コロナ禍で世界的にデジタル化が進み、オンラインでアートを購入する人が増えてます。「The Art Basel and UBS Global Art Market Report 2021」によると、世界のアートと古美術品のオンライン市場は、2019年では6億ドル、2020年では2倍の12.4億ドルとなっています。同資料によると、3.1億ドルだった2013年から右肩上がりで順調に成長していましたが、2020年に市場は大きく拡大しています。

その理由のひとつに、コロナの感染拡大を受け、2020年は「アート・バーゼル香港」や「フリーズ・ロンドン」など、主要なアートフェアが次々に中止へと追い込まれたことがあります。国内では「アートフェア東京2020」と「World Art Tokyo 2020」が状況を鑑みて自粛し、開催を取りやめました。その代替策として、オンライン・ビューイングルームが開設されました。

また世界で最も歴史のあるオークションハウスのひとつであるサザビーズが、いち早くオンラインオークションを導入したことも話題になりました。

さらにインターネット決済の技術が普及して、支払いの環境が整ったこともオンライン市場が広まった要因として挙げられるでしょう。手数料が割高なことから、これまでクレジットカードを利用できなかったギャラリーも多く、オンラインでの販売は支払いがネックでしたが、世界的なデジタル化の流れも手伝い、オンラインショップを開設するギャラリーが増加しました。

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ネットでアートを購入すること
アートを販売するECサービス

オンライン市場への需要が高まったことで、アートを販売するECサイトやサービスも増加しました。

インターネットでアートを購入できるサービスに、国外ではECサイトの「Artsy」や「Artspace」、国内では日本のオンライン市場を牽引してきた「tagboat」、『美術手帖』が運営し、ギャラリーやアートストアとサービスを展開する「OIL by 美術手帖」、ミヅマアートギャラリー(Mizuma Art GALLERY)や小山登美夫ギャラリー(Tomio Koyama Gallery)、シュウゴアーツ(ShugoArts)といった日本のトップギャラリーとも提携している「Art Scenes」などがあります。ANDARTは、厳選した国内外の作品を提供する「YOUANDART」を運営しています。

また百貨店には、日本橋にギャラリーを持ち、現代アートや工芸、日本画などを取り扱う三越伊勢丹が、公式通販サイトでオンライン販売を行なっています。

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若手作家の作品のオンライン購入を勧める理由
アートの購入の目的は大きく分けて、文化的価値の高いインテリアの入手、資産形成、社会貢献の3つがあります。

インテリアの面から考えると、アートポスターを額装したり、アートグッズを買って飾る方が手軽に思えるかもしれません。たとえばニューヨーク近代美術館にある「MoMAデザインストア」の公式サイトでは、世界的なアーティスト・草間彌生のカボチャをモチーフにしたグッズを販売しています。ですが、アート作品のディテールや希少性は、本物のアートでなければ感じられません。

自宅にアートを飾る暮らしを身近なものにするなら、価格が手頃な若手作家の作品のオンライン購入が、アートコレクションを始める入り口として最適です。オンラインなら、ギャラリーではまだ取り扱っていない作家の作品が購入できることもあります。

若手作家の作品なら、部屋に飾り暮らしを豊かにするだけでなく、彼らの収入に貢献することで支援に繋がり、社会への貢献度も高いものになります。

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オンラインショップでアートを買うメリット
まず、オンラインでアートを購入する最大のメリットは、作品を比較できる点です。ネットでは、販売されて在庫がない作品のアーカイブも含めて、比較検討するための作品のデータが膨大にあります。アーティストや作品について情報収集することで、自分の好みが定まり、業界内での評価も相対的に見た上で、購入することができます。

さらに、国内での主要なギャラリーは東京に集中しています。地方在住の人が自分の好みの作家を探すには時間がかかります。仕事などの都合で時間がとれない人も、じっくり吟味する必要のあるアートは、オンライン購入の方が合理的です。

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オンラインで購入するときの5つのチェックポイント
実物を見ずにオンラインでアートを購入するときにチェックしたいポイントをご紹介します。

1.事前に情報収集を行ったか
アート作品としての強度は、作品の魅力と比例しています。長期的に楽しめる作品を手に入れるためにも、しっかりと情報収集を行い、価値のある作品を見極めるために目を肥しておくことが大切です。

