray to flower》
落札価格:18,057,500円

ロッカクアヤコ《pray to flower》
(画像=ロッカクアヤコ《pray to flower》)

《pray to flower》(2007年)
画像引用:https://mallet.co.jp/

絵筆を使わずに、段ボールやキャンバスに手で直接描いていくスタイルがロッカクアヤコの特徴。《pray to flower》に使われた縦長のキャンバスの他にも円形のキャンバス、2番目の作品のようなアクリルを使ったもの、木製の花瓶など幅広い媒体を使って、自由に表現している。世界からの評価も高く、日本を代表するアーティストのひとりとして、今後もオークション市場で注目を集め続けていくだろう。

予想落札価格:600万円〜800万円

ANDART関連アーティスト情報

名和晃平
名和晃平は、京都を拠点に活動する彫刻家。動物の剥製を透明の球体で覆った「PixCell」シリーズ、2018年にパリのルーヴル美術館で展示した高さ10mの作品《Throne》などの彫刻作品が世界的に有名。他にも違ったコンセプトで「Direction」というドローイングシリーズなど、幅広く制作活動をしている。

今回出品された「Line-Random」は、ランダムな線がプログラムにより自動的に描かれたものをシルクスクリーンで制作したエディション作品。それぞれ466,000円で落札された。

《Line-Random-CMY #1-2》(2013年)
(画像=《Line-Random-CMY #1-2》(2013年))

画像引用:https://mallet.co.jp/

《Line-Random-CMY #3-2》(2013年)
(画像=《Line-Random-CMY #3-2》(2013年))

画像引用:https://mallet.co.jp/

共同所有の「ANDART」とオンラインセレクトストア「YOUANDART」では名和晃平の作品を取扱中。

【ANDART】

  • キャンバスの上端から降下する漆黒のインク顔料が、点・線面を構成するペインティングシリーズ「Direction」より《Direction#182》。作品はこちらから

  • ルーブル美術館で展示した《Throne》を1.5mサイズにして世界で10点限定で制作した《Throne(g/p_pyramid)》。作品はこちらから

【YOUANDART】

  • 黒の下地とそこに刷り重ねられたインクのレイヤーが様々な光の反射率を生み出すシルクスクリーン作品「Element-Black」シリーズ。作品はこちらから
《Element – Black #8》(2018年)
(画像=《Element – Black #8》(2018年))

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文:ANDART編集部