ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動し、NIKE、ISSEY MIYAKE MENといったブランドとのコラボレーションも活発に行い、最近ではユニクロ・UTとコラボレーションしたグラフィックTシャツの発売などでも話題の山口歴 (やまぐち めぐる) 。その待望の個展「LISTEN TO THE SOLITUDE」が、都内2箇所で開催されている。

展示作品すべてが新作という今回の展覧会。ANDART編集部はこの2つの展覧会の会場それぞれを訪問し、山口へのインタビューを行った。この記事では、まず展覧会の見所を紹介する。

目次

  1. ▍山口歴とは?
  2. ▍これぞ山口歴!の作品群を堪能。OIL by 美術手帖(ギャラリー)
  3. ▍山口の新たな試みを目撃する。銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM
  4. ▍集大成であり、新たな出発点ともいえる展覧会
  5. ▍展覧会詳細情報

▍山口歴とは?

© 2021 MEGURU YAMAGUCHI,HIROYUKI SEO, GOLD WOOD ART WORKS
(画像=© 2021 MEGURU YAMAGUCHI,HIROYUKI SEO, GOLD WOOD ART WORKS)

山口歴(やまぐち めぐる)は1984年生まれ、東京都渋谷区出身の現代アーティスト。2007年に渡米し、ニューヨーク・ブルックリンを活動拠点としている。初期作品から「筆致(ブラシストローク)」にフォーカスしており、独立した絵の具のブラシストロークを貼り合わせる「カットアンドペースト」と呼ばれる技法で表現される見事な色彩が国内外問わず評価されている。

▍これぞ山口歴!の作品群を堪能。OIL by 美術手帖(ギャラリー)

渋谷のパルコ2Fにある「OIL by 美術手帖(ギャラリー)」では、山口歴の代表作「OUT OF BOUNDS」シリーズの新作7点が展示されている。(会期:8月27日(金)~9月6日(月))

山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 OIL by 美術手帖(ギャラリー) 展示風景
(画像=山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 OIL by 美術手帖(ギャラリー) 展示風景)

「OUT OF BOUNDS」シリーズは「固定概念、ルール、国境、境界線の越境、絵画の拡張」というコンセプトのもと、キャンバス上に描くのではなくブラシストローク自体がキャンバスという枠組みを超えた作品だ。

平面作品ではありながらも、塗り重ねられた勢いのあるアクリル絵の具と、ブラシストロークの形状にあわせて繊細にカットされた支持体の合板によって、まるでブラシストロークが空中に浮いているかのような立体感が感じられる。

≪OUT OF BOUNDS NO. 125≫ / 山口歴 (山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 OIL by 美術手帖(ギャラリー))
(画像=≪OUT OF BOUNDS NO. 125≫ / 山口歴 (山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 OIL by 美術手帖(ギャラリー)))

▍山口の新たな試みを目撃する。銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM

一方、山口の新しい挑戦の数々を目にすることができるのが、GINZA SIX 6Fにある銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUMでの展示だ。(会期:8月30日(月)~9月14日(火))

山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM 展示風景 (中央が ≪PROMINENCE NO. 1≫ )
(画像=山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM 展示風景 (中央が ≪PROMINENCE NO. 1≫ ))

まず、目をひくのが、会場中央に展示された巨大な立体作品 ≪PROMINENCE NO. 1≫ 。立体に挑戦するのは、山口にとって初の試みだという。タイトルの「プロミネンス」とは、太陽の彩層からコロナの中に立ち上る、赤く見える炎状のガスのこと。

今回の展覧会「LISTEN TO THE SOLITUDE」は、「孤独の声に耳をすますことで、自身の心が届けてくれた心象風景、そして自身や自然、地球や宇宙に流れるエネルギー」をテーマとしているが、まさにその静かでありながら強いエネルギーを感じることのできる作品だ。

≪PROMINENCE NO.1≫ / 山口歴 (山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM) 
(画像=≪PROMINENCE NO.1≫ / 山口歴 (山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM) )

このほか、「写真家とのコラボレーション作品」も展示されている。縦フォーマットのシャープなイメージで都市の様相を切り取る写真家・伊丹豪の撮影する都市の写真や、サンディエゴを拠点に活動する写真家・瀬尾宏幸による金属プレートにプリントされた写真と、山口のペインティングがコラボレーションし、新たなイメージを作り出している。

山口歴と写真家・伊丹豪がコラボレーションした《ENERGY FLOW》シリーズ 展示風景 (山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM) 
(画像=山口歴と写真家・伊丹豪がコラボレーションした《ENERGY FLOW》シリーズ 展示風景 (山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM) )

▍集大成であり、新たな出発点ともいえる展覧会

銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUMの広大な空間を活かした平面作品にも注目だ。こちらでは、過去最大級の新作2点も展示している。

山口歴。過去最大級の新作 ≪MÖBIUS NO. 17≫ の前で。 (山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM) 
(画像=山口歴。過去最大級の新作 ≪MÖBIUS NO. 17≫ の前で。 (山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM) )

横幅が約7mにも及ぶ ≪MÖBIUS NO. 17≫ は、特に山口らしい色合いである青・白・黒をベースにした作品。このような、「ブラシストローク」にフォーカスした平面作品は、これまでに250作品以上制作してきたという山口。その集大成ともいえるような大規模な今回の作品には、粘度の異なるアクリル絵の具や、場所によっては墨汁なども使い、最後まで悩みながら2ヶ月という時間をかけて描きあげたという。

≪MÖBIUS NO. 17≫ / 山口歴(部分) (山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM) 
(画像=≪MÖBIUS NO. 17≫ / 山口歴(部分) (山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM) )

MÖBIUS (メビウス) というシリーズにおけるマルチカラーは、今回が初の試みとなる。山口は、今回の展覧会で新たな試みに挑んだ理由について、制作をつづける中で「次のレベルに行きたいと感じた」と述べている。

山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM 展示風景
(画像=山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM 展示風景)

2011年に初めて都内での個展を開催してから10年。今回の展覧会に対し、今できる全力で制作を行ってきたという。山口歴の集大成であり、新たな出発点となることも感じさせる今回の展覧会。ぜひ会場で体験したい。

▍展覧会詳細情報

山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展

© 2021 MEGURU YAMAGUCHI, GOLD WOOD ART WORKS
(画像=© 2021 MEGURU YAMAGUCHI, GOLD WOOD ART WORKS)

会場:銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM
会期:8月30日(月)~9月14日(火)
会場:GINZA SIX6F 銀座 蔦屋書店内中央イベントスペース GINZA ATRIUM
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
HP:https://store.tsite.jp/ginza/

会場:OIL by 美術手帖(ギャラリー)
会期:8月27日(金)~9月6日(月)
会場:渋谷PARCO 2F  OIL by 美術手帖(ギャラリー)
住所:〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ2階
HP:https://oil-gallery.bijutsutecho.com/

※ ちなみに、今回の2展覧会のフライヤーはペアになっており、2つの会場を訪れてフライヤーを入手することで全体像が完成する。会期中に2会場を巡ってこちらもぜひ入手したい。(なくなり次第終了)

山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 フライヤー
(画像=山口歴「LISTEN TO THE SOLITUDE」展 フライヤー)

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文・写真:ぷらいまり