2.購入資金額の設定
作品を選ぶ前に自分が用意できる予算を確認しましょう。前述したように、ネット上には膨大な作品のデータが溢れています。一から購入する作品を探そうとすると遠回りになってしまいます。

3.アーティスト情報
予算が決まると、自ずと買える価格帯から作家が限定されます。その中から候補として上がった作家は、所属するギャラリーの公式サイトや、作家本人によるHPでプロフィールや実績、作家のキャラクターなどを確認しておきましょう。作品自体の将来性を確認するだけなく、作家のファンになった方が、コレクションをより楽しむことができます。

4.作品の種類
アートには絵画、版画、写真、彫刻といった種類があります。1番高額なのは、作家が1点しか制作していない絵画です。版画や写真は複数枚、同じ作品ができるため、エディション(限定数)があり、価格もお手頃です。彫刻については、1点ものか、エディションのある作品かは素材によって異なります。

5.作品のサイズ
サイズが大きいものも価格が高くなる傾向があります。こちらは部屋の間取りや鑑賞しやすいサイズ感から検討していくといいでしょう。手元に届いたあとに、自分が管理しやすいことも重要なポイントです。

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YOUANDARTとは
YOUANDART(ユーアンドアート)は、世界中から独自にセレクトした本格アート作品を提供するオンラインストアです。2020年6月にサービスを開始して以来、KAWSや名和晃平といったアートマーケットで人気のある作家から、注目の若手作家まで、国内外の作品を取り揃え、部屋にアート作品のある豊かな暮らしを提案しています。

アートは買うタイミングも重要です。YOUANDARTの公式アプリ(2021年4月リリース)は、通知機能で新作情報やニュースを通知機能で確認できるほか、作品選びから購入までをアプリ内で全て完結することができます。気になる作品をいち早くゲットしたい方は、ぜひ登録をご検討ください。

なお、サイトや掲載作品、購入や購入後の不明点についてのご質問は、LINE公式アカウントから受け付けています。友だち追加していただき、トークルームからお問い合わせください。

YOUANDARTおすすめ作品 若手作家の中から厳選して2点ご紹介
菊池伊織(IORI KIKUCHI)《Diptyque》 ¥33,000

菊池伊織(IORI KIKUCHI)《Diptyque》
(画像=菊池伊織(IORI KIKUCHI)《Diptyque》)

「Diptyque」とは、2枚折りの屏風のこと。水彩で描かれた本作は、作品の中に絵画を見て模写する人物とその絵が描かれた作中作で、絵画と模写が屏風のように隣り合っています。

菊池伊織は1998年東京都生まれ。幼い頃にクロード・モネの作品に触れ、3歳から絵を描き始めました。高校時代にパリに留学し、2017年にニューヨーク州立大学Purchase校に進学、2020年テンプル大学ジャパンのアート専攻で学士号取得しています。

2018年に表参道のギャラリーROCKET主催のグループ展で100人のイラストレーターに選出され、2019年に「TURNER AWARD 2018」で大賞を受賞した注目の若手アーティストです。

嶋本丈士(Joji Shimamoto)《Sicily》(2009年) ¥220,000

嶋本丈士(Joji Shimamoto)《Sicily》
(画像=嶋本丈士(Joji Shimamoto)《Sicily》)

イタリアのシチリア島の教会をとらえた、モノクローム作品。

嶋本丈士は1983年生まれ、千葉県出身。東京を中心に活動する“ロマンチスト写真家”。その場の匂いや、音、湿気も捉え、LPレコードの針が生むノイズのような、安らぎと懐かしさを感じさせる作風が特徴です。

2007年にカルフォルニア州にあるAcademy of Art University のCA 写真科卒業し、2008 年に帰国後、新宿のTHE ART COMPLEX CENTER OF TOKYOで大規模な写真展を開催。『STUDIO VOICE別冊 日本の100人の写真家』に選出され、ラフォーレ原宿やBLUE NOTE TOKYOで展示、ニューヨークで開催された「NEW CITY ART FAIR」のメインイメージ写真に作品が起用されるなど、国内外で活躍がめざましい、新進気鋭のフォトグラファーの作品です。

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出典:「The Art Basel and UBS Global Art Market Report 2020」 https://d2u3kfwd92fzu7.cloudfront.net/The-Art-Market_2021.pdf

文:ANDART編集部